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2022年に聴いて刺さった曲 TOP10

 昨年に僕が新たに聴いて、特にヤバかった曲のTOP10です。
(もう2023年の2月も後半ですけれども。)
 2022年リリースの曲もあれば、数年前の曲もあります。

10位 菅原圭 - くうはく (2022)

 8月10日リリース。シンガーソングライター・菅原圭の楽曲。この曲は提供曲で、作詞作編曲は理芽の『食虫植物』などでも知られるシンガーソングライター・笹川真生が担当。

 菅原圭の唯一無二の歌声については最早説明不用ですが、僕が特に語りたいのはアウトロです。
 徐々に調とテンポが上がって行って、我々の焦燥感と不安感が掻き立てられ、ふと元のリズムに戻った時の”ホッとする感覚”が気持ちいいというこの手法。

 この手法なんだが覚えがあるなぁと思って、頑張って脳内を探して思いついたのが、ビートルズの『A Day In The Life』とボカロP・虻瀬犬の『親愛なるあなたは火葬』でした。
 どちらも”焦燥感・不安感を掻き立てられ、元に戻った時に気持ち良い”。
だけどどちらもテンポは変わってないし、『A Day In The Life』に関しては転調と言うよりは音階が上がって行ってるだけなんですよね。
 なので『くうはく』のアウトロに発想の元ネタがあるのかは微妙な所ですが、もしあるとしたら『親愛なる~』の方な気がします。真相は笹川真生本人にしか分かりません。
 この手法に名前はあるのでしょうか。

 メロディもサウンドも心地良い主旋律、焦燥感を決定づけるギターのカッティング、3回目の転調から存在感を増すベースが我々をより楽曲に没入させ、元に戻った時の菅原圭の伸びやかなコーラスで、ハッとさせられる。
 もちろんアウトロ以外も素晴らしい。とんでもない曲です。

9位 Mega Shinnosuke - 10000回のL.O.V.E.<3 (2022)

 6月29日リリース。マルチジャンルの若手注目ミュージシャン、メガ・シンノスケの楽曲。
 このランキングに入ってる曲は大抵そうですが、リリースされてから1週間くらい、本当にこの曲ばかり聴いてた。

 既存のどのジャンルにも属さない曲な気がします。「広義のラップミュージック」とか「広義のR&B」とか言う事は出来そうだけど。
 単調を極めたみたいな斬新なリズムに、ある種無感情な、それでいてエモーショナルなボーカルが乗っかり、それが何故か果てしなく切なく、心地良い。とても不思議な曲だと感じます。

8位 Saucy Dog - シンデレラボーイ (2021)

 2021年8月25日リリースのSaucy Dog・5thミニアルバム『レイジーサンデー』に収録。現代の日本の若者なら多分誰でも知ってる大ヒット曲。

 ここ数年のメインストリームのヒット曲の中では一番好きです。僕はメジャーな音楽も沢山聴くので、その中で一番好きと言うと相当好きです。

 まず第一にメロディが最高に良いですよね。カラオケで歌うとめちゃくちゃ気持ち良い。僕カラオケが大好きなのですが、この曲は髭男の『SWEET TWEET』と『愛なんだが…』と一緒に毎回必ず歌います。
 そしてボーカル。石原慎也のボーカルは良い意味で癖がなく、伸びやかで耳馴染みが良い。誰もに愛されるボーカルだと思います。
 さらにアレンジメント。イントロのギターフレーズが良いですよね。ここでグッと引き込まれる。2番のAメロの後のブレイク、大好きです。しっとりさせるのではなく、ここであえてこの軽快なリズムのブレイクを入れるのはマジでセンスに溢れていると思います。

 そして歌詞ですよ。作詞をしたのは他ならぬ石原慎也なわけですが、男性である彼が女性視点からこの詩を書けるのは本当に凄いと思う。間違いなく天才か、そうでないならサイコパスでしょう。サイコパスではないと思うので、と言うことは天才です。
 そしてやっぱりメロディが良い…。神曲です。

7位 PAS TASTA - sunameri smoke ft. Cwondo (2022)

 6月10日リリース。hirihiri、Kabanagu、phritz、quoree、ウ山あまね、yuigotの6人による音楽プロジェクト・PAS TASTAの2作目の楽曲。

 11月リリースの『peanut phenomenon ft. ピーナッツくん』でPAS TASTAを知って、その曲も良かったんですけど、他の曲を聴いてみたらむしろそっちにハマったという感じです。
 僕はPAS TASTAを知った時点ではhirihiriとyuigotしか知らなかったんですが、他のメンバーについてdigるのも楽しかった。

 この曲は本当に表情が豊かで、展開が豊富で飽きない。楽曲と言うよりまるで映画みたいです。まずイントロの入りが気持ち良すぎて脳が溶けます。メロディも歌声も心地良くて、褒めるところしかないです。大好きな楽曲。

6位 花譜 & 長谷川白紙 - 蕾に雷 (2022)

 4月20日リリース。唯一無二の歌声を持つバーチャルシンガー・花譜と、僕が愛してやまないアーティスト・長谷川白紙による”組曲”。

 ”組曲”も今年沢山聴いた。大森靖子との『イマジナリーフレンド』、たなかとの『飛翔するmeme』、etc…。その中でもこの『蕾に雷』は一番好き。僕は長谷川白紙とその音楽を狂おしいほど愛しているので、この曲が大好きなのも自明です。
 『組曲集』みたいなアルバム、出ないのかな?

 まずイントロから引き込まれる。まさしく神イントロ。長谷川白紙お得意の変則的なリズム、このサウンド感。イントロだけで絶頂出来る。
 そして曲の中盤を超えたあたり、「草木をひらく僕が」以降の所、ここ神過ぎる。花譜ちゃん!?とはなるけど、しかし何と心地良いのでしょうか。

 作編曲について語りましたが、当然花譜のボーカルもヤバいです。”組曲”シリーズ全体に言えることですが、コンポーザーの元の音楽性を決して潰さず、むしろ最大限生かし、その上で自分の色に塗り替えて”花譜の曲”にしてしまう、この歌声の凄まじさ。とてつもない才能だと思います。

 両者の今後の活躍に期待大。長谷川白紙の新譜、2022年には『蕾に雷』しか目立ったものがなかったので、2023年が楽しみ過ぎてしまいます。

5位 tofubeats - RIVER (tofubeats Remix) (2020)

 2020年9月4日リリースのリミックス・アルバム『RUN REMIXES』に収録。タイトルの通りですが、2018年のアルバム『RUN』に収録の楽曲『RIVER』をtofubeats自身がRemixしたもの。

 最新アルバム『REFLECTION』が出たときに、リリース記念配信ライブ(2022.5.26)をやっていて、なんとなく見たそのライブの待機画面で流れていて、なんだこりゃあ!となって、このRemixを知りました。

 まずイントロからビートが心地良すぎる。原曲『RIVER』はピアノのアレンジで、こちらも大変良い曲なんですが、個人的にはこのRemixのようなラップソングめいたアレンジの方がこの曲に合っている気がする。hookに入った時のビートの変化が本当に気持ちいい。

 そして音楽自体が刺さって初めて気づく、歌詞の秀逸さ。「二人の愛は流れる川のようで 途切れることはないけど掴めない」本当に詩的な表現だ。
 「色んな愛を集めた色のようだ」って歌詞も凄い。どんな色だ。
 メロディも歌詞もアレンジも大好きです。

4位 PUNPEE - Operation : Multiverse of Love (2022)

 12月7日リリースのEP『Return of The Sofakingdom』に収録。この作品は2020年リリースのEP『The Sofakingdom』の”エクストラ・コンテンツ”で、本楽曲は『The Sofakingdom』収録の『Operation : Doomsday Love』に対応していると思われます。

 僕は元々、その前作?の『Operation : Doomsday Love』が狂おしいほど好きなんですよ。タイトルの通り、地球の終わりという悲劇と、当たり前の幸福な日常の対比が、僕を言葉では形容し難いような感情にさせて、本当に狂おしいほど大好きなんです。

 それを踏まえて今回は”Multiverse of Love”。”マルチバース”、多元宇宙論・多世界解釈、平たく言えばパラレルワールドについて歌った曲です。1Verse目ではどこかに存在するかも知れない別次元の自分についてコミカルに歌っていますが、hookでは前作と同様に、僕を形容し難い感情にさせる。

 hookの歌い方、最初聴いた時は「シュールだな」と思ったのですが、何度も聴いているうちに、むしろこの歌い方のせいでリリックが沁みてくる…。

いつまででもいたいよ
その次元でもそばに
だけど君はもうそこにいないかも♪
いないかも

PUNPEE - Operation : Multiverse of Love

3位 hirihiri & Yaca - power! (2020)

 2020年12月22日リリース。気鋭のプロデューサー・hirihiriと、バーチャルラップアーティスト・ワニのヤカによる楽曲。

 まだきちんとはハマれてないけど、2022年はHyperpopの片鱗に触れた年だった。PAS TASTA『sunameri smoke』、ウ山あまね『セロテープデート』、Only U『Hyperpop Star (Remix) feat. hirihiri』、100 gecs『money machine』(← 夜中にスピーカーで流してたら最後の音割れ爆音ベースのところで同居人に叱られた) など。Hyperpop、興味はあるけどまだ全然知らないので、来年はもっとDigりたい。
 そんな中で一番最初にハマったのがこの『power!』です。

 yacaのラップとhirihiriのビートでバキバキになれます。
 とにかく鼓膜が破れんばかりの大音量で流すのが、この曲の聴き方の正解です。脳が溶ける、溶ける。脳と一緒に日頃のストレスや鬱憤も溶けます。ぜひお試しあれ。

2位 yanagamiyuki - ミザリーai (feat. 可不) (2022)

 9月11日リリース。ひときわ異彩を放つボカロP・やながみゆきによる、ボーカロイド(正確にはCeVIO AI)・可不が歌うラップソング。

 私はピーナッツくんとの楽曲『未来NEXTメシ』でやながみゆきを知り、『My Name Is』を聴いて、まずその奇抜さに驚きました。しかし彼には”ボカロにHIPHOPを歌わせる意外性”と言う表層の部分に留まらない、底の知れない作家性がありました。

 2022年と言う年は、芸術分野において我々人間がAIに脅かされそうだった一年、と言えるかも知れません。話題を呼びに呼んだMidjourneyを始めとして、この一年間だけでもAIの画像生成は目覚ましい進化を遂げ、戦々恐々としていた人類の皆様も多くいたことでしょう。
 そんな中で、yanagamiyukiの”AIと人間”をテーマにした作品群、EP『私たちは生命への冒涜でしたか』、楽曲『おえかきジュモナー』、そしてこの『ミザリーai』などは、この問題について我々がある種の回答を捻りだすヒントになってくれるかも知れないし、少なくとも我々の思考をより発展させる触媒には、確実になってくれる、そんなパワーがあります。

 この曲は、”AIの登場を踏まえての人類の意味”とか、私たちの人生自体について歌っているのだと思います。音楽自体のクオリティの高さも然ることながら、歌詞が本当に、本当に凄い。「旧人類でごめん おれってもうここまで?」「先代が憑依している 生きた真似」

 「産んでごめんね本能で」僕は多分この歌詞を一生忘れない。人類の存在意義とか、芸術の意味とかについて考えを巡らせちゃうあなたに、ぜひ一聴して欲しい曲。

1位 ピーナッツくん - PetbottleRocket (2022)

 6月1日リリースの3rdアルバム『Walk Through the Stars』に収録。Vtuber界隈のみならず、HIPHOPシーンからも近頃注目を浴びつつあるVtuber兼ラッパー兼ゆるキャラのピーナッツくんによる楽曲。

 僕の2022年の音楽体験における筆頭アーティスト・MVPは、ピーナッツくんだったと言わざるを得ません。一昨年(2021年)の年末に『Tele倶楽部』(2ndアルバム)を聴いて、そこからピーナッツくんの音楽にハマり、計3枚のアルバムを聴きまくった一年でした。POP YOURSは見れなかったんだけど (2023年になってからYouTubeの再放送を見れました)、ライブツアーのファイナルはきちんとチケットを買って観ることが出来ました。

 その中でもこの曲は、今年出た曲の中では間違いなく一番のお気に入り。nerdwitchkomugichanの無限の広がりを感じさせるようなトラックに、ピーナッツくんのメロディアスなフロウと、彼のこれまでとこれからを感じさせるようなリリック。3rdアルバムの中でも最必聴の大名曲だと思います。
 2023年のピーナッツくんの活躍も楽しみです!


 ということで、今年のランキングは以上です!
 2023年も沢山の良い音楽との出会いが楽しみですね!

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