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水際対策中の日本へ一時帰国。 関西国際空港から強制隔離宿舎まで

2021年12月16日、フランスからヘルシンキ経由で関西国際空港へ飛び、無事に日本入国(一時帰国)しました。続いて入国する人に役に立つかもしれないので入国手続きの状況や隔離生活についてここに記します。長いので、何度かに分けます。

兄の死去その他想定外の事態が続き、今年の年末から数ヶ月は実家の老父のために日本に滞在する、それは前々から決めていたのですが、何かと忙しくついつい12月になってしまった。11月のうちに入国しておけばもっとスムーズだったと思われます。

国の状況によって強制隔離日数が異なります。フランスはオミクロン株の感染者数がまだ少ないので3日間検疫所指定宿泊施設での強制隔離、出所後は11日間の自主隔離です。

いつもは私はAirfranceを使うのですが今回は初めてFinnair。Airfranceの航空券をキャンセルした経緯は長くなるので別の機会に。

日本到着までのあれこれ

前もってPCR検査を受け、スマホに必要なアプリを入れたり雑多なことを三時までかかって準備する。準備の詳細はこのページで。
朝の七時に起き、ロワシーバスでCDG空港に向かう。

  • 第一難関:CDG空港ターミナル2Bの表記が紛らわしく要注意。周囲の人の機知によって私はバスを降車できましたがバスの中に良い人がいたことは本日第一の幸運。

  • 第二難関:Finnair航空チェックインのカウンターが混雑し、機内に荷物を預ける作業がギリギリまでかかった。待っている間気が気ではなかった。

  • 第三難関 手荷物検査で、なぜか誰かの搭乗券が私の荷物に入り込み、もう一度戻って券を渡しに行ったので、ここでまた時間を取られる。同じ便に乗る人々と共に空港内を全力疾走し搭乗に間に合わせる。

  • Finnair航空でパリからヘルシンキまで飛ぶ。飲み物やスナックは有料で各自で頼む。水やジュースは無料、ていうか航空費用に含まれている。フィンエアー特製ブルーベリージュースをもらった。約四時間のフライト。南方熊楠の『南方マンダラ』を読む。

  • 乗継地のヘルシンキで質問表に書き込んだり陰性証明書を提出したりする。性能の劣悪な私のAndroidではスムーズに行かない。たまたま近くにいた親切な女性が手伝ってくれる。第二の幸運。次回はスマホを替えよう。

  • ヘルシンキ〜大阪間では夜と朝の二回温かい食事が出る。味はAirfranceに大分劣る。飲み物は一回だけ無料、追加は有料。約八時間のフライト。

ヴィーガンカレー、赤ビーツのサラダ、パンとチョコバー、赤ワイン。飲み物以外の選択不可。
  • 機内で毒にも薬にもならぬ映画を2,3本観る。その中では『La la land』はそこそこ面白かったけれど、最後まで見られなかった。

  • 私の席のある三人用の席にはもうひとり別の乗客がいたのですが、彼女は三席続いて空いている場所に移ってくれた。第三の幸運。
    私は三席連ねて背中を伸ばして眠れました。身長150cm以下だったならば脚も伸ばして眠れたのに。

  • 持ってきて便利だったもの
    機内用の枕。Finnairはクッションは支給してくれません。不経済ですが空港で買うこともできます。ブランケットはあります。

  • 横にはなれたけれど一睡もできなかった。毎回です。

関西国際空港到着。降機

午前10時に関西国際空港到着。降機後の検疫手順は下の図の通り。

係員のテキパキとした誘導で次々に作業を進めていく。

航空機が着陸してから検査結果が出るまでの時間、約二時間半。
強制隔離対象者は緑色のストラップを首からかける。強制隔離免除者(オミクロン感染者が確認されていない国から渡航した人)は赤色のストラップ。
赤色のストラップのグループは、我々がパスポートチェックに行く頃にはとっくに開放されていました。

反省 : 長い廊下を何度も進むので重い荷物を持っての移動がとても辛い。機内持ち込みも小さなキャリーがあったほうが良い。 

こういう書類で職業を問われたときは「ダンス教師」と書くのが一番面倒にならなくて済む。「ダンサー」と答えると風俗と混同されるし説明を求められ煩雑で無益だ。

抗原検査、前回唾液が出なくて苦しんだので、唾液をすぐに出す方法を一年かかって考えてきました。そこでやっと編み出した解決法(どんな方法であるかは別の機会に)を今回実行したのですがやっぱり唾液は出なかった。こんな乾燥したところで十数時間も眠らず渡航してきて唾液なんて出るはずないのだ。それでもなんとか容器に唾液を採取し検査官に提出しました。

検査結果待機の間は自販機で飲み物も買えるし、トイレにも行ける。窓からの日差しが強くかなり暑い。トイレで涼しいシャツに着替える。待つための椅子は十分にある。南方熊楠の続きを読む。古語の判読に時間がかかる。もっと軽い本(重量が、ではなく内容が)を持ってくればよかった。ちょうど昼食時。持参のアーモンドと干しアンズで凌ぐ。周囲の人々はビスケットなどをつまんでいる。食料持参は必須。

独身のひとであればこういう場所で積極的にこれはという相手に話しかけて知り合いになるのは良いことだと思う。たぶん関西に実家があり、仕事か留学で外国にいるという共通点があるわけだし、経済的な水準も高いと思う。待ち時間退屈しているに違いないから迷惑がられないし警戒されないと思う。コロナで出会いの場は減る一方なのだから。

自分の番号が呼ばれ陰性認定がされてから、陰性者を証明する色紙を貰い、パスポートチェックとバゲージクレーム。荷物たちはコンベアから降ろされて行儀よく並んでいる。麻薬探知犬による検査、税関通過。関空の出口で数人ずつ集合し、カートを押しながら日航ホテル行きのバスに乗り込む。

隔離ホテルに移動。

日航ホテルは関西国際空港の目の前にあり、歩いていける範囲ですが、荷物を運ぶためにバスで移動。空港から外にあるバスの駐車場に移動するとき、大きな気温の差で風邪をひきそうになるので要注意。

バスから下ろされた荷物をカートに乗せ、日航ホテルに入る。食事のアレルギーの有無、ヴィーガンやハラールなど書き込んだ食事の振り分けにそった昼食と体温計を受け取り、エレベーターの乗り降りや部屋に入る瞬間まで付き添ってもらってやっと終了。

日航ホテル、23年前に止まった時は重厚で豪華なホテルだったけれど、少し老朽化した感。

ホテルの部屋に落ち着いたのは昼の一時半。航空機が着陸してから約三時間半後。羽田や成田に着いた人は9時間、12時間かかるとか、宿舎が足りなくて地方のホテルまで連れて行かれるなどの話を聞いていたので覚悟していたのですが関西組はラッキー。本日第四の幸運。

本日の出費は水のボトル3,5ユーロをキオスクで買っただけ。バスはナビゴカードで乗れるし、乗継地のヘルシンキではレストランに入らずに、持参の果物とフラン(カスタードを焼いたようなお菓子)で空腹を凌いだ。お土産はパリで既に買ってあったので空港での買い物はなし。

しかし考えてみれば荷物の重量を計って預けた後でお土産を空港で買えば規定以上の荷物を持ち込めた。次回はそうしようかな。

部屋に入ってからの話は次回。

退所するまでの様子は下のnoteで。

有科珠々



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