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UNIDOL2022-23冬のセトリ分析

UNIDOL、それはUniversity-Idolの略称を由来とする大学生のアイドルコピーダンスの大会である。衣装にVJに、様々な工夫の光るパフォーマンスを見ることができる非常に価値ある催しでもあるが、やはり一番わかりやすい工夫はセットリストだろう。

UNIDOLではハロプロの曲が多いとか、ももクロは少ないだとか、なんとなくの認識はある程度足を運んでいる人なら持っているだろうが、さっと検索したところそれらを定量的に検証しているものは見当たらなかったため、UNIDOL2022-23Winter全イベント(予選・敗者復活戦・決勝)のセットリストを集計して検証を行った。

集計方法

本記事の集計データは以下のようにExcelで集計した。

  • 「データベース」「楽曲集計」「アーティスト集計」「カテゴリ集計」「カテゴリテーブル」シートを作成した。

  • 「データベース」シートは、主キー、日付、イベント名、チーム、楽曲、アーティスト、カテゴリの列を持つ。カテゴリ列のセルにはVLOOKUP関数が入力されており、アーティスト列を検索値として、カテゴリテーブルで割り当てられたカテゴリを表示する。

  • 「カテゴリテーブル」シートは「データベース」シートのアーティスト列を抜き出し、重複を削除した上で各アーティストに対応したカテゴリを独断と偏見により割り当てた。

  • 「○○集計」シートは「データベース」シートの該当行を抜き出して重複を削除し、COUNTIF関数によって集計を行った。(ただしモーニング娘。は先頭一致検索によってひとつにまとめた)


データベースシート


楽曲集計シート


アーティスト集計シート(カテゴリVLOOKUP関数も加えた)


カテゴリ集計シート


カテゴリテーブルシート(独断と偏見による)

Google Driveにスプレッドシート形式でアップロードしたので、詳細を閲覧したいかたは以下のリンクから閲覧してもらって構わない。

[スプレッドシートはこちらから]

本記事では、必要な部分については抜粋を提示しつつ進めていくため、独自の考察をしたい場合でもなければ見る必要は無い。

カテゴリテーブルについて

124のアーティストを33のカテゴリに振り分けた。ハロプロ、坂、48G、数式(イコノイジョイのこと。表記が長くなることを嫌った)、スターダスト、WACK、ヒロインズ、ArcJewelなど複数のアーティストによるもののほか、ラスアイ(ラストアイドル)、フレオ(手羽先センセーション)、群青の世界、Leadi(NEO JAPONISM)など、アーティスト単独でカテゴリを成すものも存在する。

単独で十分な数があり、かつ他のグループとまとめにくい例(ラストアイドル、群青の世界)や、今後同事務所のグループの楽曲を採用するチームが現れることを見越しての措置(フレオ、Leadi)である。ぶっちゃけラスアイはツイプラ(高嶺のなでしこ、可憐なアイボリー等を含む)にして、群青の世界はBIR(すなわち、群青の世界とドラマチックレコードという括りにしても良いかもしれない。今後のUNIDOLの動向に応じて変更も検討する。

というかカテゴリの割り当てはだいぶ雑である。

わかりにくいカテゴリ

少しわかりにくいカテゴリの内訳を以下に示す。

  • 声優
    i☆Ris、DIALOGUE+、一柳隊、ピュアリーモンスター

  • プレイト
    Appare!、パラディーク、(採用されれば真っ白なキャンバスもここ)

  • 大阪
    カラフルスクリーム、つぼみ大革命

  • 名古屋
    あたまのなかは8ビット、ジエメイ

  • アニソン
    A応P、ClariS、STARRY PLANET☆、月島きらり starring 久住小春

月島きらりについてはハロプロカテゴリ説もあるが、本研究のやり方は筆者が決めるものである。文句があればご自分で集計すればいい。


考察:カテゴリ集計


カテゴリ集計シートのグラフ

ハロプロが最多、48Gと坂、スタダ、アイスト(わーすた&スパガ)、数式(イコノイジョイ)、声優(主にi☆Ris)と続く。

ラブライブ!についてなのだが、Sophiaqours(上智大学)が全曲Liella!で固め、予選と敗者復活戦で7曲分も数を稼いでいるので留意すること。

また、声優についてもchocolat lumière(明治大学)が一柳隊2曲中2曲、とピュアリーモンスター1曲中1曲と単チームで3稼いでいる。

上位勢は特にその存在に違和感は無いと言える。

注目したいのが、ふるっぱーカテゴリ(FRUITS ZIPPER単体。ほかにアソビスステム系グループの採用もなかったので)の採用数が1であることだ。あれほどtiktokでバズり散らかし、某地下アイドルランキングでもシステム上不利な後発デビューであるにも関わらずランキング上位常連という大人気コンテンツであるにも関わらず、極端にセットリストに採用されないのだ。

おおむね、「地上」と言えるような人気グループ・カテゴリが採用数上位に集中する中で、滅茶苦茶人気にも関わらずFRUITS ZIPPERはほとんど採用されていない。ではコピーダンスでFRUITS ZIPPERの人気が無いかと言えばそれはNOだろう。

華金あっぷでーと!は社会人チームだが)FRUITS ZIPPERの曲が採用されるケースは決してコピーダンス界隈という括りで見れば珍しいことではない。

このことから、FRUITS ZIPPER楽曲は大会向きではないと演者に判断されている可能性が高いことが考えられる。

iLiFE!とアイドルライフスターターパックもたぶんそう。

まあアイドルライフスターターパック、2チーム使ってたけど。

考察:アーティスト集計


アーティスト集計シートのグラフ

たいへん見辛くて申し訳ないが、これほどまでに多様性に富んだセットリストをお目にかかれる喜びに代えていただければ幸いである。

カテゴリでも王者であったハロプロから娘。とアンジュルムがツートップ。そこにわーすたとノイミーが続き、SKE、ラストアイドル、Liella!(※1チームで7曲稼ぎました)、とき宣、ももクロ、イコラブ、チキパ、乃木坂、日向坂、i☆Ris、AKB48、NMB48、BEYOOOOONDSと続いていく。

カテゴリで見ればハロプロの天下であったが、少数のアーティストで構成されるカテゴリの構成員が逆襲を見せている。具体的には、要素数3の数式からノイミーや、要素数1のラスアイ、要素数3のアイストからわーすたといったものが顕著である。ちなみにハロプロは要素数10だ。(娘。はひとつにまとめた)

手羽先センセーション、Appare!、iLiFE!といった、いわゆる地下アイドルを牽引するようなグループがBiSHやSUPER☆GiRLS、HKT48といった大手に対して拮抗しているのは興味深い結果といえるだろう。

また、数式3組の中でノイミーの採用率が最も高かったことも興味深い。イコラブが先発であったことから、単純計算でいえばイコラブの方がファンが多く、当然演者の中のファンも多く、然らば採用される曲もイコラブの方が多くなるのが必然と考えられる。しかしながら妹分たるノイミーが何故この下克上を遂げられたのか。数式3組の事情には疎いのだが、筆者の目線で必至に考えてひとつの仮説が思い浮かんだ。

tiktokに強いから。

ノイミーにはサマーチョコレートやす、好きじゃない!といったtiktokで流行した楽曲がある。サマーチョコレートは執筆時点で動画6184本。す、好きじゃない!は6232本だ。一方イコラブはというとしゅきぴが約1万本。この空がトリガーが1124本。しゅきぴは大ヒットしたが、二の矢が当らなかった。というのもこの空がトリガーはターンを伴う振り付けのため、全身を映す必要があるが、サマーチョコレートやす、好きじゃない!は省スペースだ。その平易さから眼に触れる機会も多くなったのではないだろうか。

ほんとか?だとしたらふるっぱーiLiFE!高嶺のなでしこが無双してないか?
善戦してるiLiFE!はともかく、たかねこふるっぱー著しく採用率低いが?

真実はよくわからない。

でも、ももクロよりとき宣が若者への求心力に長けるのはそういう側面もあるのではなかろうか。(といっても、この大会では採用数はわずかにとき宣が1上回るのみであるが)

考察:楽曲集計

グラフがめっちゃ細かくて見辛いので、3チーム以上に採用された楽曲を抜粋する。

12月のカンガルー/SKE48:4
愛を知る/ラストアイドル:3
次々続々/アンジュルム:3
ハロー to the world/わーすた:3
Spica/NEO JAPONISM:3
す、好きじゃない!/≠ME:3

いずれも実力あるグループであり、広く採用されるのも納得であるのだが、もうひとつのデータを添えよう。そのグループの曲が何種類全体で採用されていたかのデータだ。

  • SKE48:8種類(※含チームKⅡ)
    君は未来に試されている、12月のカンガルー(4チーム採用)、恋落ちフラグ、賛成カワイイ!、オキドキ、チャイムはLOVE SONG(2チーム採用)、片想いFinally、心にFlower

  • ラストアイドル:6種類
    何人も、愛を知る(3チーム採用)、Break a leg!(2チーム採用)、愛しか武器がない(2チーム採用)、青春トレイン、バンドワゴン

  • アンジュルム:11種類
    悔しいわ、次々続々(3チーム採用)、泳げないMermaid、出すぎた杭は打たれない、46億年LOVE、マナーモード(2チーム採用)、赤いイヤホン、I 無双 Strong!、ドンデンガエシ、キソクタダシクウツクシク、マリオネット37℃

  • わーすた:11種類
    Cat Walkin'、うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ、オーダメイドとレディメイド、グレープフルーツムーン、空とサカナ、春花火、ハロー to the world(3チーム採用)、マッシュ・ド・アート、ミライバルダンス、詠み人知らずの青春歌、リル・リル・トリップ

  • ≠ME:8種類
    「君と僕の歌」(2チーム採用)、P.I,C.、君はスパークル(2チーム採用)、自分賛歌、す、好きじゃない!(3チーム採用)、超絶ヒロイン。僕たちのイマージュ、桃色デイブレイク

  • NEO JAPONISM: 1 種 類 
    Spica

いや、ネオジャポだけおかしいだろ。

どうやらこのSpicaなる楽曲は特異点らしい。何故かは皆目検討もつかない。
知ってる人がいたら教えて欲しいくらいだ。

総括

  • 人気があるアイドルも、大会向きでなければ採用されない傾向

  • ハロプロ強し。特にアンジュルムとモーニング娘。

  • AKBよりSKE、イコラブよりノイミー。ねじれ国会

  • ネオジャポはSpicaだけなぜか大人気

  • SophiaqoursのLiella!統一セトリにより大分ラブライブ!過大評価集計

  • tiktokは強い

このあたりが集計から読み取れる内容になるだろう。

23年夏大会もこの調子で集計を取ってみようと思う。


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