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いいデザインを作るために いこーよ10周年で学んだこと

この記事はactindi Advent Calendar 2018 12/8の記事となります。

おかげさまで、私達が運営している、子どもとおでかけ情報サイト「いこーよ」は2018年12月1日、10周年を迎えることができました!

この一大プロジェクトを決行するにあたって、弊社の各部署一丸となってプロジェクトを進行してったわけですが、私もデザイナーとしてプロジェクトに携わり、この数ヶ月で紆余曲折ありながらも、12月1日を無事に迎えることができました。

そこで今回は、私がこのプロジェクトで改めて学んだこと。
振り返りの意を込め、初心に戻って書き記していきたいと思います。

何が悪いのだろう
デザインのせいにしない!
行き方は1つではない!
捨てるデザインなんて存在しない

何が悪いのだろう

お恥ずかしい話ではありますが、私自身デザイナーとしてそこそこ実績を重ねてはいるものの、つい先日まで「デザインとは何か」ということをちゃんと理解していませんでした。
ちゃんと真面目に取り組んでらっしゃるデザイナーの方からすると、きっと鼻で笑われてしまうようなことなんじゃないかと思います。

じゃ、デザインって何よ?
教えてGoogle先生〜〜〜〜〜

はい。。。ありがとうございます。

私自身もそうでしたが、デザインと言われると、「絵や図形を使って、表現をする」みたいな勝手なイメージがありませんか?
ただ、設計と言われるとどうでしょう?
もっと高度で、緻密で、計算されたもの。というイメージになるんじゃないかと思います。
実際そのとおりで、本来デザインとは、ちゃんと目的に合わせて、それを具体的に説明することが大前提です。

私はこれまで、まだその点がちゃんと理解できてない状態で、制作を進めていました。
そしてなんとか自分の中で納得した状態で、デザインを提出しました。
しかし返ってくるのは赤字や再考ばかり。
だいぶ悩みました。「一体自分のデザインの何が悪いんだろう。。。」と。

そう考えれば考える程、精神状態も健康的な方向に進むわけもなく。
ただただ自分自身を追い込んでいっていました。

デザインのせいにしない!

デザインとは何か。
先述で述べたとおり、デザインとは設計であり、目的を具現化するもの。
ならデザインの良い悪いとは、どう決まるのか。

答えは明確ですね。
その目的がちゃんと伝えられているか、伝えられていないか。
だと思います。
これはよく私の上司に「ゴールはなに!?」と、耳にタコができるくらい言われた気がするのですが。。。w
先に述べた「自分のデザインの何が悪いのか」。
それは、私自身がプロジェクトの全容、目的をしっかりと理解できていなかったからであり、デザインが悪いわけではないのです。

気がつくのに何年使ってるのか。これまでの自分を戒めたいくらいです。
そこに気がついてから、私はデザインをするのにあたり、取り組み方を改めて考え直しました。

行き方は1つではない!

話が飛んでしまいますが、私は昔から大の鉄道好きでして。
首都圏の路線網であれば、大体は把握しています。
山手線の内側だけでも、網の目のように地下鉄の路線が敷かれていますね。

例えば、東京駅→新宿駅まで行きたい。となったときに、皆様ならどういった行き方をするでしょうか?
今私は乗り換え無しで行ける方法を3つ把握できました。
1つは山手線。2つ目は中央線。3つ目は地下鉄丸ノ内線。
いずれも乗り換え無しで行くことができますね。
ただ、どの路線もゴールは同じですが、決して同じルートをたどっていません。

実はこれ、デザインに置き換えても同じことが言えるんですね。
サイトももちろんですが、バナー1つ作るにしたって同じです。

デザイナーの方なら、クリエイティブを制作するのにあたって「案出し」を経験していない方はいらっしゃらないかと思います。
いろんな案を出すことは大事です。というか当然です。
そこで大事なのは、「同じ行き方をしない」ということ。

ここで実際に私がいこーよ10周年で出した案をいくつか紹介します。
10周年に先立ち、いこーよアカウントのSNSのカバー画像を一新したのですが、その際に以下の案を提出しました。

まずA案。

こちらは10周年特設ページのメインイメージで使っているクリエイティブをそのまま流用したもの。
ルートとしては王道といったところですね。

そしてB案。

こちらはいこーよ本体サイトのフッターを10周年仕様にしているのですが、そちらをモチーフにした案。
キッズ向けっぽいデザインで、サービスともマッチしていますね。

最後にC案

いこーよは「おでかけサイト」ですので、やはりおでかけ感を出したい!
ということで、写真をベースにした案も作ってみました。

これらをディレクターや、関係者に提出をするわけですが、この中で実際に採用された案はどれでしょう!?

答えはB案。
理由は聞いていないのでわからないですが、私の見解では
・10周年という記念のイメージとなると、この中ではB案がふさわしかった。
・配色等もSNSとの相性がよかった。
のではないかと思っています。(実際のところはわからないですがww

3つの案を制作するのにあたって、一番気をつけたことは、先述で書いたとおり「同じ行き方をしない」ということです。
案をいっぱい出せばいいか。ということではなく、ゴールまでの道筋をデザインでしっかりと提示をする。
が、一番大事なポイントなのではないか。と思います。

捨てるデザインなんて存在しない

ここでまとめとして、案出しをすることによって、どういった効果をもたらすかを書きたいと思います。

まず、私自身が実感したこととして
・修正、赤字が大幅に減った。
・逆に作業工数が減った。
・ボツ案が出ても、以後の他の案件でクリエイティブを使い回せる
ということです。

修正、赤字が減ったのはなぜか。
ここで一旦自身の立場を変えてみましょう。
自身が作る立場ではなく、見て判断する側の立場になって考えると
・1つの案だけだと、正解がそれだけではないので、判断がしにくい
・複数の案があると、実際にマッチしたものが何なのかを直感的に判断しやすい。
そこで1つ選んでもらえたら、あとは細かい調整をして、ブラッシュアップすれば良いだけなので、工数も減るわけですね。
先述では「作業工数が増える」と書きましたが、あれ?言っていること違くない??と思われるでしょうww
それは初期工数のお話で、修正の時間等を含めた、トータルの工数を考えると、グッと減ることになります。
このやり方に慣れてくれば、もちろん初期工数も短縮できますので、日々の積み重ねが大事になってきますね。

そして複数案の提出は、実は思わぬ副産物を生むこともあります。
例えば以前のプロジェクトで使用したボツ案を使ったクリエイティブが、この先やるプロジェクトで日の目を見る。なんてこともあります。
「この間使ったアレ、今回使えるじゃん!」と、引き出しを増やすこともできますし、デザイナーにとっての価値を増やすことにもなります。
ボツ案もとっても貴重な資産なのです。

これからもいいと思っていただけるデザインを作るために。
初心忘れるべからず、デザインに取り組んで行きたいと思います。


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