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くるりの25回転記念アンケート結果レポート

皆さまこんにちわ!

この度は私が勝手に行ったくるり25回転記念アンケート企画にご参加頂きありがとうございました!
当方木端アカウントゆえ、企画したところでランキングが出せるほどの票も集まらなかったらどうしようと不安でしたが、沢山の方にRTの協力を頂き1ヶ月と少しで376名もの方に回答をして頂くことが叶いました。おかげで本当に立派なアンケート結果の発表ができることとなり、嬉しい限りでございます。改めて御礼申し上げます。

さて、ツイッターの方でTOP3とグラフによる順位を発表させて頂きましたが、こちらのnoteでは2016年に岸田繁bot(@bot_kishida)さんが企画してくださったときの結果(をこれまた当時勝手に私がグラフにしたもの)との比較をまじえつつ、僭越ながら感想などを書かせて頂こうと思います。ちなみに2016年の企画の際は962名もの回答があったため統計として正確には比較対象にならないかもしれませんが、結構興味深い点もあります。よろしければお付き合いくださいませ。

1st『さよならストレンジャー』

くるりのデビュー曲にして代表曲、上京ソングとしても長く愛されている『東京』(30%)が安定の首位となりました。ですが1位に続く『虹』(21%)『ランチ』(18%)の得票率もなかなかのものです。
どの曲を眺めてもそれぞれにしっかりとした世界観があり、時代の匂いのようなものにも包まれているので今聴くと胸がキュッとなるようなノスタルジーを感じてしまうアルバムです。

ピンクは当時岸田さん本人の投票曲

2016年の結果では『東京』が46%もの得票率でダントツの1位となっていました。順位にあまり変化はありませんが、今回のアンケートでは『東京』以外にもそこそこ票が分散しているのを見るに、もしかしたら25回転公演のセットリストも影響しているのかな?なんて思っています。『東京』やらなかったの結構びっくりしましたね!

2nd『図鑑』

岸田さんいわく「バンドがすごい仲の悪かった時期」に制作されたとのことですが、私はそのヒリヒリ感も含めてこのアルバムの空気が大好きで、中学生の頃繰り返し聴いたアルバムの一つです。
音博の思い出も相まっているのでしょう、聴けばまぶたの裏に京都の景色が浮かぶ『宿はなし』(25%)が堂々首位となりました。熱唱したくなるほどドラマティックな『街』(15%)、春一番に吹かれたら絶対聴きたい『マーチ』(14%)も強い人気です。

2016年の結果と比較すると、少し票の偏り方が違います。今回「宿はなし」がダントツとなったのは、2年も遠のいてしまった京都梅小路公園に想いを馳せる気持ちが強くなったからでしょうか…恋しいですね。若干ではありますが『惑星づくり』が上位に食い込んでいるのも今回の結果の特徴かなと感じます。これもまた25回転公演の影響でしょうか。サックスが加わったアレンジめちゃくちゃかっこ良くて痺れましたね〜。

3rd『TEAM ROCK』

『図鑑』のゴリゴリバンドサウンドからエレクトロニカやテクノの要素が加わった本アルバムを制したのは、ご存知『ばらの花』(38%)でした。(綾鷹でしたみたいな言い方をしてしまった)打ち込みのキラキラと詩情的な歌詞と岸田さんの淡々としたボーカル(とフルカワミキさんのコーラス)で構成された楽曲としての完成度が高すぎて、初めて聴いたとき「なんで私が見たかった景色を知っているんだ」とわけわからないことを感じたのを覚えています。2位に続く「ワンダーフォーゲル」(17%)もキラキラしてますが、こちらはしんみりというよりライブで演奏されるとブチ上がる曲の代表ですね。

さて、2016年のアンケート結果と比較してみると、中間位に若干の入れ替わりはありつつも全体的な比率などはかなり近い結果となって、これはこれで面白いなと思いました。特にTOP3の比率が顕著で、2016年はばらの花(42%)・ワンダーフォーゲル(18%)・リバー(14%)の得票率。今回の2022年版はばらの花(38%)・ワンダーフォーゲル(17%)・リバー(13%)でした。アルバムとしての評価が確立されているって感じがします。

4th『THE WORLD IS MINE』

幅広い音楽スタイルを盛り込みながらも統一感がある、という今に至るまで続くくるりのアルバムの特性は本アルバムで一旦の完成の域に達したのではないか。なんて分かったような口を効いてしまっておりますがいかがでしょうか。
そんなアルバムを制したのはこちらも大ヒット曲『WORLD’S END SUPERNOVA』(32%)。改めてこんなにも切なくて泣きたい気持ちになるダンスミュージックが存在するってすごいなあと感じています。

2016年でも『WORLD’S END SUPERNOVA』は35%の得票率で首位でした。そして気になるのが今回の『水中モーター』の追い上げ。2016年の10%の得票率から、今回は15%となり2位に躍り出ています。学ランの妻夫木聡がピースしてるジャケットでお馴染みのショートフィルム『Jam Films』のオープニング曲であり、長らく人気の高かった楽曲の一つではあると思うのですが、こちらもやはり25回転記念の演奏の影響でしょうか。もしくはコロナ禍によって人々の「踊りたい欲」みたいなものが膨らんでいるのでしょうか。仮説中の仮説でございました。

話は逸れますが『Jam Films』面白かったですよね。あまり有名ではありませんが『Grasshoppa!』というショートフィルムマガジンも同じ頃にリリースされていて、両作とも短編集ゆえのどこか狂気じみている雰囲気があり、多感な(言い換えれば自意識旺盛な)中学生だった私は夢中になって何度も繰り返し観たものです。ショートフィルムブームの時期だったんですかね。皆さんは『Jam Films』どの作品がお好きでしたか? 私は岩井俊二監督の『ARITA』ですかね〜。
余談でした。

5th『アンテナ』

もちろんくるりには名盤「しかない」んですが、その中でもちょっと特殊な熱量を持って語られることが多い名盤の一つが本アルバムだと思います。岸田さんいわく「クリストファーのアルバム」と言われているこの濃密なアルバムを制したのはこれまたご存知『ロックンロール』(39%)。今回のアンケートでもトップクラスの得票率です。そして「Here we go Rock’n Roll!」の掛け声で始まりながらスローで重低音がずっしりくる「How To Go」も人気ですね。

2016年の結果を見てみると、THE WORLD IS MINEと同じくランキングに大きな変化はないようです。特筆するとしたら、最近のライブで「松本タイム(サポートギタリスト松本大樹さんのギターソロ)」含め、回数を重ねるごとにかっこ良くなっている『Morning Paper』がちょっぴり得票率を上げているように見えるところでしょうか。2016年は9%の得票率でしたが、今回は12%です。まあ、本当にちょっとですね(笑)。しかしライブ演奏が本当にかっこいいのは確かです。

6th『NIKKI』

UKロックをベースに、全体的に楽しそうな雰囲気に包まれているアルバムだと思っています。そしてランキングの制したのはなんと2曲! 『Baby I Love You』と『Birthday』が同率(18%)首位となりました。続く『赤い電車』(14%)、『Superstar』(13%)も決して劣らない代表曲ですが、穏やかで豊かなハーモニーの2曲が首位に並んだのは象徴的かなあと感じています。

なんと2016年では『赤い電車』(19%)が首位だったんですね。ですがTOP4のメンツはさすが変わりません。中間位で気になるのは『Tonigth Is The Night』が今回の結果で頭ひとつ抜けているところでしょうか。2016年は7%の得票率が、10%に上がりました。おそらくなんですが、2019年の列島Zeepェリンで披露されたときリスナーの皆さんが大変湧いていたと記憶しており(私は当時行けなかったため配信と列島ライブDVDで見て湧きました)、そこで「好き」を改めて呼び起こされた方が一定数いるのではないかなと思っています。どうでしょうか。

7th『ワルツを踊れ Tanz Walzer』

クラシック音楽の影響とストリングスアレンジで完成された「最高傑作」とも呼び声高いアルバム。新しいステージを見つめる壮大なバラードの『ジュビリー』(19%)、柔らかくて優しい歌詞に包まれる『言葉はさんかく こころは四角』(12%)を抑え首位となったのは『ブレーメン』(28%)でした。「ロックとクラシックの融合」という次元を超えて、すべての音楽もはじめは一つだったと証明してみせた金字塔にして、本アルバムの象徴ですね。

2016年ではTOP3にもうちょっと得票率が偏っていましたが、それでもほとんど大きくは変わらない感じになっています。4位以降に続く『アナーキー・イン・ザ・ムジーク』と『ハム食べたい』も安定した人気があるように思えます。確か2016年のアンケートはギリ「NOW AND 弦」前だったので、もし後だったらまた変化があったのかな〜なんて想像しちゃいます。

8th『魂のゆくえ』

ジャケットが象徴するように、キュートなポップさと土の下をウゴウゴしているような少々の鬱屈が混ざり合っている感じがするアルバムです。首位となったのはキュートな『さよならリグレット』(26%)でしたが、『太陽のブルース』(13%)も上位に食い込んでいるのは、ここ数年さまざまな人々が「踏ん張りどころ」を強いられ続けている背景があるのかなと考えてしまうのは深読みでしょうか。いずれにしてもジャケットの虫ちゃんのように落ち込んでいる人に寄り添ってくれる曲が多いアルバムです。

2016年の結果と比較すると、首位が『さよならリグレット』なのは変わりませんが今回はちょっぴり得票率を上げています。前述した通り『太陽のブルース』も得票率が2016年の8%から13%に上がっているのが変化の一つかなと思っています。そういえば『太陽のブルース』は先日のギタージャンボリーで岸田さんが弾き語りしたそうですね! 聴きたかった〜。

9th『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』

サポートドラマーのboboさんを迎え、3ピース体制が基調となったアルバムです。素朴なモチーフの曲が多いもののしっかりと胸に迫る、そんな特徴を象徴するような『魔法のじゅうたん』(32%)が高い得票率で首位となりました。先日の25回転公演のセットリストにも含まれておりましたが、配信の際にTwitterで見かけたタグツイで「私が死んだら暗くならないように葬式で魔法のじゅうたんをかけたい」と仰っている方がいて、それはとても素敵だなと思ったのが記憶に残っています。サポートキーボードの野崎さんは葬式ソング(?)に『ロックンロール』を推していましたが、『魔法のじゅうたん』で送られるのも憧れますね。

2016年と順位こそあまり変化はありませんが、『魔法のじゅうたん』の得票率が2016年の27%から今回32%に上がっているため、25回転公演などで改めてグッと来た方が増えたのかなと思います。オシャレな健やかさが素敵な松任谷由実さんとのコラボ曲『シャツを洗えば』も変わらぬ支持率ですが、多くの日本人が感じているであろう「アメリカの呪縛」というデリケートなメッセージを扱った『さよならアメリカ』も、隠れた名曲として根強い人気です。

10th『坩堝の電圧』

吉田省念さん、ファンファンさん加入後の、くるり史上最多収録曲数・最長収録時間となったアルバムです。なおかつ「震災後の日本」という空気を内包しているのも特徴的ですね。首位となったのは『everybody feels the same』(34%)。列挙される都市名とともに推進力を増していく疾走感溢れるロック・チューンですが、こんにちのような世界情勢の中では「平和」を祈る心が強く沸き起こる楽曲でもあります。25回転公演のとき岸田さんは羽生結弦くんのことを考えてたらしいですが。

2016年でも『everybody feels the same』が首位でしたが、得票率26%と今回とは比率が違います。『o.A.o』『glory days』『soma』も得票率に変動はありつつも順位は変わらず、人気の曲です。全19曲という激戦の中では致し方ないでしょうが、「歌モノ」でありながら今回は『argentina』が0票という結果に。いやいや、「1曲」に選べなかっただけで皆さんも『argentina』大好きですよね。カラオケで歌いたいですよね。艶かしく「雌しべと 雄しべが〜♪」ってネットリ歌いたいですよね!

11th『THE PIER』

まさにくるりは「旅をし続けるバンド」「進化し続けるバンド」と改めて思わせた刺激的な本アルバムを制したのは、逆説的なタイトルと等身大な歌詞で人気を誇る『Loveless』(25%)。僅差で2位となったのはありふれた日々や人生を強く肯定する『There is(always light)』(23%)でした。どちらも25回転のセットリストに含まれていましたね。

さて、2016年のアンケートと比較すると、トップ順位が大きく変動しております! 少し前までライブで演奏されることも多く、「変な曲」(変なPV)で話題をさらった『Liberty & Gravity』でしたが、今回は『Loveless』と『There is(always light)』に票を譲ることとなりました。これもやはり25回転公演だけでなく、時世と人々の心が反映された支持かもしれません。もっとこのアルバムを聴き込みたいと思える結果でした。

12th『ソングライン』

ここからは2016年以降のオリジナルアルバムとなるため比較はありません。
そして見てください、この立派なツインタワーを。『その線は水平線』(26%)『ソングライン』(26%)が綺麗に並んで同率首位となりました。様々な音楽の風景が盛り込まれながらも、アルバム全体を通して感じるのは疲弊した人々の肩をそっと叩くような、達観した頼もしさではないでしょうか。ここではないどこかに踏み出す人の背中を柔らかく押してくれる『その線は水平線』、ちょっぴりくたびれた働く大人にふっと深呼吸をさせてくれる『ソングライン』が票を占めるのも頷けます。25周年記念公演のアレンジ、沁みましたよね。
またアンケートは下位ではありますが、『どれくらいの』や『News』から「SNS時代のしんどさ」みたいなものが盛り込まれているのも本アルバムの特徴のような気がしますが、いかがでしょうか。

13th『天才の愛』

発表時からずっと思ってるんですけど、アルバムタイトルで「天才の愛」って言葉が思いつくって一体どういうことなんだと驚いて仕方がないわたくしです。「天才」も「愛」もそれぞれ最早擦り切れるほど使い古された言葉なのに、組み合わせることでこうも含みのある響きになるのかと。くるりの素晴らしい発明の数々はこういうことの繰り返しだったのかもしれません。さて、結果です。

自由奔放で色鮮やかなストレンジポップが咲き乱れる本アルバムを制したのは、今回のアンケートで最も高い得票率で首位となった『潮風のアリア』(41%)です。先行リリースされた『益荒男さん』『大阪万博』『コトコトことでん』や、アルバムリリース直後くるりファンに限らず野球ファンからも話題をさらった『野球』を抑えて高い支持を得たことに、この楽曲の奥深さ、器の大きさを感じざるを得ません。それでいてサウンドこそ「くるりらしさ」が溢れているのですが、この「一瞬サビがどこかわからない」というか「むしろ全編がサビ」と思うような壮大な構成に終始している楽曲って過去にもあまり多くないんじゃないかと思っているのですが、いかがでしょうか。いや、実は結構あるのかもしれませんが、あったとしても「こんな良い曲初めて聴いた」という気持ちにさせる新曲を25年にしてまだ生み出せることが、本当に「すごいぞ、くるり」だと感じています。
続く『I Love You』『野球』『益荒男さん』も納得の順位なのですが、その後にちゃっかり『ぷしゅ』が続いているのがいいですね。くるりから外せない「アルコール成分」。お酒片手にご機嫌でいらっしゃる「酔っ払いリスナー」層が垣間見えて心強いです。飲みましょう飲みましょう。

最後に

以上、「くるりの25回転」記念(勝手に)企画、「各オリジナルアルバムから“今“のあなたが好きな1曲」を選ぶアンケートの結果レポートでございました。アンケートにご協力頂いただけでなく、ここまでお付き合いくださったくるりファンの皆さま、本当にありがとうございます。企画や集計を応援してくださった方もいましたが、本当にGoogleフォームって優秀ですし、noteの記事の作りやすさもすごいもので、本人は本当に楽しく作業させて頂いておりました。
レポートの内容は素人の個人的な感想ですので、解釈違いや知識不足、「この曲に触れろや」などツッコミどころが満載だったと思います。是非このレポートをまさに「たたき台」として、ああでもないこうでもないとくるり談義に花を咲かせて頂けましたら、企画者冥利に尽きるというものであります。
改めまして、くるり結成25周年おめでとうございます。これからも元気に応援し続けたいと思っておりますので、くるりのメンバーの皆さまも、ファンの皆さまも、どうか健やかに過ごせますように。
ありがとうございました。



最後のどうでいいオマケとして私の投票曲を載せようと思ってたのにメモ失くした…後日こっそり追記するかもしれませんが特に気にしなくて大丈夫です。締まらなくってすみません。

【オマケ】自分の投票曲のメモ出てきました
虹(2位)
マーチ(3位)
カレーの歌(5位)
WORLD'S END SUPERNOVA(1位)
Morning Paper(4位)
冬の亡霊(9位)
ハム食べたい(5位)
三日月(4位)
魔法のじゅうたん(1位)
white out(heaby metal)(7位)
Remember me(4位)
どれくらいの(11位)
I Love You(2位)


BONO

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