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国産シューゲイザー Luby Sparks

今こそ聞くべき音楽ジャンル「シューゲイザー」

新型コロナウイルスの影響によって、我々のライフスタイルは変化を余儀なくされた。学生から社会人まで多くの方が「お家時間」の増加に伴い、自宅で課題や業務に取り組む機会が増えたのではないだろうか。しかし、家での作業はどうも集中できない。そんな問題を解決してくれる一つとして、作業用BGMがある。お気に入りのラジオやサントラ、癒し系BGMなど選択肢は多い。その選択肢の一つに”シューゲイザー”という音楽ジャンルを提示したい。口で説明するのは難しいが、浮遊感のあるサウンドと囁くようなボーカル、朧げな雰囲気が印象。80年代後期から生まれ、英を中心に発展した音楽で、代表的なアーティストにマイブラ、コクトーツインズなどが挙げられる。コロナ禍で様々なシューゲイザーを聴いた私がおすすめするのが、「Luby Sparks」というバンドだ。

Luby Spaakとは

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2016年に現役大学生5人組で結成された。このバンドはパンクやオルタナのUKバンド、80~90年代の洋画などのカルチャーに影響受けている国産のバンド。それは音楽性だけでなく、ファッション、ミュージックビデオでも表現されている。また、曲のリリース媒体にも80年代の影響を感じさせる特徴があり、サブスクが主流となっていて、CDでさえもなかなか売れないと言われている中、彼らはカセットテープやアナログ盤でアルバムやシングルをリリースしている。近年はレコードが見直されていて一部の界隈では人気が再燃してはいるものの、当然メインストリームには逆行している。

今回は、楽曲制作とボーカル担当のNatsuki Kato(写真 右から3番目)、ボーカルのErika(左から2番目)を掘り下げ、バンドのルーツや特徴を探っていきたい。

特に影響を受けたアルバムについて。

Natsuki Kato:ジーザス&メリーチェイン「Darklands」

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80年代のUKバンドで、1st Album「Psycocandy」で、轟音ノイズと甘いメロディーという当時は革命的な組み合わせで、ノイズポップというジャンルの先駆者となった。この「Darklands」というアルバムは、轟音ノイズに頼らない曲作りも評価され、彼らの強みがそこだけでないということを示した。このアルバムをチョイスしているあたり、Luby Sparksがノイズポップだけでなく、多様なジャンルの音楽を制作している姿勢にも精通していると感じた。また、アルバムのアートワークやビジュアル面の評価も高く、そういった面も彼らに影響を与えているのは間違えない。

Erika:マイ・ブラッディ・バレンタイン「Loveless」

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UK産シューゲイザーバンドの王道にして、頂点のバンドとして名高いマイ・ブラッディ・バレンタイン(以下マイブラ)。特にこのアルバム「Loveless」はシューゲイザーを聴くにあたって絶対に外せない。聴いているとあまりの心地よさで異次元にイってしまう麻薬のような魅力があるとも表現されている。ノイズから歌詞まで、これは全てのシューゲイザーバンドに影響を与えたと言っても過言ではない。

おすすめの曲、アルバム

「Somewhere」

是非ともMVもチェックして欲しい作品。これぞ、Luby Sparksの完成形といった雰囲気全開のミュージックビデオに、ボーカルのErikaの甘く、妖艶な声がマッチしている。また、伝説的バンドであるコクトーツインズのメンバーである、ロビン・ガスリーがこのRemixを行っており、全く違う楽しみ方ができるだろう。


「Hateful Summer」

1stAlbum 「Luby Sparks」の中の一曲。イントロのノイジーなサウンドと爽快感あふれるメロディーが癖になる一曲。アルバムの中でもかなりポップスに近い。ツインボーカルのハモリも心地の良く、耳触りの良い一曲。


1stAlbum 「Luby Sparks」

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全11曲。「Intro」から始まるこのアルバムは、中盤までポップな雰囲気のある曲、スピード感のある曲で構成され、「Life Of Misery」から終わりに向かっていく。最後の「Before You Drive」を聴き終わると、まるで一つの長編映画を見終えたような感覚に陥る。コンセプトアルバムに近い構成なので是非とも最初から通しで聞いて欲しい。

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