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『世界が変わる』NDフィルターのすすめ

こんにちはAliceです♪
ずっと記事にしたかったネタに遂に着手できました!

【NDフィルター】についてです。
大変お待たせ致しました!

・流し撮りに挑戦したい方
・流し撮りは知ってるけど、NDフィルターって何?という方
・滝や川の流れを絹糸のようにクリーミーに表現したい方
・ストロボ(フラッシュ)のシャッター同調速度に合わせて絞り開放で撮影したい(背景をボカしたい)方

など、他人とは違う撮影技法で差別化を図りたい方にお勧めの内容です。


NDフィルターが無ければ、この写真は撮れないのです!
その理由を解説します。

また、一眼カメラで動画を撮影したい方にも必須のアクセサリーです。

①そもそもNDとは何?

NDとはneutral densityの頭文字で、中立的な濃度の意味です。
色に影響しないフィルター、という意味です。

NDフィルターの事を『サングラス』に例える事がありますが、色に影響しないサングラスだと思って下さい。

色を変えずに、フィルターの濃さに応じてレンズに入る光の量を減らすアクセサリーがNDフィルターです。

②数字の意味は?


ND2、ND4、ND8、ND16というように、フィルターの濃さは商品名の数字でパッと見て分かるようになっています。
数字が大きくなるほどフィルターの濃度が高くなります。

左がND8で右が ND4
色の濃さが違うのが分かる

露出に与える(光の量を減らす)効果は、ND2で1段・ND4で2段…と倍数ごとに1段暗くなります。

ND2→1段
ND4→2段
ND8→3段
ND16→4段
ND32→5段
ND64→6段

これ以上、ND1000(10段相当)なんて言うものもあります!
こちらは絞り開放f1.4などのレンズで、明るい日中に動画を撮影する方向けですね(映像業界で多用されています)。

因みにNDフィルターを重ねて装着する事も可能です!
例えば、ND4+ND8ではND32相当になります。
ND16+ND64でND1000相当です。

NDフィルターの重ね付け!

③可変NDフィルターとは?

【ND2〜32】など、数字に幅があるフィルターもあります。
これは『濃度可変式』タイプとなります。
フィルター枠に濃度を調整するツマミがあったり、リングごと回したりして、減光する量を調整出来ます。

濃さの違うNDフィルターを何枚も用意しないで済むため、便利ですよね!

最近は【ND2〜400】が主流のようです。
定番であるk&f Conceptの可変式NDフィルターのリンク貼っておきます。

愛用しているk&f Concept 可変式ND8〜2000

しかし、メリットがあればデメリットも付き物です。

単色のNDフィルターと較べて色ムラが発生したり、中にはオートフォーカス精度に悪影響がある物もあるようです。

とは言え、屋外自然光で撮影していると突然太陽が雲に隠れたり、逆もありますので、可変NDフィルターはとても便利です。
あと、可変NDフィルターの方が単色より価格が安かったりします(謎)。

特に、下のリンク先のARTCISEは安くて製品の品質が良く、コストパフォーマンスが素晴らしいと思います。

最近私のお勧めはARTCISE
リングの目盛り幅が分かり易い!

④何のために使うの?


一言で書くと『カメラ・レンズの限界以上に露出を調整するため』です。

例えば、シャッター速度1/30secで流し撮りしたいとします。
Nikon Z9はISO感度を拡張して、ISO32まで下げることが出来ます。
ですがISO32でも露出オーバー、明るすぎる!となると絞るしかありません。
絞って適正露出になれば良いですが、晴れた日中だと絞っても絞り切れない場合があります。

または、詳しくは後述しますが『絞りたくない・F値開放で撮影したい』シーンも多々あります。

そこでNDフィルターが必要になるのです。

言い変えると『露出オーバーのシチュエーションで絞り開放で撮れるようにするため』でもあります。

カンカン照りの下でも絞り開放で背景をボカしたい!

⑤NDフィルターが必須の撮影とは?

④の項で書いたように、絞りを開放にしたいシチュエーションが存在します。
私が一番お世話になるのは、『金網越しの撮影』です。

絞りF7.1での撮影
金網がガッツリ写ります

サーキットは安全対策のため、コース沿いは当然ながら金網越しで撮影する事になります。
金網が2重になっている場所もかなり多いです。

この作例のように、シャッター速度の低い流し撮りでもF値が大きいと金網がしっかり写ってしまいます。

絞りF5.6でも金網が目立ってしまいます

では、金網をボカしてしまえばどうなるでしょうか?
下の作例は、金網が2重のコース沿いで絞りF2.8で撮影しました。
しかも網目が細かくて、特に厄介なタイプです!

70-200mm F2.8がサーキットで必要な理由もこれ!

絞りF2.8くらいになると、このように金網の存在はボケて消滅します!
私の知見によると、絞りF4でもシャッター速度&金網までの距離次第では消せます。

⑥世界が変わる!

『金網越しで撮影しても、金網が消せる。』
これの意味が既にお分かりになった方は鋭いです。

そう、他人が行かない場所で撮影が出来るようになるのです!

サーキットだと、人気の撮影ポイントはカメラを持った人でいっぱいです。
理想のアングルで撮影するのは困難です。

ですが金網越しは殆ど誰も居ません。
NDフィルターと開放F値の明るいレンズさえあれば、他人と被らない場所で快適に個性的な撮影が可能になります。
大袈裟に言うと、世界が変わりますよ!

もちろん冒頭に書いた通り、流し撮りだけの話ではありません。
下の作例のように、明るい日中に滝や水の流れを表現するために長秒露光したいシチュエーションでもNDフィルターがあれば実現可能です。

※F値を絞りすぎる(概ねF11以上)と回折現象の影響で画質低下が懸念されますので、風景写真でもそこまで絞りたくないのです。

湖面が波立つ山中湖をスムースに

⑦豆知識

既に一眼カメラはミラーレス全盛の時代となって久しいため、ご存じ無い方も多いので豆知識として書きます。

一眼レフカメラ(ミラーレスではないカメラ)のオートフォーカスは、ざっくり言うとレンズを通してAFセンサーに当てた光(情報)で測距しているので、レンズを絞ると光が当たる面積も絞られてしまいます。

なので、F5.6までしかAFの動作を保証しない一眼レフカメラが多かったのです。
『F8だと中央1点のみAF可』などとカタログに記載されていたのを見たことがあるかも知れません。

『2倍テレコンバーターを装着した場合は中央1点のみAF可』など…。

『100-400mmのズームレンズでテレ端の開放F5.6の場合、2倍テレコン装着で800mm F11になりますが、AFが作動しません。』とか…。

そんな時代(つい5年前くらいまで⁈)は絞らないでシャッター速度を遅くするためにNDフィルターが必須でした。

画面全域でF値に関わらずオートフォーカスが効く時代になり、絞らないで済む方法を必死に考えていたのは昔の話になりかけています。

⑧NDフィルターの選び方は?

まず必要な情報は、NDフィルターを装着したいレンズのフィルター径です。

Nikkor Z24mmF/1.8Sのフィルター径は72mm

画像のようにレンズ前玉枠に書かれている事が多いです。
もし分からなければレンズの仕様をメーカーHPで調べましょう。 

フィルター径が違うレンズを所有している場合、それぞれの径を買わなければならないの?と思いますよね。
それはコスト面でも、持ち歩く機材が増える点でも避けたいです。

そこで【ステップアップリング】の登場です。

ステップアップリング装着例

②の項で紹介した私の77mm径のNDフィルターを、ステップアップリングを介してNikkor Z24mmF/1.8Sに装着しています。

ステップアップリングには膨大な種類の口径がありますので、所有されているレンズのフィルター径の大きい方に合わせてNDフィルターを揃える事を推奨します。

私は径の異なるステップアップリングを複数所有していますが、使用頻度の高い72-77mmのリングを貼っておきます。

NDフィルターに限らず、レンズフィルターは82mm以上になると急に高価になるイメージです。

各社の70-200mmや100-400mm、85mmF1.4など定番のレンズはフィルター径が77mmであることが多いので、使い回しが効いて便利です。

TAMRONは近年発売したレンズのフィルター径を67mmに統一して、フィルター愛用者から称賛されました。

⑧-2.お勧めの濃度は?

フィルターの濃さに関しては、とりあえずND8から始める事を推奨します。

ND8で不足を感じたら、ND16を買い足すのがお薦めです。
または可変式NDフィルターからデビューするのも悪くないと思います。

これはレンズを単焦点かズームか、みたいな話と同じですね。

⑧-3.お勧めのブランドは?

ブランド選びで言うと、コスパ良く間違いないのはAmazonで買えるk&f Concept製品だと思います。
タイムセールなど狙うともっとお買い得です。

下記のリンクはタイムセールだと3,000円台!
めちゃくちゃ高コスパですね。

他には③の項でも紹介したARTCISEです。
77mm径で2,000円台!安いですね!

※フィルター径を間違えないように、良く確認してから購入して下さいね。

レンズを買い足して、径が小さかったらステップアップリングで対応!これでもOKです。

⑨ポートレートでNDフィルター?

主に日中ストロボを使用してポートレート撮影を行う場合にも、NDフィルターが必要になります。

晴天の日中は明るいので、ストロボの光量が太陽に負けてしまいます。
そしてストロボをフルパワーで発光させ続けると、バッテリーの消耗が激しくなります。
また、フルパワーだとチャージにも時間がかかり、テンポ良く撮影出来ないだけでなく、ストロボ自体が高熱になりオーバーヒートする場合もあります。

それを避けるために、NDフィルターで露出をアンダーにして対策することが出来ます。

また、背景をボカしたいためF値を絞りたくないシチュエーションでもNDフィルターで解決です。

NDフィルターとストロボがあれば
ポートレートでも世界が変わります!

ポートレートでのNDフィルター活用術については、ネット上に参考になる記事が無限にあると思いますので、軽く触れるだけにしておきます。

⑩最後に

長文にここまでお付き合い下さいました皆様、ありがとうございました。
初心者向けでも、ハイアマチュア向けでも無いようなニッチな内容になりましたが、いかがでしょうか?

NDフィルターを活用して、世界を違う視点で切り取ってみたくなれば幸いです。

また次の記事でお会いできますように。


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https://note.com/alice_photolog/n/n3dc1cfc9bb14

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