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2019年ベストアルバム15選

 ベストアルバムの季節がやってきましたね。いつも通り良かったアルバム10選で挑もうと考えたのですが、どう聴いても2019年は大豊作です。というわけで今回はこれでも必死で選び抜いた15枚を記します。
 順番はNo.1以外適当に並べただけでランキングではありません。

1. The Night Café 「0151」


 UKリヴァプール出身インディーロックバンドThe Night Café待望のデビューアルバム。私が2019年に最も良いと思ったアルバムです。ジャケットの通り、夜のドライブで聴きたいアルバム。ドラムの音が強くて、1人の夜にはちょっぴりしんみりしちゃいます。今後の活動にも注目したいところ。

ベストトラック: In My Head

2. yeule 「Serotonin Ⅱ」


 シンガポール出身yeuleのデビューアルバム。幻想的な世界観と甘美な歌声、からのインパクトのあるビジュアルは聴く(観る)者を掴んで離さない。日本要素もあったりして嬉しいし面白い。2022年に2ndアルバムをリリースしました。

ベストトラック: An Angel Held Me Like A Child

3. La Dispute 「Panorama」


 米国ミシガン州グランドラピッズ出身のポストロックハードコアバンドLa Disputeのレーベル移籍後初アルバム。2022年現在の最新アルバムでもあります。ハードコアから一抜けた感が強いですね。アルバムとして一つの物語があって、抑揚もしっかりしています。激情パートは鳥肌モノ。ポストロック色の強い作品。

ベストトラック: View from Our Bedroom Window

4. THE NOVEMBERS 「Angels」


 日本のロックバンドTHE NOVEMBERSの7thアルバム。これは本当にTwitterで散々見た作品。ムカつくくらい見ました。一時期ミュートワードに設定するくらい。
 激しさの中に絡みついた美しさは今作も健在で、それどころかバンド自身の正統なる“進化”を感じるものとなっています。まるでジェットコースター。個人的にTHE NOVEMBERSを人におすすめするならまずはこの盤からですね。

ベストトラック: Bad Dream

5. SEVENTEEN AGAiN 「ルックアウト」


 日本のパンクロックバンドSEVENTEEN AGAiNが贈る5thアルバム。多くは言いません。

戦争はおわりににしよう
僕は ただ居場所がほしかったんだ
イカれたこの街に
今日も太陽は昇る
そうだ、おわりにしよう

SEVENTEEN AGAiN「戦争は終わりにしよう」より


 ああ……ロックはこうでなくっちゃ、という作品。

ベストトラック: 戦争はおわりにしよう

6. Bring Me The Horizon 「amo」


 UKはシェフィールドのロックバンドBring Me The Horizonの6thアルバム。もう完璧。これを聴くために2019年があった。リリース当初はそこまで過激にハマったわけでもなかったけれど、いつの間にか大好きなアルバムとなってしまった。キャッチーな曲も多いし、個人的にはPinkfloydの「Dark Side of the Moon」と同じくらい整ったアルバム構成だと思っているので、万人に聴いてもらいたいところ。

 このアルバムがナンバーワンじゃないことが2019年の豊作さを物語っている。

ベストトラック: mother tongue

7. DORJ & Melodiesinfonie 「Muar」


 イスラエルのテルアビブで活動するミュージシャンDORJとスイス、チューリッヒで活動するビートメイカーMelodiesinfonieの共作。悔しくも2019年中には見つけることができなかったアルバムです。
 DORJの癒しの歌声とチルタイムに最適なMelodiesinfonieのビートがまるで食後のデザートのように甘くとろける感触。ベッドルームミュージックとして1日の締めを任せるも良し、朝のコーヒータイムのお供としても充分合います。

ベストトラック: Mangina

8. ONE OK ROCK 「Eye of the Storm」


 日本のトップを走るロックバンドONE OK ROCKの9thアルバム。世間的には賛否両論で、特に昔からバンドを追っていたファンにとっては今作のバンドサウンドの消失(海外を視野に入れた音楽)は致命的だったようです。私は前作「Ambitions」から入った新規だからか、こういったポップな作品が好きだからか、このアルバムはバンドのディスコグラフィーでも特に気に入っている作品です。

 バンド名に“ROCK”を背負っているからこその挑戦を感じるアルバムです。

ベストトラック: Letting Go

9. Вокруг фонарного столба 「Видеоигры 」


 露 モスクワのロックバンドВокруг фонарного столбаVokrug fonarnovo stolba)の1stフルアルバム。バンド名の日本語訳はGoogle先生によると”街灯の周り“だそう。
 1曲目のТанцеватьから心を鷲掴みにされました。真っ直ぐなロックサウンドで自然と体が動いてしまいます。

 2022年現在、世界情勢は最悪ですが音楽やバンドに罪はありません。ぜひ。なおバンドは現在無期限活動休止中とのこと。

 ベストトラック: Шторы

10. Nulbarich 「Blank Envelope」


 シンガーソングライターJQが中心となって結成された日本のバンドNulbarichの3rdアルバム。オシャレで官能的にも関わらず、真昼間から聴いても自然と耳に入ってくる心地良いサウンド。これからの日本の音楽シーンを支える存在だと改めて感じました。

ベストトラック: Super Sonic

11. Sublamp 「Sister Maps」


 アメリカ、LA在住のサウンドアーティストSublampが数年ぶりにリリースした1枚。
 全てのトラックが12分という、まるで架空の6都市にて同時に録音されたような、地図的なアルバムに仕上がっている。やはりノイズは良い。ノイズは栄養。
 ドローンアルバムだと2019年で1番好みでした。

ベストトラック: Map 02

12. Sunn O))) 「Life Metal」


 アメリカ、シアトルのドゥーム系メタルバンドSunn O)))の8thアルバム。最早リスナーには全てを理解することは困難。ひたすら暗闇の中を彷徨った挙句、何かを悟ったような気にさせてくれるアルバムです。また個人的にはドローンメタルとして一つの完成形的なアルバムだと思います。

ベストトラック: 全部

13. The Soft Cavalry 「The Soft Cavalry」


 Slowdive
のRachel Goswellとその夫Steve ClarkeによるプロジェクトThe Soft Cavalryのデビューアルバム。一作目でセルフタイトル。2019年当時はよく聴いていて、最近(2021、2022年)は正直忘れていたアルバム。久しぶりに聴いたらこれがまた良い……。Slowdiveとはいい意味で切り離されていますし、同じ年にリリースされたDIIVのアルバムとも被らない個性がありました。

ベストトラック: Mountains

14. Tim Hecker 「Anoyo」


 カナダのサウンドアーティストTim Hecker、10枚目のアルバム。私の心の師匠としても有名ですね。今作は前作「Konoyo」の対となる作品で、日本のお寺で録音されました。
 あの世(Anoyo)とはこの世から見れば別の世界ですが、ジャケットのように地球らしきものを遠くから見る時、地球こそがあの世になるのではないか、このアルバムは実は別の世界から元いた世界へ帰るストーリーなのではないか、とStep away from Konoyoを聴いて思ったりもする。考えすぎですね。

ベストトラック: Step away from Konoyo

15. 猫 シ Corp. & t e l e p a t h テレパシー能力者 「Building a Better World」


 Vaporwave界を代表する猫 シ Corp.t e l e p a t h テレパシー能力者の共作。こんな未来があったらいいなと思うくらい落ち着いた(ネガティブに捉えると人間らしさが消えた機械的な静寂)40分間。これこそ人類の求める”Building a Better World“なのかもしれない。
 2019年隠れた名作です。

 そういえば昔このアルバムについてnoteを書いた。今読んでも何が言いたいのかイマイチわからない。

ベストトラック: Lost Promises

おわりに

 2019年、ウイルス流行前の世界。この年は本当に新譜もライブもやりたい放題サイコーな1年だったのを今でも鮮明に覚えています。いつもなら10選で終わらせるところを15枚選んでギリギリ。私の大好きなAlcest待望のアルバムや、BROCKHAMPTONDos MonosSEKAI NO OWARIなどのこれまた強いアルバムをリリースした面々を入れることができないくらいのボリュームある1年でした。いっそ20枚にしてしまえば……という考えもあるにはありました。が、長々と書くのも違うかなと思い、今回は15枚で。非常に中途半端、いつものことです。

 今回挙げたアルバムは本当に全て素晴らしいアルバムです。ぜひお聴きください!

 それではまた次のnoteで。

これ絶対16枚の方がキリ良かったワ。

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