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Alt_Mediumの2023年10月のお知らせ

どうも〜
はい!10月です!涼しいっていいですね!
でも視界に入る蚊が心なしか例年より大きい気がしています。
怖いです。

ということで、Alt_Mediumの10月のお知らせです!


東京・高田馬場にあるギャラリー、Alt_Mediumで10月に開催される展覧会は下記の通りです。
※情報は掲載当時のものです。最新情報は各リンクをご確認ください。

●●●●10月開催される展覧会●●●●

2023年10月6日(金)~18日(水)※木曜日休廊
内山真衣子 個展「産土 Ubusuna」

2023年10月6日(金)~18日(水)※木曜日休廊
内山真衣子 個展 「産土 Ubusuna」

〔展覧会概要〕
産土 Ubusuna
この作品は、2014年から2018年まで、わたしの生まれ故郷と各地の果樹園を追いかけた記録である。

わたしは埼玉県郊外の白岡市で生まれ育った。親戚が農業を営み梨園を保有していた。4月から5月にかけて受粉作業や実すぐりを時々手伝った。収穫の季節はいつも夏休みと重なっていて、出荷用の箱を祖母や伯父といっしょに組み立てた記憶がある。

海外に拠点を移し日本を離れていた時期もあったが、2013年に帰国。
日本に戻り最初に撮影をしたのがこの梨園だった。当たり前だった風景がなぜか違ってみえた。果樹が、実がなる樹という存在が、とても神秘的に見えた。

それから日本各地の果樹園に足を運び撮影を続けた。
青森では、りんご農家の主人に、息子が交通事故で亡くなり後継者不在という話を聞いた。瀬戸内海の小さな島で余命半年の高齢男性に出会った。妻に先立たれ自分も癌を患いながら蜜柑を育てていた。この作品を発表するには時間がかかり過ぎた。彼はもうこの世にはいないだろう。

白岡の梨園も2018年に終に閉めることになった。
伐採の当日、目の前で変わってゆく光景にシャッターを切り続けた。樹木を失った土壌はどんどん乾いていく。幹から切り落とされた枝はまだしっかりしているように見えたので、無造作に20本ほど持ち帰り浴槽に水を溜めて枝を浸した。
すると1ヶ月後に蕾がふくらみ始め、季節外れの3月に白い花が咲いた。

わたしは急いで枝を抱えて暗室に入り、最期の花が朽ちゆく瞬間を印画紙に焼き付けた。

〔作家プロフィール〕
内山真衣子 / Maiko Uchiyama
埼玉県白岡市生まれ。一橋大学経済学部卒業。
2006年中央美術学院(中国北京)留学。
2008年同大学写真学科普通進修生修了。
2022年3月京都芸術大学芸術学科(通信制/文芸)修了。
さいたま市在住。

〔展覧会詳細〕
https://altmedium.jp/post/722899293222191104/


2023年10月27日(金)~11月8日(水)※木曜日休廊
菅泉亜沙子 写真展「光芒の兆し」

菅泉亜沙子 写真展「光芒の兆し」
2023年10月27日(金)~11月8日(水)※木曜日休廊

〔展覧会概要〕
菅泉亜沙子は東京を拠点に活動する写真家です。
本展覧会は2018年以降、Alt_Mediumにおける3回目の個展となります。

菅泉の写真群は特定の被写体や撮影地に捉われることなく、自らに縁を持たない土地を歩き続けることによって生み出されています。
しかし同時に、いくら遠く見知らぬ場所へ移動したとしても自身が既に属している社会規範から逃れらないこともまた、菅泉は作品を語る際には強調しています。

それでもなお、撮影したものたちが、制作を通じて像として浮き上がった時、既知の世界を超えて、新たな視座を拓く兆しとなるような感覚を受けることがあると菅泉は述べています。

地道な歩みが持つ力強さと、瞬く光をとらえる繊細さを併せ持つゼラチンシルバープリントをぜひご高覧ください。

− Alt_Medium

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撮影地はなるべく普段の生活から縁遠い場所を選ぶ。知らないところへ行くことは自身を取り囲む社会にとらわれることを回避し、自らが知覚する世界を客観的に見つめかえすためだ。

 今ここにある光景はいつから存在していたのだろうか。私が立ち去った後も誰かの目に留まり、そこにあり続けるのだろうか。しかし、太陽が動けば影のかたちは変わり、何者かによって、あるいは風とともににその場所から去るものもあるだろう。私はその一瞬の光景をフィルムに写し止め、印画紙に焼き付け、じっくりと見返す。モノクロームの画像には陽の光に照らされた被写体のかたちが顕となっている。

 いくら遠く見知らぬ場所へ移動したとしても自身が社会規範から逃れらないことは理解している。
写されているものの正体をすでに認知しているものとして判断していることも自明である。
それにも関わらず、写真に現れた像が私の知覚していた世界を超越してくるときがある。
その体験は新たな視座を得るための兆しとなる。

− 菅泉亜沙子

〔作家プロフィール〕
菅泉亜沙子 / SUGAIZUMI Asako
1990年 宮城県生まれ
2013年 東京工芸大学芸術学部写真学科卒業

〔個展〕
2018「風が吹き、土に着く」(Alt_Medium / 東京)
2017「かつて、まなざしの先に」(Alt_Medium / 東京)

〔展覧会詳細〕
https://altmedium.jp/post/727329002900062208/


●●●9月に開催された展覧会アーカイブ●●●

鳴輪紗也加 個展「周縁の集積物」

2023年9月1日(金)~6日(水)

一葉+彩乃「ポップなパターン」

2023年9月8日(金)~13日(水)

金子佳代 個展「A VIEW BEYOND」

2023年9月15日(金)~27日(水)

●●●●取り扱い商品のご紹介●●●●

菅泉亜沙子『風が吹き、土に着く』

私が写真を撮るのは個人の私的な生活の記録のためではない。 また特定の撮影地や被写体を記録するわけでもない。 写されたものは無名の光景である。

(中略)

印画紙に焼き付け、物質化させ、他者に提示した瞬間、写真は単なるイメージではなく実在物となる。写真が実在物として他者の目に映る時、他者と自己を媒介させる開かれた場となり、私だけの眼差しを超え、新たな視点を得ることができる。 写真が自身から遠く切り離された時、私が望む写真の機能が発揮されると信じている。

− 菅泉 亜沙子

〔作家プロフィール〕
https://signandroom.stores.jp/news/6358c8c5f3de5c53e2570cce

著者:菅泉 亜沙子
翻訳:Julia Yermakov
発行:私家版
サイズ:198×198 mm
ページ数:48頁
言語 : 和・英2カ国語表記
発行年:2018年
状態:新品、ソフトカバー、日英

《書籍詳細》
https://signandroom.stores.jp/items/63575cbcc808a46dfff2854a


Alt_Mediumではスペース利用者を随時募集しています。
卒業制作の学外発表や、個展、グループ展などを計画されている方はどうぞこの機会にご検討ください。
展覧会開催ははじめてという方から、ベテランの方まで幅広い作家様にご利用頂いております。
展覧会についてご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。
※学割、リピーター割引もございます。

〔ギャラリー詳細〕
http://altmedium.jp/

***

【お問い合わせ】
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