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あご

先日、我が家の中学生の双子(女男の二卵性)が、新型コロナワクチンの1回目を接種した。その接種からの帰宅後、双子の女のほうが、こんなはなしをしてくれた。

クリニックの中で名前を呼ばれんのを待ってたときな、おじいさんが中に入ってきてん。病院の人がおじいさんにな、「検温器におでこ近づけて体温はかってください」って言ってん。そしたらな、そのおじいさんな、検温器にあごくっつけてん!

そう言って、ウキャウヒャと奇声を発しながら、エンドレスな思い出し笑いをはじめた。私も笑った。そして「あご」にちなんで、別のことを思い出した。


双子の2つ上の長女がまだ小さかったころ、たぶん5歳くらいのことだったと思う。私は長女にピザのひっかけ問題を出した。

「ビザピザピザと10回言って、はい、ここ(肘を指しながら)何ですか?」

「ピザ」に引っ張られて、肘なのに「ひざ」と間違えてしまう人がたまにいるのだ。長女もこのパターンでひっかかることを期待していたのだが、長女の答えは私の予想をはるかに超えていた。

「あごっ!」


長女は、自信満々にそう答えた。

「なんであごやねん!」
そうつっこんで、数年ぶりの大笑いをした。

「なあ、ここ(肘を指しながら)ってひじちゃうん?」
「えっ、そうなん?あごちゃうの?」
「何をゆうてんねん、じゃあ、ここ(あごを指しながら)何?」
「えっ、うーん、くび?」

長女は「ピザ」には全然ひっかかっていなかった。その点では、仕込まれた落とし穴を見事に回避していたのではあるが、いかんせん肘をあごと思い込んでいたのだ。

あほやなあ。


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