漢文の勉強の仕方
受験生を見ていると、古文より漢文に苦手意識を持っている人が
多いように思います。
漢文を理解するのに、ざっくり言って、漢文は英語の文章を漢字に
置き換えて縦書きにすると漢文になる、と思うと分かりやすいと
思います。
漢文は、漢字で書いてあるため、日本語に近いのではないかと思い
がちですが、文章は英語の文型に近いため、日本語で理解しようと
すると、嵐のように返り点をつけないと読めません。
そこで漢文の勉強の仕方ですが、文法は参考書を見るとして、
模試や入試問題が分からないのは、まず和漢異義語や漢文常識語を
覚えていないため、意味が正確につかめないことがあります。
例えば、故人は死んだ人ではなくて親しい友人、百姓(ひゃくせい)は
農民ではなく、人民・庶民のことで、人間(じんかん)は、にんげん
ではなく、世間のことです。寡人(かじん)は、諸侯のような偉い人が
自分のことをいう時に使います。
漢字は、多訓語と言って、1文字で違う読みがあるものを覚えるのが
大変で、各場面で使い分けが必要です。
例えば、「見」は、受け身の「~る、~らル」、見る・会うの「みル、
みユ」、目上の人にお目にかかるの「まみユ」
よく出る「易」は、やさしい・簡単だの「やすシ」、交換するの「かフ」で、それぞれの意味を表す熟語を選べという問題が出ると、前者は容易、
後者は貿易を選ぶことになります。
また、読みを覚えなければならない漢字が結構あります。
「安」(いづクンゾ)は、「悪・焉」でも(いづクンゾ)と読めなければ
ならないですし、
「安」(いづクニ(カ))は、「何・悪・焉」でも(いづクニ(カ))と
読めなければなりません。
こういう細かなことが、模試や入試でチェックされます。
「翼」は(こひねがハクハ)と読み、「荀」は(いやしクモ)と読み、
「縦」は、「たとヒ~トモ」というように、覚えていないと得点できない
漢字があります。
覚えることがたくさんでうんざりするかもしれませんが、古語に比べれば
暗記量は少ないので、一度覚えてしまえば、漢文の方が点が取りやすい
と感じると思います。
私がお勧めする、コスパが良い補助教材は、尚文出版の「新明説漢文」
(全国高等学校国語教育研究連合会編著)です。地味ですが、市販の漢文の
参考書に比べると、必要な情報が一番多く掲載されており、お値段もすごく
お安くなっています。
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