カテゴリー


人は自分以外のものをカテゴリー分けする

家族 兄弟 恋人 友達 クラスメート 同僚 ご近所さん 知り合い…

そんな貴女もカテゴリー分けが大好きね
「恋人」というトロフィーをみんなに見せては喜ぶ

私はといえばそんなことはどうでもいい

そんなカテゴリー分けしない私を
貴方は好きだと言ってくれた

貴方と私が過ごした日々は
とても言葉では言い表せなくて
私たちだけしか知らない秘密の場所は
まだ秘密のまま

そして、貴方は私を繋ぎ止める

普段はカテゴリー分けしない私たち
私のことが「心配だから」と
この時ばかりは必死になって私を
「友達」というカテゴリーで繋ぎ止めたがった
でも、それだけではないことは
お互いに知っているから
私は「それでいいよ」と言う
そして、貴方はその社交辞令を記録する

本当は
私はどこかへ行ってしまってもいいのだけれど
泣き虫な貴方の事をよく知っているから
まだ貴方のそばにいる

本当は
私は遠くまできてしまったのだけれど
その前に貴方が私のために泣いてくれたから
まだ「側にいるよ」と言ってあげる

貴方と私の関係は
これからもずっと変わらない
そのことを私たちはよく知っているから
この瞬間は「そのカテゴリーでいいよ」と記録してあげる

私たちの間には境目がない
ただ、私たちと外の世界にはそれがある
私たちはそれを十分知っているから
そんな貴方に出会えて幸せ

そんなことは貴女は知ることもなく
また今日もトロフィーを掲げて踊る


蠍凛子





「表現・創造すること」は人間に与えられた一番の癒しだと思っています。「詩」は、私の広い世界の中のほんの一部分です。人生には限りがある。是非あなたの形で表現してみてください。新しい世界に出会えます。