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wackeychicks=かぞくの風景

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last train home

last train home

昨夜、私の祖母が亡くなった。
齢98の大往生である。

祖母は家にいた時から、次第に私たちのことを誰だか判らなくなっていて、それでも曾孫である私の子どもたちを連れて行くと「あら、可愛いボクちゃんたち、いらっしゃい!」と笑顔で迎えてくれた。

グループホームに入居し数年、コロナ禍になり最後に会うことができたのは確か一昨年で。

施設の入口に車椅子で連れて来られた祖母の瞳は霞みがかっていて、空(くう)

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はじまりは今。

はじまりは今。

4月1日、日曜日。夕刻。
京都駅の新幹線のホームで、そのひとはさめざめと涙を流していた。



東京行きの新幹線が、新大阪から京都へあっという間に滑り込む。

旅の狂騒の名残りを抱えつつ、見るとはなしにぼんやりとホームを眺めていたら、携帯電話を握り締め、泣き腫らして少し先の窓のなかを見つめる女性がいた。私より少し歳上だろうか。

ある種の確信を持ちつつ視線を車内に戻すと、やはり、何列か前の座席脇

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last train home

last train home

気絶するほど、遠くまで来た気がする。
だけど今、振り返ってみると
瞬きのようにあっという間だった。

次男が卒園して
我が家の幼稚園生活が終わった。

息子たちは同じ幼稚園に通って、通算6年。
次男が生まれてからずっと同じ日常を繰り返してきたけれど、ふっつりと、もう幼稚園に行くことはない。

特にこの2年間は、クラス役員と謝恩会役員を務めた為、日々は光の矢のように飛んで行ってしまった。

子育ての

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私だって宮本浩次でありたいのだ。

私だって宮本浩次でありたいのだ。

元旦の朝に、録画していた紅白を観ていた。

例年『笑ってはいけない』と格闘技の番組を録画して、紅白はリアルタイムで観て、大晦日感を大いに満喫するところが、長男がダウンタウンを観たいと言い出したので『笑ってはいけない』を視聴しつつ、紅白は録画でおあずけ。

大晦日に、過敏すぎる妹とツッパリな母の抗争に巻き込まれ、心がささくれだっていた私。
母は年中妹の顔色を窺い、その帳尻合わせは、いつだって空気読み

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子連れの大浴場問題。

子連れの大浴場問題。

子どもが公衆浴場で異性のお風呂に入ることができるのは何才までなのか、学年でいうといつまでなのか、傍からみた感覚の問題・家庭の事情・本人の羞恥心など、個人差はあれど。
具体的には、都道府県の条例でそれぞれ定められているようだ。

一番緩やかな県で、11才まで。
一番厳しい県で、6才まで。
他は概ね7才か9才まで。
(注:条例では『何才まで可』ではなく『何才以上は不可』となっているが、ここでは『何才ま

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今日に限って。

今日に限って。

あと少しで仕事が終わる、というところで休憩を取ることがいつものお決まりだけど、思わず、食べかけのいちご練乳氷を片手に車外に飛び出してしまった。ふと視線をやった先のバス停に向かって。

最後に遭ったのはいつだっけ。このへんに住んでた頃だから、10年以上前か。その頃と寸分違わぬ風貌で彼はそこにいた。私が好きだったそのまんまでそこにいた。

コンビニのかき氷片手に、珍妙な仕事着姿で車外に飛び出し、挙動不

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母親>父親

母親>父親

小・中学生にアンケートか何かを取ったところ、両親のどちらをより尊敬しているかという問いに、母親と答えた割合が多かったというニュースを義実家で観た。

姑『そんなもんかな〜。
あんた、尊敬とかしてないやろ?』
夫『尊敬してるよ!』

そんな親子の会話。
躊躇いなく真っ直ぐに、親を尊敬していると言える夫は、やはり素直なんだなぁ。そして、注がれた愛情をしっかりと受け取って育ったんだろうな。

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1ヶ月ほど過ぎてしまったけれど、母の日の話を。

1ヶ月ほど過ぎてしまったけれど、母の日の話を。

2017年の母の日は、5月14日。
朝、居並ぶこたちを眺めて、当たり前過ぎることなのだが、新鮮に心に飛び込んできたものがあった。

このこたちが無事産まれて元気でいてくれるから、私は母でいられるのだ。私ひとりでは勿論、夫がいてくれるだけでは母にはなれない。

『こどもがいるから母』そのこと自体は至極当然だが、『こどもがお腹にやってきて、無事産まれて、元気でいてくれる』ということは、当然ではないのだ

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心構えのこと。

心構えのこと。

誰も、私の周囲では懸念されている様子は見受けられないのだけど、朝鮮半島を巡る動向が気になって仕方がない。
これはいよいよ、のちに戦前と言われる時代なのではないかと、ひとり戦々恐々としている。
もはや戦後ではない、というのは結構前から感じていたが、ここまで戦前を意識したことは、産まれて40年と少し経つが初めてのことだ。

真っ先に思うのは子どもたちのことだ。
わが家の子どもたちをどう護るかは勿論のこ

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カラードレス問題。

カラードレス問題。

結婚披露宴のお色直しの定番といえば、カラードレスではないだろうか。御多分に洩れず、私もお色直しでブルーのカラードレスを着た。

ブルーのカラードレスを着て、いつもより濃い化粧の私。結婚してかれこれ12年になるが、その姿の写真を見たのは、これまでに2〜3回くらいではないだろうか。理由は明白で、さっぱり似合っておらず封印したいくらいの代物だからである。

それでも、マシなものを選んだつもりだった。

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4歳次男の近頃の語録。

単三電池→さいだーでんち(単三=炭酸と思い込んでいる)

ゆたんぽ→ぽたんぽ

ぽたんぽは、覚え間違いだけど
さいだーでんちは斬新過ぎた!
#こども #言い間違い #語録

選択的夫婦別姓制度

選択的夫婦別姓制度

私は結婚して10年を過ぎてなお、心の底に澱のように溜まっていることがある。

結婚に際し、旧姓を手放さざるを得なかったことだ。

旧姓は大変珍しく、その姓を名乗るのは全国で4世帯のみ(今の姓は、全国に594世帯いる。)

先祖は伊賀上野の出で、私の祖父が3歳のころ、伊賀を離れたと聞いている。徳川家康公から賜った姓ではないかという説もあるようなもの。あまりにも珍しい為、取引先に一度で覚えてもらえたし

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夫実家の家族旅行で訪れた館山のホテルが、こどもの頃毎夏宿泊していたホテルで吃驚!

名前が変わっていて、最初は判らなかったけれど
部屋の灰皿で判明。

30年以上経って、自分のこどもと訪れたという不思議な感じ。