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メカ!殺戮!滅びよ人類! X-Morph:Defenseで世界をめちゃくちゃにしよう。

「ゲームの設定上仕方なく侵略者を倒したりしているけど、ぼくがやりたいのは戦車を壊したり兵士をブチ殺すことだけで、別に世界を救ったり連合国を勝たせたりしたいわけじゃない…」とお悩みの皆さん、こんにちは!アロハ天狗です!

タワーディフェンス、いいですよね。四方八方からチマチマ攻めてくる敵を、こちらの構築した完璧な防衛網でひき肉に変える。こうふんしますね。

ツインスティックシューター、いいですよね。四方八方から殺到する敵を、スティックをガーって向ければ自機から弾がいっぱいドバーッて出てみんな死ぬ。たのしいですね。

じゃあタワーディフェンスとツインスティックシューターをくっつけて、しかも自分が侵略宇宙人側で、防衛軍をやっつけると世界各国の大都会がめちゃくちゃにぶっ壊れるゲームだったら…??(これはここだけの話ですが、めちゃくちゃ面白いゲームになります)


はじめまして、アロハ天狗と申します。X-morph Defenseとかいうゲームがとてもオモシレーのでその話をします。(Switch,PS4,XboxOne,PCで2000円程度で購入可能)


・どんなゲーム内容?

このゲームは建設パートと防衛パートの2つのパートに分かれていて、これの繰り返しによるフェイズをしのぎ切ることで、人類の攻撃から宇宙侵略資源搾取コアを守り切ることが目的となります。

建設パートでは敵の進路(予めわかりやすく表示されている)を考えながら、レーザーやキャノン、対空砲などの防衛設備を侵略コアの周りに配置したり、レーザー壁で敵の進路を妨害し、遠回りするようにルートを変更したりします。時間制限などはないので、こちらのペースでゆっくり考えてよいです。

一方防衛パートでは、建設パートで予告されていたルートで敵が四方八方から攻めてきます。ここでは主人公=あなた(=侵略宇宙人の邪悪な意識体の一部)は、特別宇宙戦闘機を使って、防衛タワーを援護しながら敵(=人類防衛軍)をやっつけます。このパートでも建設はできますが、わちゃわちゃなので超忙しいです。

・いい意味でヌルい

X-morphのいいところは、まずゲームの作りがかなりカジュアルなんですね。いい意味でヌルい。
例えばシステム上の特徴としては
・タワーを破壊された場合、その資源がそのまま帰ってくる。
・タワーの移設や建て替えはノーコスト
・タワーの建設やアップグレードの時間がほぼかからない
・タワーやバリケードを破壊する敵のアラートが明瞭で、しかも対処法が明確
・建設コストが一種類なので管理が楽
・建設パートに時間制限がないのでじっくり考えられる
などがあります。

例えばタワーの建て替えの際の時間ロスなどはタワーディフェンスでは定番と言ってもよいシステムですが、こうした部分はばっさりとカットして、ストレスなく豪快に遊べる方向に舵を切っています。
(この辺が全部逆向いてたイージスディフェンダーズは丁寧なゲームだけど合わなかった)

ぱっと見の雰囲気は全然違いますが、ゲームのプレイ感覚としては、傑作オークスマストダイ!が近いですね。
タワーディフェンスかつ、主人公が直接戦闘可能と言う部分の共通点以上に、プレイヤーに気持ちよく遊ばせようというスタンスが似てる。

・グラフィックがめちゃくちゃ凄い

この作品、2000円程度の低価格タイトルなんですが、その割にグラフィックがめちゃくちゃ凄いんです。細かく作りこまれた街並みは勿論なんですが、この街並みが片っ端から破壊可能!

高層ビルを宇宙ボムで破壊すると、破壊した箇所に応じてしっかり物理演算されてビルが倒壊!ガスコンビナートから軍事基地まで、戦闘の激化に応じて街がしっかりとめちゃくちゃになっていきますし、ぶち壊れ方に違和感というか作り物感が無い。

ほんとに町中「そんなとこまで!?」ってくらいぶち壊せるんですが、特に高層ビルの『破壊された箇所に応じて重心が崩れて、全体がバラバラになりながら別の区画や道路を瓦礫と砂塵で埋め尽くしながら倒壊』ってのはかなり凄いですね、本作の見どころの一つ。

しかもこの、「建物の破壊の瓦礫で道路を塞いだり敵を潰したりする」がちゃんと戦術にも絡んでくるのもいいですね。演出としても極上だけどその上がある。

GTAクローンみてーなゲームで街中で銃ぶっ放したりトラックで歩道突っ走るのも楽しいけど、本当は街そのものをめちゃくちゃにしたい~~ビルとか壊したい~~~地球レベルで人類滅ぼしたい~~~うんうん、わかるよ、そうだね、辛いもんね、共感しちゃうな~~~てかどこ住み?ラインやってる?

・爽快な防衛パート

そしていよいよ防衛パート!四方八方から敵がハチャメチャに押し寄せてくるのに対抗して、前述の建設パートで準備した防衛設備(オート動作)に加えて、自分が特別攻撃船を操作して、シューティングで直接敵を破壊することも可能です。

対地、対空など用途に合わせて4つの武器を使い分けるわけですが、万能型(器用貧乏)のエイリアンシップ、対地爆撃のデストロイボマー、対空型のアサルトファイター、一点集中型のX-レーザードレッドノートの4種類に武器を切り替えるたびに機体が変形するのがめちゃくちゃカッケーですね。(名前は今考えました👺)

ここでは主人公機は完全に自由に行動可能なんで、敵の攻撃の厚いところに陣取って防衛火力の底上げをしてもいいですし、殺り損ねた敵がコアにすり抜けるのを受け身で対応してもいいです。

この主人公機がまーためちゃくちゃ強いのが気持ちいいんですよ。対空モードになると死ぬほど大量の誘導ミサイルを乱射して小型機編隊は瞬殺、大型ガンシップも簡単に撃墜。爆撃モードでは戦車の大群も対応可能ですし、レーザーモードでは怒首領蜂みてーなごん太レーザーでウルトラ戦車も簡単に撃破可能。

しかも4形態それぞれ個別のチャージボムがあり、これも一発で戦局を変えるほどの威力とクッソド派手なエフェクト、そしてその癖そこそこ軽率に使用可能、と爽快寄りの調整がされています。

ちなみに建設パート同様、防衛パートでもタワーの建設ができるんですが、建設画面を開くモードになると完全無敵&地形無視になるのがかなり快適です。前述したとおり、ストレスが殆ど無い作り。

そして、防衛パートでの自機の操作と建設の同時進行はしっちゃかめっちゃかなんですが、上手い事防衛タワーを配置したら殆ど手を出さなくても対応できる局面も多いです。(高難易度は知らん)

なので、自分の芸術的な防衛網でひき肉になっていく敵たちを眺めながら真っ暗な部屋で一人ニチャアッ…て笑うタワーディフェンスの醍醐味も存分に楽しめます。暗い部屋で…一人で…画面を観てニヤつきながら…人が死ぬのを…人生の意味…いい歳して本当にこれでいいのか…?

あっ、すみません、ちょっと正気を取り戻していました。

・トランスフォーマー風味のノリ(ただし善玉はいない)

変形といえば、タワーや侵略コアも含めて、全体的なデザインラインやガチャガチャ変形がマイケル・ベイ版のトランスフォーマーを彷彿とさせますし設定もあんな感じですね。ただしオートボット(サイバトロン)はいない!悪の宇宙人だけ!

人類側は人類側で、オプティマスプライムがいねー分めちゃくちゃなバフがかかってます。

通常の敵ユニットもウルトラ超重戦車とか、みんな大好きB2っぽいステルス爆撃機(ステルス機能は全くないけどカッコいい)とか、レーザーフェンスも潜り抜けてくる機動歩兵(火炎放射器で良く燃えるので楽しい)とか全体的に超男の子好みのラインナップです。しかし、特定のマップで出てくるボスがまーまたこれが最高なんですよ。

デカい!固い!強い!武器がいっぱい!凄い!大きい!カッコいい!と三拍子そろった超兵器の数々で、一目見ただけでもIQ3くらいしかないとわかるイカすデザイン。
明らかにオムラ・インダストリ製。それか鋼鉄の咆哮シリーズに出てくる超兵器作ったバカの親戚が作った秘密兵器。

しかもこのボスが単にデカくて固いだけじゃなくて各パーツごとにHPと機能が別れてて、どっかのパーツ壊すごとに
「デストロイキャノン充填!直接敵のコアを狙う!」→デストロイキャノンにダメージ!
「第三脚部パーツも破壊!あと一本破壊されたら倒壊します!」

だのイチイチワーワー大騒ぎしてくれるのも楽しい。

そして撃破の時の爆発っぷりがこれまた見事なんですよね、ザ・大型グレート兵器の堕ち方って感じ。


ストーリーでは、世界各国の大都市を転戦(最終面は日本)しますが、それぞれの国やマップにちゃんと個性があるのも面白いですね。アフリカマップではまったく建物が無いのでそれまでのマップと違ってビルや道路を駆使したルート構築ができないので苦戦するのは笑った。

ストーリーキャンペーンがそれほど長くないのも個人的には嬉しいところで、ゲームにはさっさと慣れ、飽きてくる前にスパっと終わってくれる。ゲームは短ければ短いほど良い。映画は100分切れ。

DLCでは本編に出てこなかったステージや敵が出てくるそうだが、俺はプレイしなかった。それはDLCがいらないからではなく、本編で十分すぎるほどに満足したからだ。

しかしDLCではヨーロッパがメインでおフランスをめちゃくちゃに出来たり、人類の生き残りの最後の抵抗を踏みにじったりできるらしいので、欲しい奴はやるといいだろう。面白そうだ。

難点を言えば、ストーリーキャンペーンで人類方の顔となる人類軍の司令官や、異星人側の上級意識体のキャラに特に面白みがない点ですね。もうちょっと個性あるキャラクターや掛け合いが見られたらもっと良かったと思う。

まとめ

低価格タイトルなんですが、低価格らしさが『チープさ』ではなく『気軽さ』に表れている極めて爽快で豪快で破壊的な作品です。タワーディフェンスの魅力を『緻密な戦略!脳髄をフル回転!全てを把握しきり、完璧な防衛網を構築しろ!』ではなく、『砲台をいっぱい置くとやってくる敵がみんな死ぬから楽しい』と受け止めたタイプの作り方ですね。

アクションゲーマーにこそオススメしたい作品ですね。ほんと大して期待せずにつなぎ気分で始めたゲームだったんですが、めちゃくちゃ気に入ってしまいました。オススメです。

(終わりです)

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