爆発8

死ぬなら走れ、最後まで。

チェーンソー・カルト男の隙を付き、首にナイフを刺す。+12時間。
崩れ落ちた相手からチェーンソーを奪い、もう一人の白頭巾カルトの腹に突き立てる。
AARRGHH!!!!」はらわたと血が辺り一面に飛び散る。+12時間。

俺は息を整え、辺りを見渡す。ゴアカルトの死体が更に3つ。今日ぶっ殺したのはこれで5人。12時間×5=2日半は時間が稼げた。

死体は見る間に腐敗し、灰へと変わった。跡には魔法陣だけが残る。

これが俺のサインした契約だ。他人の命を、たった12時間の自分の寿命と交換する、割に合わないレート。死にたくなければ、殺し続ける。

だから俺はせめて少しでもマシな殺し先を探す。例えば猟奇殺人悪魔崇拝カルトとか。

残る寿命はこの60時間をプラスしても97時間。

俺が本当に殺したい相手はたった一人。

南米最大のテロ組織、『アマゾンの風』の首領、ラウル・エステバン。
先月までただの教師だった男には、中々荷が重い。


(続く)

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