磁石の種類1

磁石の材質の特徴

電気と関係の強い磁石、今度は磁石の材質の特徴をお伝えしたいと思います。

前書き

 実験用途では磁石の種類は大して気にする必要はありませんが、本格的に実用したいとなると、一長一短の特徴から選択する必要が出るかもしれません。今回は磁石の特徴を、材質別に取り上げたいと思います。

フェライト磁石

 フェライト磁石は錆と高温に強いので、野外での安定性が高いのが特徴です。しかし、磁力と吸着力は一番弱いです。調べたところ、理科の実験で使われるようなモーターの磁石には、今もフェライト磁石が使われているとみられます。
 原材料が手に入りやすいためか、サイズバリエーションが多いです。しかも吸着力も小さいので、どのサイズでも、腕を失うほどの大きな怪我を負う危険性が少ないという利点もあります。(フェライト磁石とはいえ、大型になると、手袋をしないと指を怪我する恐れを感じます。)

アルニコ磁石

 4つの磁石の中で最もキュリー温度が高く、最も高温に強い強い磁石ですので、温度耐性が必要な場面で用いるのに適した磁石。しかし、経年の影響で減磁しやすいという特徴があります。そのため、アルニコ磁石に限っては減磁を最小限にするために、極方向が長辺の細長い形状にする必要がある。
 原材料が手に入りにくいのでサイズのバリエーションも少ないです。

サマリウムコバルト磁石

 磁力がネオジム磁石の次に強く、高温と錆に強い磁石ですので、高温環境下でかつ強い磁力が必要な場面で用いることができます。しかし、衝撃に弱く、欠けやすいです。衝撃に対する弱ささえ補うことができれば最良の磁石かもしれません。
 原材料が手に入りにくいのでサイズのバリエーションも少ないです。

ネオジム磁石

 最も磁力が強力なので、実験用としては最適な磁石です。しかし、キュリー温度が低いことに伴う高温耐性の低さや、錆に対する弱さなど、安定性に関してはあまりよくありません。また、吸着力の高さから手指を怪我をする恐れがありますので、手袋が必要です。吸引力の強さで磁石そのものが割れる場合もあります。
 サイズバリエーションは多いですが、余り大型のものを扱うと、指や手や腕を失うほどの怪我をする恐れが高いですので、購入の際は吸着力の項目を確認の上、慎重に選んで下さい。(吸着力100kgf越えが売られているところがあるので、怖いです。)

まとめ

フェライト磁石:高温と錆に強いが、磁力は弱い。
アルニコ磁石:高温耐性が最も強いが、保磁力が弱い。
サマリウムコバルト磁石:磁力と高温と錆に強いが、欠けやすい。
ネオジム磁石:磁力が最も強いが、高温と錆に弱い。怪我をしやすい。

記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。サポートを頂けるなら、助けになります。