見出し画像

ほんのわずかな山行記録 7

日本3大峠の1つ雁坂峠

山の中で過ごす

谷川主脈縦走で山ン中で過ごす心地よさと縦走のハンパない達成感を知った私は、すぐに次の縦走計画を練り始めた。

当然、八ヶ岳やアルプスはまだ先の話し、という前提なのでおのずと目的地は絞られる。はじめは谷川連峰のもうひとつの縦走路である馬蹄形縦走を考えた。
白毛門から朝日岳を経て清水峠、蓬峠、武能岳、茂倉岳、一ノ倉岳、谷川岳、天神平に至る反時計回りのルートだ。ほぼ決めていろいろ調べてみたものの、どうやらテントを持っていないとリスクが高いということが分かってきた。いくつか避難小屋が存在するもののキャパシティや衛生状態を考えると避難小屋を利用できない場合を考える必要がある(当時の情報による)。
じゃ、いずれテント泊に向かうのだからここで購入するか、とも思ったがテント泊デビューが谷川の馬蹄形というのはちょっとレベルが高すぎやしないか?ということで思いとどまった。

ではどこにするか。次に目を付けたのが奥秩父でした。
奥秩父といっても有名な山だけでもいくつかあるんだけど、迷わず甲武信ヶ岳を選択。というのも、その当時よく参考にしていたサイトがあって、そこにしょっちゅう甲武信が出てくるんです。そのサイトの管理人の方は甲武信の直下にある甲武信小屋と古いお付き合いのようで、小屋番さんの話しや常連さんとのやり取り、またご自身の経験に基づいた登山に関するさまざまな情報、うんちく等が充実していて、とてもおもしろくて参考になるのでしょっちゅう見ていたのです。そんなわけで甲武信には興味があったし親近感もあったので奥秩父=甲武信となったのでした。

じゃ、どう行くか。代表的なルートは2カ所の起点からなるルート、と言っていいのかな。その起点とは毛木平と西沢渓谷(三富)なのですが、大弛峠からのピストンもアリだと思います。この時は当初、毛木平からのルートを検討しました。ルートとしてはまったく問題ないんだけど、起点である毛木平が我が家からかなり遠いということがネックだった。前夜に毛木平まで行って前泊、という発想がなかった当時は早朝出発を前提としていたので、ちょっと毛木平は遠いな、と。起点を西沢渓谷とした場合、近丸新道と徳ちゃん新道のいずれか(=いずれも戸渡尾根)を使ったピストンが一般的ですが、縦走にこだわる私は雁坂峠を経由する周回ルートを選択しました。

次に時計回り(戸渡尾根側)か反時計回り(雁坂峠側)かなんだけど、問題はヒザの具合だ。
おそらく下りでまた膝が痛みだすだろうから、なるべく膝にやさしい下りがよろしい。ということは等高線の間隔や地形からして雁坂峠側を下りにすべきかと考えたのですが、ここで「緩い勾配で距離が長い」方がよいのか「急な勾配で距離が短い」方がよいのか迷った。

まぁ、急だろうが緩かろうがソロ~っと下りなきゃいけないことは明らかなわけで、だとしたら急勾配でも距離が短いほうがよいのではないだろうか。

また、宿泊する破風山避難小屋の位置も重要だ。見てみると行程の真ん中よりも少し甲武信ヶ岳寄りの立地になっている。時計回りだと2日目の距離が長くなり、ほとんどが樹林帯の道を下るだけになってしまう(ほとんどが樹林帯というのは戸渡尾根も同じ)。

という訳で、ヒザと避難小屋の位置を考慮して反時計回りに決定したのでした。

快晴となり稜線に陽が当たり始める

10日前に大倉尾根ピストンで慣らしを行い、2011年11月21日に入山。
晩秋というよりは初冬の奥秩父。かなりの冷え込みが予想されるので防寒対策にダウンパンツとダウンブーツ(室内履き)、厚手のインナーなど下界なら冬でも汗だくになるような装備を追加し重量も1キロちょっと増加。緩やかな林道、沢沿いの登山道をゆっくりと進みます。

しばらく進むと勾配がきつくなり一気に標高を稼ぐ。
だんだん見晴らしがよくなってきた。


今回も気持ちの良い縦走が期待できそうだ(甘いなw)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?