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人はいくつになっても・・

 "note"で以前書いた記事(『その手の重み』)でも触れたうちの祖母ですが、最近は塗り絵に夢中になっています。
 その塗り絵ですが、ふと私がみたらこの半年間の間に明らかに上達しているようにみえたので、たまたま祖母が書いた同じ台紙の塗り絵があったので、下記の通り比較してみたのです。

※左図⇒前 右図⇒後
(前)以前に塗った左側はレモンは単色のみ使用。立体感もない。
(後)レモン本体の部分的な熟し具合によって色を使い分けてる。
   塗り方も形状に沿って立体的になり、リアルなものに近い色使いに。

※左図⇒前 右図⇒後
(前)やはり実と葉の部分の色づかいがそれぞれ単色のみ。
(後)実の部分の光の加減を意識している。
   実も葉の部分も二色以上の色を使い分けてる。

※左図⇒前 右図⇒後

素人目で見ても明らかに上手になっていますよね♪

祖母が今年の2月から今日までの半年間で仕上げた塗り絵ですがこんな感じです。(下図参照↓)

実は、上図の本を一通り仕上げた後、原紙の裏側を使ってネット上の無料塗り絵を印刷しているので、実際はこの倍、600~700枚くらい仕上げている計算になるんです・・・そりゃ上手くなりますよね(笑)

 祖母本人は、『1回目より上手く塗ろう』と意図して上手く書いたわけではなくて、同じ塗り絵を2回やったとは気づいてないのです。(※ただ単に買った塗り絵の台紙が安かったので2冊目を私が買って渡しただけ)

 しかし、2冊目の出来が明らかに上手になっていたのは、祖母がただ単に流れ作業的に絵を塗っているわけではなく、本人なりに『こうしたらきれいに描けるかな・・』という試行錯誤を1枚1枚描くにあたって努力していたということに他なりません。

 傍から見ていると、「他にやることがないからやっているのかな・・・」と思っていたのですが、とんでもありませんでした。これだけの数を本人なりに夢中になって、かつ実際に上手になっているわけですから、やはり本人なりにその試行錯誤の過程を楽しみ、上手になっていることに手ごたえと成長を感じているのは間違いないのでしょう。

 普段は謙虚な祖母が、毎日のように私に描いた塗り絵を『どうだい?』と見せてくるのはきっとそういう背景があるのだと思います。

 そんな祖母はもう96歳です。

 改めて人は”いくつになって成長できるんだ”

 そうした事実を実際に示してくれたように思います。
 

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