工具の材質1

工具の大まかな材質の種類

様々な種類のある工具、今回は材質別にお伝えしたいと思います。

前書き

 私自身、加工はあまり得意な方ではありませんが、自営業を始めてから、工作に関して調査する機会が最近多くなりました。
 工具の材質と加工種類の2点を決めれば、どの工具を使用すればよいかが分かりやすいと思われますので、今回はその内の材質を伝えたいと思います。実際は、ほかにも材質はあるかもしれませんが、今回はヤスリや砥石で用いられる材質を中心に伝えたいと思います。

砥粒と工具の材質の種類

 工具の硬度は加工対象の硬度より高くなければ加工できません
 人手では問題ありませんが、電動工具は工具の砥粒と加工対象に一つでも共通の原子が存在すると、加工性能が悪くなると思われます。電動工具は工具と加工対象に共通の原子がない時に性能を発揮できるようです。
・ダイヤモンド、化学式:C、修正モース硬度 :15
・c-BN(立方体窒化ホウ素)、化学式:BN、修正モース硬度 :不明
・カーボランダム、化学式:SiC、修正モース硬度 :13
・アランダム、化学式:AI2O3、修正モース硬度 :12
・鋼、化学式:FeとCとSiの合金類:修正モース硬度:5.5

炭化ケイ素

 サンドペーパーか電動工具で用いられている砥粒で、電動工具であれば、炭素原子とケイ素原子が入っていない材質の加工に用いた方が良い。
 紙やすりを人力で使用する場合はどんな材質でも問題になりませんが、電動工具になると、鋼等、炭素原子とケイ素原子の含まれている材質の、炭素とケイ素が工具の炭素とケイ素を吸収し、工具の寿命が縮みます。

アルミナ

 サンドペーパーか電動工具で用いられている砥粒で、電動工具であれば、アルミニウム原子が含まれる材質の加工は避けた方が無難と思われます。電動工具の場合は主に鋼に対して用いられることが多い。包丁(鋼)を研ぐ電動工具の砥石はアルミナ系の砥石と思われます。

c-BN(立方体窒化ホウ素)砥粒

 サンドペーパーか電動工具か人力で使用する工具で用いられている砥粒で、窒素とホウ素が含まれる材質との相性は悪いと思われますが、そのような材質を加工することは殆どないので、実質ほぼすべての材質を加工することができると思われます。

ダイヤモンド工具

 サンドペーパーか電動工具か人力で使用する工具で用いられている砥粒で、水晶やサファイアの切断など、炭素原子の入っていない比較的固い素材に用いられます。
 人力で行う場合は、鋼相手には十分使えると思われます。しかし、水晶やアルミナ等、鋼の硬さを超える材質になると人力では苦しいですので、電動工具で作業することになります。
 電動工具の場合、ダイヤモンドは高熱に弱い上、炭素原子が含まれる材質だと、材質がダイヤモンドの炭素と結合吸収し、工寿命がさらに縮みます。ですから電動工具を扱う際、鉄を炭素で強化した鋼や、炭素の含まれる分子を持つ木材やプラスチック等、何であれ炭素原子が含まれる材質には不向きです。
 ダイヤモンド関係の電動工具を扱う際は、そのまま使う乾式と、切断面に水を含ませる湿式の2種類に分かれますが、ダイヤモンドは熱に弱いので、水の供給また循環のシステムを構築できるのであれば、湿式であるに越したことはありません。

鋼製工具

 人力の工具と、電動鋸に用いられる素材です。鋼よりも柔らかい素材に対して用いられます。人力で使用する工具の場合、使っていくうちに剥がれる恐れのある砥粒形式とは違い、目詰まりの手入れさえできればずっと使えるという利点があります。

まとめ

炭化ケイ素:炭素とケイ素が含まれない材質、特に固くて脆い材質
アルミナ:アルミニウムが含まれない材質、特に鋼等の金属
立方体窒化ホウ素:ほぼすべての材質
ダイヤモンド:炭素が含まれない比較的固い材質、特に水晶やサファイア
鋼製工具:鋼より硬度の低い材質、人力工具の場合はずっと使える


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