見出し画像

人は出会った人間の数の集合体である#Spreadyコラムリレー

こんにちは。はじめまして、三木と申します。

■自己紹介

今まで、様々な企業や団体を、社員として2社、それ以外については業務委託で人事や経営の側面からサポートする仕事をしてきました。

今回は、Spreadyという素晴らしいサービスを運営する柳川さんと、マリノさんにお声がけいただき、「企業と個人の関係性」「雇用/採用の在り方」について書いてみたいと思います。
※是非動画でも創業者のお二人の熱い想いをご確認ください。

かっこいいプロフェッショナルはみんな、「プロジェクト」という言葉を使って、「ご縁」で仕事をしている

柳川さんからこのプロジェクトのお話を聞いた時に、ふと頭をよぎったのはこんなことでした。
その辺りの話をするのが面白いかなと思って、今回お話をお受けしました。

私が最近めっきりハマっているのがNetflixなわけですが、その中でも最近のお気に入りのシリーズの一つがこちら。

料理人の情熱大陸みたいな番組。
社会に出て、一番初めに遭遇したプロフェショナル、それが私にとっては料理人だったので、非常に興味深く見ています。
オススメの回は色々あるのですが、私が大好きなシェフがこの方。

フランシス・マルマン

「フエゴ」とはスペイン語で「火」を意味する。その名の通り、ここでは鉄板や薪を使った豪快な炎の料理を供する。畑の真ん中にガラス張りのレストランがあり、360度開けたブドウ畑を眺めながら、料理人たちが焼き上げる肉や魚を食らうのだ。

30年以上前からパタゴニアを拠点に活動している、世界的に有名なスターシェフです。めちゃくちゃ破天荒な人で、元々は音楽に憧れて、学校を退学したのに、バンドやるために入ったバイトの仕事が楽しくなって、気がついたら今の仕事をはじめて、今でも週に4−5日世界各地に仕事をしに飛行機で飛びまわっていて、現在のこの地位を築いたという人。

人生何があるかわかりませんね。

彼がこの番組の中で語る話が秀逸でして、これからのプロフェショナルな働き方のメルクマールになるのではないかと感じたのでした。

はい、カッコいい。

彼は季節ととも一緒に場所を移動をしていきながら、同じチームで居続けないことをよしとします。新鮮さが重要だと。

座っていないで、オフィスから抜け出しー、外に出ろ


たくさんの料理を野外で作るようなことがあるときは、”周りにいて助けてくれる人”という意味の”マエストランサ”と呼ばれる放浪のシェフたちと一緒にチームを組み仕事に当たるんだと。

長年かけてチームを作り、お互いの夢まで知った仲になる。我々のチームは常に動いている。今日はここで料理をし、来週はニューヨークの通りで料理する。我々はエネルギーとともに動く。それに惹かれる人もいる。私は経験のあるシェフを雇いたくない。私の店で雇うのは料理経験のない若者だけ。いちから教える。10人のシェフの中から一人のリーダーが生まれる。そういうやり方が気に入ってる。

チームで働くのが好きだ。いいメンバーを集めたい。仕事は大変だから陽気な雰囲気も必要なんだ。

季節や、やりたいことに合わせてチームを変え、作っていくんですね。

で、こうも言っています。

常に変化が必要だ。

一緒に働く仲間とは最高の時に離れないといけない。

お互いが幸せを感じ、最高の仕事がしていると感じている時が別れ時なんだ。それ以上続けてもあとはくだり坂だ。
長くいると考え始める。
「ここは居心地がいい、給料も仕事もいい」
あとは退屈になるだけ。
その人は前に進み、チームには別の仲間が入る。エネルギーやパワーが入れ替わると大変なこともある。だが新人もいずれ成長し慣れていく。

成長に必要なのは不確実な場所にいることだ

これから来るのはこういう世界観なのではないかなと思っています。

一方で和食の料理人の世界は驚くほど狭いです。人と人、組織と組織の距離がです。

あの人が私の師匠で、兄貴はあそこに居て、面倒見ていた若手が今度どこそこへ移動したという話は日常茶飯事。

そして、和食と洋食(フレンチ・イタリアン)でその距離には微妙な差があります。

欧米のレストランはビジネス同様、しっかりとしたジョブディスクリプションが決めれられていて、前菜、魚、肉、ソース、デザートとポジションが決まっていて、それぞれにスペシャリストを配置します。
なので、スターシェフが誕生し、またその人の弟子的な感じでお店を出す人がたくさんいるわけなのです。あくまで弟子。(というイメージ)

※注 このレストランは行ってみたいだけです。

和食の世界ではもう少し役割分担が緩やかな印象です。もちろん経験年数や技術によって階層はあるのですが、個というよりは組織な感じがします。

やれる仕事とやれない仕事はもちろんあるのですが、年配者や腕の立つ人が後輩や年少者に指導をするというのは当たり前の世界です。

料理長のことを「親方」や「親父」というように、一番初めに入った調理場の料理長をそういつまでもそう呼ぶわけです。


和食の世界で独立するときは、もちろん師弟関係はあるものの、どちらかというと、暖簾分け、免許皆伝を与えられてあくまで同格でお店を切り盛りしていくというのが独立した料理人のあり方のように見て取れました。

なだ万、吉兆、菊乃井、つる家、瓢亭、名だたる料亭の卒業者から派生した色んな派閥があるような感じです。

※一緒にお仕事したことがある由緒正しい料亭様

ここで、面白いのが人の動き方なのです。

例えばフレンチの料理人を探しているときに、有名なスターシェフの知り合いというような人にはたくさん出会うのですが、腕が確かかどうかのリファレンスは元のシェフまで辿らないとわからないケースが多いです。
本当に「個」のプロフェッショナリティが重要になります。

あのシェフの元で働きたいという人が集まるイメージ


ただ、和食の場合はもう少し人と人との関係が濃いために、少し確認すればその人がどんな仕事ぶりの人間で、どこが源流のどの辺りの仕事が出来る人間かがわかるようになっています。

とんでもない料理長クラスは、一人で動くのではなくて、自分で作ったチームごと動くか、もしくはもともと世話になっていた先輩の元に数名の若手を引き連れて、新しいプロジェクトに携わりにいくというわけです。みんなで面白いプロジェクトをシェアしていくようなイメージです。

そう、一人ではなくてチームで動くのです
(これはこちらにも書きましたので、サッカーの世界でも同様。)
またこの仕組みのすごいのが、少しの間でも一度仕事をしたことがあれば、その人の仲間というか、縁のあった人間ということになるので、地域や仕事の難易度などでみんな伝手(つて)をつたって、コミュニケーションを取り、また新しいチームを作っていったりしていきます。

こういう在り方がこれから一般的なビジネスの世界でも発生するのではないかと思うのです。

ものすごく濃い関わりのある人同士のコミュニティだけではなく、少し関わったことのあるような緩やかな関係性、緩やかに管理されている大きなグループから、濃くなっていくというようなグラデーションが生まれるのではないかと思うのです。

こうやって「強い」つながりと「弱い」つながりがあると、そこに介在している紹介者(つまりスプレッダー)がいる。
そして、ここで重要なのは仕事の出来た出来ないではなくて、一緒に働きたいか働きたくないかという人物面の要素が非常に強くなるわけです。
一度関わった人間はなにかない限り、最後の最後まで面倒を見るという、
「義理」と「人情」がそこにはあります。
絶対に裏切らないという結束をとても大切にするわけです。

で、今回何が言いたいのかというと

もちろん、自分自身のスキルを高めることはとても重要だけれど、今目の前の人間関係を大切にしていれば、それがどこかで新しい縁やつながりが生まれる可能性が出てくるということです。洋食的な在り方も、和食的な在り方も双方あるなーと思うので、どちらの世界観が自分に合うのかという選び方でもいいのではないかなと。

人事っぽい話をすると社会ネットワーク理論みたいな話で、帯域幅を広げるようなコミュニケーションが重要だというのが最先端の話だったりするものの、私はいま目の前の人間関係を大切にすることが未来につながるんじゃないのかなーと感じています。

今までの人生を振り返っても、そこには尊敬できる先輩や同僚がいて、その人達と切磋琢磨しながら、毎日コツコツやってきたことが、10年後、15年後今になってすごく活きてきたりする。人生って面白いなと思うわけです。

人と組織の新しい繋がり方を作り出し、「日本の労働力の流動性を高め、労働人口の減少という社会課題に向き合うこと」と、それから「多くの人が自分の"やりたい"に出会い続ける社会を作ること」を目指しています。

個に張るにしても、組織に張るにしても、それは未来に投資をすることなのだと思うのです。そして、それを自分の意志だけで切り開いていくのってすごくパワーがいることで、そうやって生きていける人たちってそんなに多くなくて、きっとみんなどうしたらいいんだろうと、誰か頼れないかな?そう思うんだと思うんです。素敵な上司や環境に巡り会える人たちというのはきっと運がいい人たちなんだと思うので。そうやって「あたり」のつけられない人たちにとっての新しい出会いを提供する場が必要なんだと思うのです。

Spreadyについて

自分の「やりたい」の選択肢が増える世界はとても優しいし、そういう世界を作りたいし、応援したい!
というわけで、これからのコラムリレーも、お楽しみに!

マガジンはこちら

よろしければ本コラムを作成する際に生まれたボツネタもこちらに上げておきますので宜しければどうぞ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?