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北極を通ってフランスまで飛んだ日

今年も老父の世話のため、年末年始を挟む数カ月間は日本で過ごしました。3月24日にフィンエアーで関西国際空港発→ヘルシンキ乗り換え→パリ到着の予定だったのですが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響でロシア上空が飛べなくなったのでフライトがキャンセルになりました。

フライトの変更

別の便を即座に提供してくれればいいのにフィンエアーったら「キャンセルになりました」というメイルをぶっきらぼうに届けただけなんです。フィンエアーのサイトは機能が悪く、すぐに代わりを見つけることができません。東京のフィンエアに電話してやっと見つけたのが

3月25日大阪伊丹空港発→成田空港乗り換え→3月26日ヘルシンキ乗り換え→パリ到着の便です。

大阪伊丹空港発→成田空港はJALの機体、成田空港→ヘルシンキ乗り換え→パリはフィンエアーの機体を使います。それで預けた荷物を一旦引き取って成田でフィンエアーのカウンターでチェックインし、預け直すという作業がありました。

機内持ち込み荷物は乗り換えの度にチェックされます。こんな面倒な乗り換えは出来れば避けたい。でも現在関西とパリの直行便は運航されていません。

大阪伊丹空港発 14:40  成田空港着 16:05

成田空港、第二ターミナルで6時間待ち

成田空港は閑散としています。

大阪で預けた荷物を成田で一旦引き取って一時預かり所に1060円で預けます。次は腹ごしらえです。JALで出たのは飲み物だけだったので。
空港内の多くの店やレストランはシャッターを降ろし、閉店しています。お寿司屋も休業。カレーかうどんかマクドの三択です。迷わずうどん屋へ。
空港のFree Wi-fiに繋ぎi-bookでゴールデンカムイの310話を読む。尾形百之助にはもっと生きていてほしかったです。

関西人にとっては味が濃すぎるうどん
無人の寂しい、寒い屋上展望台

電源の取れるデスクと椅子の並んだワークスペースが二階にありました。楽な靴に履き替え、マウスもマウスパッドも準備したので万全な状態でデスクワークできます。次回の著作の推敲をはじめました。しかし背後に絶えず流れるアナウンスの声が煩わしく、集中できないので二時間のワークが限度です。

荷物を一時預かり所から引き取ってフィンエアーのカウンターで預け直します。再び手荷物チェック。

売店でハイボールを買い、ソファのあるスペースを見つけリラックス。周囲の人々はソファを繋げて仮眠。

成田空港発 22:40  ヘルシンキ着 05:00

Finnairで東京からヘルシンキまでの12時間

東京ーヘルシンキ間の食事

夕食。すき焼き。ワインは二杯目から有料。
夜食と昼食。テリヤキチキンとサラダのみが入ったサンドイッチ。

東京ーヘルシンキ間で観た映画

日本へ向かう便で前半を観た『La La Land』の後編と『The War with Grandpa』と、ラスベガス旅行記のような映画を観る。

偶然見つけた『The War with Grandpa』は自分の状況とシンクロします。
Uma Thurman 演じるサリーの父親エド(Robert De Niro) が妻を亡くし、サリーの家に引き取ることになってサリーの息子の部屋をエドに与え息子を屋根裏に移すと、それに不服の息子が戦争を布告し…、というコメディです。サリーは「仕事の後に二時間運転して父親のもとに通うのが耐えられない」と言います。海を越えて父親のもとに帰る場合もあるのに…。
子が老親のもとに通うか、老親が子供の家庭に同居するかというのは人類全体の問題です。理想はサザエさんのように暮らすことですが、うちの父親をフランスにつれてくると保険や年金や様々な問題があり難しいです。

コロナの影響

航空会社には悪いのですが、コロナの影響で唯一の利点は機内が空いていてエコノミークラスの乗客は椅子を三連つないで寝られることです。背骨をきちんと水平にできるのは助かります。フィンエアーでは薄い毛布だけで、枕は提供されないので、持ち込み必須です。

ロシアの上空を避け北極を通る北回りで飛びました。窓から氷床が見えます。

ヘルシンキ空港で4時間待ち

5時到着予定が3時過ぎに着きました。
パスポートチェック、またもや手荷物検査。
時間の余裕はあるけれど搭乗ゲートまで遠いので、ひとまず安心するために搭乗ゲートまで移動。空港のFree Wi-fiに繋ぎi-bookで6時までデスクワーク。Facebookの友達申請してくる人々を数十人待たせていたので、この際に一気に承認作業を片付けます。
6時からはBarや売店も開いてきたので、トナカイの肉の缶詰などをおみやげに買う。ムーミンのフィギュアを買いたい衝動は抑え込みました。

フィンランドならではのお土産もある。

ヘルシンキ発 07:35  パリCDG空港着 09:45

Finnairでヘルシンキからパリまでの2時間

小さな機体が満席でした。持ち込み荷物がシートの頭上のラックに入れられない乗客も多々いました。ジュースか水は提供されるけれどコーヒーさえ有料です。隣の人はランチボックスを買っていました。サンドイッチとヨーグルトと林檎一個。

ラカンに関する本を読みましたがあまり頭に入らなかったな、ていうかこの頃には本を読んだり書いたり動画を見たりすること限界がきていてもう何もしたくなかった。ただ早く到着するのを願っていただけです。
 
フィンエアーで唯一感心したのは、窓際の乗客を通路側の乗客よりも先に乗せるところです。他の航空会社では機体の前か後ろかの縦幅の問題だけで横幅の問題は考慮されていなかった。しかし家族や同じ団体は同じ列に座るので、横幅で分けると搭乗のタイミングがずれてしまうね、

今回、機内に持ち込んで便利だったものや不要だったものを下記に書きました。

パリCDG空港到着!

ヘルシンキですでにEU内に入っているので、フランス入国はスムーズです。
パリ市内へのタクシーは50€から53€に値上げしていました。

ともあれ無事に家に着きました。

以前は大阪ーパリ間なんて12時間位の直行便が飛んでいたのに、なんという変化でしょう。次の渡航までにはコロナも戦争も終わっていますように。

有科珠々



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