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ときメモ語り ~ときめきメモリアル30周年ライブに寄せて~


はじめに:この記事を書くきっかけ

先日、2024年5月18,19日に「ときめきメモリアル 30th ANNIVERSARY LIVE エモーショナル」が開催されることが発表されました。

X(旧Twitter)にときメモ30周年アカウントが存在していることは認識していて、カウントダウンが始まった時は何が起こるんだろう、もしかしたら同窓会的なイベントとかやってくれるのかな、という気持ちで見守っていたのですが、蓋を開けたらライブ、しかもメインキャストの皆さんが全員出演されるということで、驚きと嬉しさでいっぱいになりました。

ひさびさにときメモの楽曲を聞いたりして、懐かしいけどメロディも歌詞もしっかり覚えていて、当時のことを思い出しているうちに、そういえば大人になってからときメモのことを誰かに話したことってあんまり無いな、ということに気づきました。

単純にそういう機会も無かったというだけなのですが、30周年を迎えてアニバーサリーライブが決定した今はその機会なんじゃないかということで、わたしにとってのときめきメモリアルについて当時を思い出しつつ、キーボードの赴くままに書き綴っていこうと思います。

おそらく当時どこにでもいた、ときメモ好きの昔話にはなるのですが、そんな当時を思い出すきっかけの一つに、もしくは当時を知らない方が当時を想像する一助になれば幸いです。そして何より、自分の「好き」を振り返るために、自分自身のために書いてみます。

(おことわり)
本記事において、「ときメモ」「ときめきメモリアル」は、藤崎詩織をヒロインとする初代作品を指す単語として用います。

ときメモとの出会い

わたしとときメモとの出会いは、ラジオでした。

当時好きで聞いていたラジオ番組、「ツインビーPARADISE2」の後番組として1995年4月に放送が始まったのが、同じコナミ提供の番組「もっと!ときめきメモリアル」でした。

確か最初の印象は「なんかよく分からない番組が始まったな」「まぁツイパラの後番組だしとりあえず聞いてみるか」といったもので、恋愛シミュレーションゲームという未知のジャンルに対する印象も決して良いものではなかったことを覚えています。

「もっと!ときめきメモリアル」は、丹下桜さんがパーソナリティを務め、リスナーからのハガキを紹介するトークパートの間に、1話10分ほどのラジオドラマが入る形の30分番組でした。今となってはアニラジ界隈ではほぼお目にかかることもなくなった「ラジオドラマ」という作品形態が当時はメジャーで、林原めぐみさんのTokyo Boogie Nightをはじめ、多くの番組で扱われていました。

ラジオドラマは、小野坂昌也さん演じるオリジナルキャラ「高見公人」を主人公、藤崎詩織をヒロインとしつつも、毎月特定のキャラをフィーチャーし、聞いていくうちにそれぞれのキャラクターのことを知っていけるものになっていました。

ラジオを聴いているうちに、このラジオドラマを通してときめきメモリアルを徐々に好きになっていき、もっと知りたいと思うようになりました。そしてわたしの手元には友人から格安で譲ってもらったPCエンジン DUO-Rがありました…。(エメラルドドラゴンやアルナムの牙をやってました)

ちなみに「もっと!ときめきメモリアル」で丹下桜さんに出会い、ラジオを通して桜さんの人柄に触れてファンになっていくのですが、それはまた別のお話。

ゲーム「ときめきメモリアル」

そんなわけで、PCエンジン版のゲーム「ときめきメモリアル」を購入しました。確かPS版が発売される少し前だったと記憶しています。わたしはしばらくプレイステーションは持っていなかったので、PS版発売後もPCE版をプレイしていたという少し変わった形でした。ゲーム雑誌でPS版の攻略記事を見てPCE版をプレイする、とかやってましたね。笑

そして…ドはまりしました。だいたい1プレイ5〜6時間くらいかかるのですが、もう何十周したかわからないくらい繰り返しプレイしました。
(プレイ時間長くない?と思ったそこのあなた、PCエンジンはロード時間が長いのでPS版より時間かかるんです…。)

まず単純に、ゲームとして面白かったです。コマンドを選んで「文系」や「運動」といったパラメータを上げていき、そのパラメータなどの条件によって登場する女の子が変わり、デートをすることで好感度を上げたり、有名な爆弾システムによって狙いの子以外を放置するわけにもいかなくて、でも狙いの子に告白されるためのパラメータや好感度の調整も必要で…。
プレイするときには誰目当てなのかを決めてプレイするのですが、その狙い通りにいかずに伝説の樹の下に別の子が待っていることもしばしばでした。

そして何より、登場するキャラクターが魅力的で、繰り返しプレイしたくなってしまいました。ゲームでは基本的に主人公と女の子は1対1の関係で、ラジオドラマのように女の子同士の会話描写はありません。女の子との会話はデートやイベントで発生するのですが、例えばデート一つとっても行き先ごとに会話が違って、同じ行き先でも何種類か会話があって、会話の中での選択肢(3択)によってその反応が違って、それが女の子の人数分用意されていて…と、とても一度のプレイでそのすべてを見ることはできません。女の子のいろんなエピソードを見たい、セリフを聴きたいという思いが、繰り返しプレイをしたくなる大きな原動力でした。

会話はフルボイスで、当時まだゲームに声が付いているということ自体も一般的になって間もない時代だったので、きっと「全ての会話に声が付いていて、ひとつひとつの反応を耳で楽しむことができる」ことのインパクトは今想像するよりも遥かに大きかったのだと振り返って思います。

そんな中で、わたしが特に好きになったのが「虹野沙希」さんでした。おそらく当時一番人気のあったキャラクターで、わたしもその例にもれず虹野さんにハマってしまった一人でした。ときメモから離れてしまってからも、1/13になると「虹野さんの誕生日だ…」って毎年思い返すくらいには思い入れのあるキャラクターです。

虹野さんを好きになったきっかけは覚えていなくて、たぶんラジオドラマの時点ではまだ特に誰が好きというのは無かったはずなので、おそらくゲームを通してだったのだと思います。確か何も知識がない状態で遊んだ初回プレイで告白してきてくれたのが虹野さんだった気がするので(あるあるですよね)、もしかしたらそれがきっかけだったのかもしれません。

虹野さんのどこを好きになったのかを考えると、まず思い浮かぶのが「陽だまりのような明るさ」です。夏の太陽のような眩しさではなく、優しく照らしてくれる明るさ、笑顔が彼女の大きな魅力だと思います。

自身も頑張り屋で、頑張っている人を応援するのが好きで、「根性でがんばりましょう!」と主人公を応援する姿は、恋愛シミュレーションゲームのヒロインとしてだけではなく、アイドル的な要素も持っていたのだと思います。だからこそ、そんな彼女にわたしも背中を押されたのかもしれません。

見た目も好きで、青髪ショートカットというビジュアルが当時のわたしにぶっ刺ささりました。いや、今見てもほんとかわいい…。ウインクも代名詞でしたね。ゲーム中、ときめき状態(好感度の高い状態)になると照れた表情になるのですが、その時に見せてくれるウインクがまたかわいくて、多くのビジュアルでもウインクした姿を見せてくれました。この間のカウントダウンイラストでもウインクが見られて嬉しかったです。

あと、声が好き。可愛らしくて、高いけど聞き心地の良い柔らかくて優しい声。虹野さんを演じられているのは「菅原祥子(すがわらさちこ)」さんで、ときメモを通して知りました。菅原さんの演じられる声があったからこそ、あんなに虹野さんを好きになったのだと思います。

当時、菅原さんがパーソナリティを務めるラジオ「祥子のチョット・CHAT・CHAT」や「菅原祥子のももんがTIME」を放送エリア外から雑音の中ループアンテナ片手にベランダに出て聴いていたな、と懐かしく思っていたら、なんと前者のチョット・CHAT・CHATは現在も変わらず毎週放送されているとのことで…!radikoプレミアムに登録して二十数年ぶりに先週の放送を聞きました(日本全国のラジオを聴けるなんていい時代になりましたね…)。

本当に変わらないお声で、リスナーの方とのやり取りの雰囲気も懐かしい感覚で、何よりこうしてずっと継続してラジオを続けられているのはすごいことだと思いました。

少し横道に逸れますが、その雰囲気が本当に好きな雰囲気で、あぁわたしの好きなラジオってこういうのだったなって思いました。パーソナリティとリスナーの双方向の思いが感じられて、一緒に寄り添ってくれているような感覚。「もっと!ときめきメモリアル」での丹下桜さんもそうでしたし、ネットの無い時代だったからこその空気感もあったのだとは思いますが、ラジオには特別な力があると思います。

セガサターン版と「虹色の青春」

1996年夏にはセガサターンでも「ときめきメモリアル~forever with you~」が発売されました。プレステではなくサターンを持っていたわたしにとっては、待ちに待った発売でした。PCエンジン版と比べた時のロードの早さとグラフィックの綺麗さに感動したことを覚えています。おかげで周回も捗り、更に何度も遊んでいくのでした。

PS/SS版にはPCE版からイベントが追加されていて、それらを体験できることも楽しかったです。中でも印象的だったのが虹野さんの修学旅行での看病イベントで、「ずっと風邪ひいていたいな…」のセリフの破壊力たるや物凄かったですよね。。きっとあれで虹野さん好きになった方も多いはず。

1997年にはドラマシリーズと銘打ったアドベンチャーゲームが作られることとなり、その第一弾のヒロインに選ばれたのが虹野さんでした。
そして発売されたのが「虹色の青春」です。

何度もの引越しに伴う荷物整理で、ときメモ関連の品々もほとんど手放してしまったのですが、虹色の青春とSS版本編のゲームディスクだけは手放せなくて今も手元にあります。本編の方、保存状態が悪くて恥ずかしいのですがこれも年月の重みということでこのままの状態で写真載せてみます。

高校生だった当時、発売日の昼休みにごはんも食べずに学校を自転車で抜け出してゲームショップへ行って予約していた商品を受け取り、学校が終わったら急いで帰宅して深夜までぶっ通しでクリアまでプレイしたことを覚えています。

そして…ボロボロ泣きました。ゲームで泣くという体験を初めてしたのが虹色の青春だったと思います。そのくらい心に深く響いた作品でした。あの留守番電話の声を思い出すと、今でも胸に込み上げてくるものがあります。もちろん恋愛という要素もあるのですが、それ以上にタイトルにもある「青春」の物語でした。

恋愛シミュレーションだった本編とは異なり、アドベンチャーゲームの本作品は基本的にキャラクター同士の会話で進行していきます。なので、今までとは比べ物にならないほど虹野さんの言葉を聞くことができ、虹野さんのことを深く知ることができました。

そして知れば知るほど、虹野さんのことが好きになっていきました。他のキャラクターから見た虹野さんを知れるのも嬉しくて、特にドラマシリーズで新規登場した後輩の秋穂みのりちゃんの存在が、虹野さんというキャラクターを更に魅力的にしてくれていました。優しくて面倒見のいい先輩と、その先輩を慕う後輩、最高ですよね。。

みのりを演じられたのが先に書いたラジオでパーソナリティを務めた丹下桜さんというのも嬉しかったです。みのりと主人公との関係性の変化も物語の大事な要素でした。

そういえばこのゲームにはバッドエンドもあるらしいのですが、何度も遊んだのについにわたしはバッドエンドを見ることができませんでした。そのくらいこの物語が好きで、バッドエンドなんて見られなかったんです。

え…書いてたら久々にプレイしたくなってきたな。。ゲーム機(サターン)は手元には無いので、中古で買おうかなとか考えちゃいます。

プライズ展開とグッズ

ときメモと言えば、怒涛のプライズ(ゲームセンターの景品)展開も特徴的でしたよね。定番のキーホルダーやピンズ、マグカップなどはもちろん、お弁当箱や箱ティッシュなんていう変わり種、果てはインスト音楽の入ったシングルCDなんてものまで、ものすごい種類の商品展開がありました。アイテム数が多過ぎて、いろんなアイテムで同じイラストが使い回されていたのが懐かしいです。

他にどんなのがあったかなと思って調べていたら、こんな素晴らしいページを見つけたので紹介させていただきます。写真を見て「あーーこれ持ってたー!」って懐かしい気持ちになりました。わたしが見たことのないプライズもたくさんあってただただ凄い。。

筐体としてもUFOキャッチャーだけでなく、横から小さなアームでつまむようなもの(伝われ)に入っていたり、ガチャガチャに入っていたり、CDはそれ専用の筐体(こんなの)が存在したりしていました。

わたしが住んでいた地方都市の普通のゲーセンでも、ときメモのプライズが何種類も入荷されていて、誇張無しに大人気コンテンツだったのだと思います。そしてたくさん100円玉を吸われました。。それもまたいい思い出です。

グッズも沢山出ていたのだと思うのですが、当時高校生のわたしにはなかなか手が出せなくて、ショーケースの中に入っているテレホンカードを「いいなぁ…」と指を咥えて眺めていたのを覚えています。テレホンカードっていうのがまた時代を感じますね。

そんな中で、購入していたグッズを2つご紹介させてください。

ひとつは「香り付きポスター」。ポスターの一部に香りの素が埋め込まれていて、その部分をこすると香りが立つという今考えるとなかなかおかしなグッズでした。わたしが買ったのはもちろん虹野さんのもの。

そうそう、この絵!自分の部屋のドアに貼っていたことを思い出しました。確かふとももの部分に香りがついていたような気が。インターネットって本当にいろんな情報が残されていて改めて凄いなって今回痛感しています。

もう一つは帽子。と言ってもキャラクターが描かれたものではなく、キャラクターが被っていた帽子です。通称「レインボーキャップ」。

こちらの2枚目にあるイラストで描かれている帽子です。あ、このイラスト集も持ってたな、、懐かしいー。

この帽子を実際に商品化したものが発売されて、虹野さんファンとしては絶対欲しい!って買っていました。実物はこちら。駿河屋ほんと何でもあるな!

先日の虹野さん誕生日の時、キャラクターデザインのこくら雅史さんがこんなつぶやきをされていて思わずフフッってなりました。

「ぱずるだま」とその他の派生ゲーム

派生ゲームもいろいろ出ていました。その中でわたしが特にハマったのが「ときめきメモリアル 対戦ぱずるだま」です。

もともとコナミが出していた落ちものパズルゲーム「対戦ぱずるだま」をときメモキャラで作ったもので、当初はアーケードゲームとして稼働していました。ぷよぷよのようなストーリーモードがあり、対戦前にはキャラ同士の会話が見られるというキャラクターゲームの要素もありました。

また、連鎖時のボイスがどのキャラも癖になるもので、パズルゲームとしても楽しくて、すっかりハマって何度もプレイしていました。先述のプライズと合わせて、ゲームセンターにもたくさんのときメモの思い出が詰まっています。当時通ってたゲームセンター、さすがにもう今は残っていないんだろうな…。

ここまで読んで当時を知る諸兄ならきっと思われるのが「虹野さんファンのぱずるだま好きか。。」ですよね。落ちゲーであるぱずるだまは連鎖を作って相手に攻撃をするのですが、キャラクターによってその攻撃パターンに違いがあり、キャラの強弱がありました。そして、虹野さんはぶっちぎりで最弱キャラだったのでした。

こちらのページでその攻撃パターンを解説されていたので引用させていただきます。こういうサイトが今も残っていること、本当に素晴らしいことだと思います。ありがとうございます。

落ちゲーについて理解があり、ぱずるだまが「同じ色の玉を3つ並べると消える」「攻撃で降ってきた玉は隣接する玉が消えるとアクティブ化する」というルールなことがわかれば、いかにこの攻撃パターンが弱いかはご理解いただけるでしょうか。

それでも虹野さんを使い続け、連鎖の作り方と対戦相手ごとの攻撃の返し方を覚えていき、高難易度モード(根性モード)でも安定してとまでは言わないまでもそれなりに1コインでクリアできるようになっていきました。ラスボスである詩織ではなく、その前の伊集院戦が鬼門でしたね。

しばらくして、コンシューマとしてもぱずるだまが発売されました。ソフトを購入すればいくらでも遊ぶことができるなんて夢みたいなことでした。そして友人との対戦でもたくさん遊びました。もちろん虹野さんで。キャラ性能の差は歴然なので当然なかなか勝てないのですが、虹野さんなりの勝ち筋を考え、その通りに勝てた時はとっても嬉しかったりしました。

記事を書くにあたって調べていて知ったのですが、なんと2024年の今でも高田馬場のゲーセン「ミカド」では本ゲームの大会が定期的に行われているようです。Youtubeの動画を拝見しましたがめちゃくちゃレベルの高い対戦をされてて感動しました…!と同時に、それだけの魅力や中毒性のあるゲームだったよなと再認識しました。筐体を触れるのであれば、一度(大会ではなく普通にCPU戦で)遊びに行ってみたいなと思いました。

それ以外にも、パズルゲーの続編である「ときめきメモリアル 対戦とっかえだま」や、クイズゲーム「ときめきの放課後 ねっ★クイズしよ♥」、ときメモ本編のデートをアーケード版でプレイする(指による心拍数センサー付き)という尖りまくったゲーム「ときめきメモリアル~おしえてYour heart~」など、様々な派生ゲームがあり、それぞれ遊ばせていただきました。いわゆるファンディスクな「ときめきメモリアル プライベートコレクション」もありましたね。

ときメモソング

そして、ときメモを語る上で切っても切り離せないのが歌です。OP曲「ときめき」「もっと!モット!ときめき」、ED曲「二人の時」を筆頭に、本当にたくさんの関連楽曲がリリースされました。その数は100曲をゆうに超えていて、当時そんなコンテンツは他に類を見ないものでした。令和の今から見ても音楽が作品のメインテーマではないコンテンツとしては異例の多さだと思います。

最初の方に書いたラジオドラマを収録したCDが毎月(!)発売されていて、そのCDに毎回2曲ほど入っており、そのCDを全部買うことはできなかったのですが、歌だけをまとめた「ボーカル・ベスト・コレクション」というCDが発売されており、わたしはそれを買って繰り返し聞いていました。特に2はわたしにとってのマスターピースで、一番聞いたアルバムでした。

CDは手放してしまっているのですが、その前に音源を取り込んであったので(当時の自分ありがとう!!)ライブの発表があってからいろいろ聴き返しています。するとやっぱり2が一番よく覚えていて、こんなに久々に聴くのにこんなにはっきりと覚えているものなんだ、と感動さえ覚えました。それと同時に、聴いていると当時のことがいろいろと思い出されて、歌の力を実感しています。

『音楽は記憶の扉を開ける鍵』という言葉がありますが、まさに今わたしに起きていることがそれで、この文章を書いている今もときメモソングをずっと聴きながら書いています。ちなみに今流れているのは鏡さんの「水の都へ」でした。おしゃれでかっこいい曲ですよね。

また、それとは別にキャラクター名義のアルバムもリリースされていました。特に詩織は「バーチャルアイドル」として大々的にプロモーションが行われて、オタク界隈を超えて話題になっていました。NHKのクローズアップ現代でも取り上げられていたようです。今のVtuber・Vシンガーの原点のひとつと言えるのかもしれませんね。

ときメモソングにもいろんな種類があって、100%そのキャラクターの言葉でキャラクター自身の物語や想いを描いた王道のキャラクターソングはもちろん、キャラクターをイメージしつつパラレルなifの世界を歌ったり、あるいはもう少し抽象的な歌詞でテーマを表現している楽曲、更には言われなければキャラクターが歌っているとは分からないような、ひとつの楽曲として独自の世界を作っているものなど、様々な角度から楽曲が作られていました。たくさんの楽曲をリリースしていたからこそできる贅沢な作り方だと思いますが、そのことがときメモソングに厚みを与えてくれて、今聞いても色褪せない輝きを放ち続けているのだと思います。

好きな曲も本当にたくさんあるのですが、その全部を書いていてはキリがないので、特に大好きな、この曲だけは絶対30周年ライブで聴きたい!と思っている曲をいくつか挙げさせてください。

「フィフネルの宇宙服/館林見晴(菊池志穂)」

おそらくソロ曲の中では一番人気があったと言っても良いと思う楽曲。30周年ライブ発表の時にも、この曲の名前を挙げられていた方がとっても多かったように思います。そして、わたしも大好きです。先に挙げた分類で言えばこの曲は一番最後のグループで、館林さんのイメージはかすかに残しつつも、この曲独特の世界観のある不思議な曲です。なにせ歌い出しから「息を殺すクレーター」ですよ。およそ恋愛シミュレーションゲームのキャラクターが歌う曲ではなく、でもその不思議な歌詞の世界とミディアムテンポで聴き心地の良いメロディ、そして菊池志穂さんの透き通る歌声に当時のわたしは惹かれました。

そして久々に聴き返して、やっぱり大好き…ってなっています。ちょうど先述の「ボーカル・コレクション2」のCDの1曲目に収録されていたのがこの曲で、まず最初に耳に飛び込んでくる曲という印象も強いです。

館林さんの曲は他にも「ふたりならHAPPY!」や「My Sweet Days」など好きな曲がいっぱいあって、今回のライブは2日間でセットリストが大きく変わるとのことなので、フィフネルを2日間聴けるのも嬉しいし2日別の曲を聴けるのも嬉しい…って頭を抱えています。その前に2日参加できるようチケット確保できることを祈らないとですね!

「アンテナ・ライフ/朝日奈夕子(鉄炮塚葉子)」

うってかわって、ザ・キャラクターソングと言える楽曲。流行に敏感で忙しい毎日を送る女子高生、朝日奈さんの日々をアップテンポなメロディと弾む歌声で届けてくれます。朝日奈さんはいちばん「当時の女子高生」を色濃く反映したキャラクターなので、もちろん今聴くと時代を感じるところもありますが、今を思いっきり楽しむために何事にも全力なその姿は今見ても眩しいものがあります。2サビ後の「私にないもの 欠けてるとこ」からのパートが特に大好きです。

きっと朝日奈さんが今の時代を女子高生として生きていたら、SNSを使いこなすインフルエンサーになっていたんだろうな、なんて想像をするのも楽しいですね。

「雨のちまた雨/美樹原愛(栗原みきこ)」

美樹原さんを描いたキャラクターソング。雨の日の連絡網を題材に、内気な美樹原さんが小さな勇気を振り絞り、一歩を踏み出そうとする姿を丁寧に描いた曲で、キャラクターソングとして素晴らしい楽曲だと思います。「雨のちまた雨」という一見ネガティブに見える曲名も最後まで聞けばその意味がわかり、美樹原さんが一生懸命考えた曲の最後のセリフには思わず笑顔になってしまいます。

連絡網というのも当時ならではの題材ですよね。今の時代では描き得ないような心情がこうして歌という形になって残っていることってとても貴重なことだって思います。

「♡(ハート)のスタートライン」

この曲はもともと虹野さん・館林さん・古式さんの3人曲としてリリースされて、後にときめきオールスターズとしてキャスト全員の歌唱バージョンも存在する曲です。

改めてこの曲のどこが好きなんだろうと考えてみたのですが、女の子一人一人が共通して持っている恋へ飛び込む気持ちや、「つまづいた時は手を貸すよライバル」という歌詞に象徴されるように、スタートラインに並ぶ女の子たちが互いに競い合いつつお互いをリスペクトして前へ進もうとする姿が、すごく『ときめきメモリアル』なんだって思いました。

もちろん曲そのものも大好きで、サビの「目覚まし時計が騒いでる 急いで」という歌詞とメロディは天才的だと思います。3人verはユニット曲ならではの声の重なり、ハーモニーも楽しくて、オールスターverではそれぞれのキャラクターが歌っている感覚がものすごく強く、特に2番Bメロで「きっとわかりあえる」と歌い上げる清川さんのパートが大好きです。

きっと30周年ライブでも、全員でこの曲を歌う姿を見られることを信じています。どうかよろしくお願いします。

「出会えて良かった/虹野沙希」

虹野さんの曲はそれこそ好きな曲ばかりで、欲を言えばソロライブで全曲を聴きたいって思ってしまうくらい。でもその中でも特別な1曲は、虹色の青春のテーマソング、「出会えて良かった」です。

出会いによって変わっていく世界、自分。その姿を虹野さんらしい暖かさで歌うこの曲はわたしにとって青春そのもので、自分自身にも重ねて聴いていました。虹色の青春を何度もプレイしていた日々や、当時の虹野さんが好きな気持ち、いろんなものが詰まった大切な1曲です。

30周年ライブであのイントロのベルの音が聴こえてきた時、わたしはどんな気持ちでその音を聴くんだろうと楽しみでもあり、どうなってしまうんだろうと危惧さえしてしまいます。

そして、この曲の一節を引用させてください。

いつかときめきが形を変えてもね
出会えて良かった 今あなたに

30年という年月が経ち、当時のときめきは姿を変えてしまっていますが、ときめきメモリアルに、虹野さんに出会えて良かった。今も変わらずそう思えるのはとても幸せなことなのだろうと思います。

最後に:ときメモ30周年ライブに向けて

改めて、ときメモ30周年ライブ開催、本当にありがとうございます。こうして30年が経って、メインキャスト全員が一堂に会する場を設けていただけたこと、奇跡のようなことだと思います。まずは何よりも、出演者の皆様全員が元気な姿で当日をお祝いできることを心から願っています。そして願わくば、その場にわたしもご一緒できますように。

今回、30周年ライブのお知らせをきっかけに当時を振り返るこの記事を書き始めたのですが、書いている中でいろいろなことを思い出したり、新たに考えたりと、そんな時間は最高に楽しいものでした。このようなきっかけをいただけたことにも感謝しています。

30周年ライブのその日が楽しみなのはもちろんですが、それまでの期間に当時の思い出を振り返ることができるのも周年の大きな意義なのだと感じました。これからライブ当日までの約3ヶ月弱、いろんな形で当時を思い返しつつ、この一度しかない贅沢な時間を楽しみたいと思います。

そして、公開前の執筆時点でこの文章がどのくらいの方に届くのかは分かりませんが、ここまで読んでいただいて当時のことを思い出した、またはずっと好きな気持ちを持ち続けてきたメモラーの皆さんがいらっしゃったら、もし良ければあなたのときメモの思い出を文章にしてみませんか?

わたしも今回この記事を書くためにnoteへ初投稿しましたが、こんな形でいろんな方のときメモの思い出が聞けたらものすごく楽しいだろうなと思いますし、それがときメモ30周年をさらに盛り上げていくことにも繋がると思います。何より、書くのとっても楽しいですよ!

もし書いてくださる方がいれば、ぜひ「#ときメモ30周年」のタグと合わせて投稿いただけると嬉しいです。喜んで読みに行きます。

それでは長い文章となりましたが、ここで締めたいと思います。
30周年ライブの日、キャストの皆さんと、たくさんのメモラーさんと共に30周年をお祝いできたら嬉しいです。当日は何卒よろしくお願いします!