本当に欲しかったものは、もう

今どこで何をしてるんだろう。
別れてからも彼を思い出さなかった日はない。
夢にまで見る幸せな時間。

今でも考える。
どうしたら彼との未来を選べたのだろう。
大好きな彼の苗字を名乗る未来を選べたのだろう。

結婚するか?
そういった彼の覚悟に、焦りに答えられず、ただ想いが溢れて涙を流したあの車内の風景をまだ鮮明に覚えている。彼の言葉が、困った表情が、愛おしい目で私をみる悲しそうな、寂しそうな、彼を思い出さなかった日はないよ。

苦しくて、幸せなんて思えない彼の隣が大好きだった。
彼の嘘が好きだった。
彼の自由さが好きだった。
不器用な優しさが好きだった。

だけど、どうしても未来が見えなかった。
将来を共にしたいとは思えなかった。共にできるなんて思えなかった。
好きで好きでたまらなかったのに、それと同じくらいに彼を選びたくなかった。
自分が主役の人生を生きたかった。

こんなに離れた日々を過ごしているのに、愛おしくて愛おしくて何度も抱かれたいと、何度も触れたいと、可愛いと思ってもらいたいと思う、そんなよくある恋心がまだあの頃のまま何も変わってはくれない。

かわいい服を見つけた時、下着を買う時、可愛くメイクができた時、今でも彼を想う。彼に見せたいと思ってしまう。


もし、彼との未来を選べていたら。
そんなもうなんの意味の無い問いを、2年経った今日も考えながら。

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