見出し画像

企画参加〜心に残るあのエピソードをあなたへ〜

こちらの企画に参加させていただくことになりました、Alohaと申します。

私にバトンを渡してくださったのは、いつも本当に可愛がってくださっているラベンダーさん。
俳句を詠み、物語をお書きになり、たくさんの作品を見せてくださっているnoterさんです。
いろんな企画もなさっていて、どなたにも細やかな心配りをされるお姉さん的存在の方です。
はい、ラベさんが大好きです。

そんなラベさんが回してくださったバトン、上手く次の方につなぐことができるか些か不安もありますが、何卒よろしくお願いいたします。
一度記事にしたことのあるお話ですが、まだnoteを始めたばかりでフォロワーさんも少なく未発表に近い(笑)お話なのでもう一度書くことをお許しください。


今から7年ぐらい前のお話です。

仕事でお得意様のところへむかう道中、近鉄南大阪線の河内松原駅で降り、そこからバスに乗り換えて向かうところでした。
バスターミナルで目的地行きのバスを探すとすでにバスが到着しており、発車時刻はまもなくとなっていました。
慌てて乗り込みICOCAをかざそうと取りだすも、タッチする機械がない。
そのバスはキャッシュレス化されていないバスで、小銭で目的地までの運賃を支払う昔ながらのシステムでしか乗れませんでした。

小銭を出そうを財布を出すと、こんな時に限って1万円札しか持っていない。両替機は?とバスの前方へ行き、みつけたはいいものの千円札を小銭に崩すタイプ。1万円札は両替できない。

それでは出発しまーす。
とアナウンスされた運転手さんに
すみません、降ります。 と告げた。
どうされました?
私、一万円札しか持ち合わせがないことに今気づいて。両替して次のバスに乗ります。ほんとにすみません。

私の身なりをじーっと見つめる運転手さん。

お客さん、仕事なんでしょう?遅れると大変ですよね。

スーツにヒール、パソコンの入った大きなカバン。
どこから見ても一般的なサラリーマンの私。

そうですが、それでは運賃が払えませんので。

いいですよ、帰りもうちのバスに乗って駅まで戻られるんでしょう?その時に往復分お支払いいただければ結構です。

え?ほんとにいいんですか?

はい、それでは出発しまーす。お客さん空いてる席にお座りくださいね。

いくつかの停留所を経て目的地に着く。手に持っていた自分の名刺を2枚出す。なぜ2枚かというと、私の名刺を2枚以上持っているのは私だけだからだ。

私、こういう者です。必ず帰りに往復分お支払いいたします。本当に助かりました、ありがとうございました。

お名刺結構です。ご丁寧にありがとうございます。

何度も頭を下げる私に帽子を脱いでにっこり笑ってくれた運転手さん。

お得意様には約束の時間までに到着することができた。バス停からの道すがら見つけていたローソンで帰りにお買い物をして、往復分の小銭の用意はできた。

バス停にてバスを待つ。
残念ながら行きの運転手さんではなかった。降りるときに事情をお話しよう。
しばらくして終点の河内松原駅に着く。
一番最後に降りて、運転手さんに行きの事情を説明した。

小銭の持ち合わせがなく困っていた私に、帰り往復分お支払いいただければ結構です。と乗せていただいたこと。それでお得意様のところに遅れずに到着できたこと。
〇〇さんという運転手さんにくれぐれもよろしくお伝え下さい。
往復分の運賃を運賃箱に入れた。

すると、その運転手さんは
ご丁寧にありがとうございます。また近鉄バスのご利用をお待ちしております。
とニコっと笑って言ってくれた。

なんということだろう。こちらがありがとうなのに、ありがとうございますだなんて。この運転手さんのご対応にも感動した。

またお礼を言ってバスを降りる。ピンチに出会えた運転手さんたちの、こんなに親切なご対応に感謝。

そしてこの感動をどうしてもお伝えしたくなり、バスターミナルから近鉄バスのお客様窓口へと電話をする。
私は先程◎番のバスに乗らせて頂いた者です・・・これまで親切にしていただいた経緯をお話しする。
大変感激しましたのでお電話をさせていただきました、お忙しい中お時間を頂戴しまして申し訳ございません、本当にありがとうございました。と告げて電話を切ろうとした。
すると電話を取ってくださった方が、

こんなにうれしいお電話を頂戴できるとは思っておりませんでした。私もとても嬉しく思い、感動しております。わざわざのお電話をありがとうございました。運転手たちに労いの言葉を添えてお伝えさせていただきます。

お客様窓口の男性が電話越しに泣いておられるのがわかった。
私もぼろぼろと涙がこぼれた、いや、もう号泣していた。この方も素晴らしい方だった、近鉄バスという会社が素晴らしいのだろうな、と思った。

また利用させていただきます。その時は小銭の準備を忘れないようにしますね。本当にありがとう。
と言って電話を切った。

見ず知らずの私に施してくださったご親切。
分刻みの多忙なスケジュールの中、じわーんと温かい気持ちになり、さあ、また頑張ろうと思うことができた。
誰かのピンチにそっと手を差し伸べる。
私もそういう人になりたいと思った。

大変拙いお話でした。
読んでくださったみなさま、ありがとうございました。

さて、次バトンをお願いしたいのは鮎太さんです。
鮎太さんのショートショートやエッセイはほんとうに優しい文章で、心をほっこりさせてくれます。
そして、俳句も詠まれています。
こちらのお話をさせていただいたところ、すぐにご快諾くださいました。

鮎太、よろしくね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?