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小説【ひなた書房より】ができるまで。

note創作大賞2022

この企画に応募するために小説を書く事にした私。

過去に小説とシナリオを1作ずつ書いた経緯はコチラ


ここから先は小説の出来るまでの紆余曲折を赤裸々に。

誰が興味あるねん!
という内容だけれども私自身が忘れない為にも備忘録に残しておきたい。

余談だが私は忘れっぽくて備忘録と忘備録どちらかいつも分からなくなる。
それすら覚えられないぐらい忘れっぽいのだ。
(忘備録は誤記だが今はどちらでもつかうらしい) 

ここからは小説のネタバレ満載なので…
先に小説を読んで戻っていただいても、紆余曲折を見た後に、興味があれば見に行っていただいても…「誰が興味あるねん」とページを閉じても… 

いや…せっかくなので見て行ってください。

小説【ひなた書房より】はコチラ



今回は過去の経験から、行き当たりばったりはやめようと、紙にあらすじと設定を書く所から始めた。


▼設定
優しすぎる不器用な男性が一生懸命生きる事で誰かの心を動かすような話

▼男性の仕事
レトロな建物がいいな
レトロといえば古本屋でしょ(安直)

▼一生懸命生きるとは?
人の為に人生を捧げるとしたら子どもかな?
気の強い女性が子どもを度々連れてくるのは?(唐突)


この辺りで設定を作る事をやめてしまった。
私はどうしても頭で考えるのが苦手で手を動かせば頭がついてくるタイプなのです。

だから…パソコンのパスワードとか1つも覚えられない。
「私の右手は覚えてるんだけどね」
これ私の迷言です。


物語は母親が子どもを美幸くんの家に連れてくるところから始まる。


▼この子は誰の子?


初めの設定は千晶と美幸くんの子どもだった。


▼優しすぎる美幸くんが子どもを育てない理由は?

初めの設定は美幸くんの父親が犯罪者だからだった。
父親は優しい人だったけれど、発作を起こした美幸くんを車に乗せている時に絡んで来た人を殺してしまった。
そのせいで美幸くんも後ろ指を刺されて生きてきた。
美幸くんは大切な娘を犯罪者の孫にしたくなくて父親になる事を拒んだ。

今思い出してもなかなかの設定。

書き進めていくうちに美幸くんに感情移入し過ぎたのと、流石にこの設定は苦しいと早々と設定を変更。

美幸くんを結花の親にしたり他人にしたりを繰り返して書き進めて行った。

結果的に美幸くんと結花の関係は、私の中である設定に行き着いたんだけど…その描写は書かない事にした。

物語の冒頭が、既にいなくなってしまった美幸くんについて語るシーンだった為、書きながら美幸くんにもろに感情移入して、なんなら好きになりすぎて(自分の書いた小説の登場人物をこんなに好きになるって普通なのかしら?) 

誰だ?美幸くんを辛い目にあわせるのは?
私だよ!を繰り返した。

そんなこんなで小説自体はかなりのスピードで仕上がったけれど、パズルのようにシーンを入れ替えたり途中で千晶と美幸くんを同級生という設定から、病院で偶然出会った2人に変えてみたりした。(迷走がすぎる)

病院で出会うシーンは結果的にボツとなったけれど結構好きだったので消さずに残しておく。
ちなみにこの時は結花の名前が優花だった。 
その前は千尋だった。
まさに迷走…


▼ボツ文章

屋上から見える街並みがちっぽけで、ここに立ってる自分なんて、もっとちっぽけに思えて、ふと良からぬことを考えてしまう。

どうしてこんなに誰でも簡単に登れてしまう高さのフェンスなんだろう。
古びた病院とはいえ流石に無防備すぎる。

ここを乗り越えたら自分はどうなるのだろう。
死にたいと思うのか、それとも生きたいと思うのか。
あたりを見渡し、誰もいないことを確認してフェンスに登った。
風が気持ち良くて暫く目を閉じていた。

「あの…ちょっと待ってください」
振り向くと今にも泣き出しそうな顔をした人がいた。
走ってきたのだろう、息を切らしている。
少しずつ近づいて来た彼は急に胸の辺りを押さえてゆっくりと蹲るようにして座り込んだ。
「ちょっと?なに?大丈夫?」
フェンスから飛び降りて彼のところに走った。
苦しそうに浅い呼吸を繰り返す彼の額にはうっすらと汗が浮かんでいる
「誰か呼ばないと」
周りを見渡しても誰もいない。
「急に走ったんで…ごめんなさい。もう大丈夫です」

「死ぬなら僕も付き合います。どうせ死ぬし」
突拍子もないことを言い出した。
「えっ?一緒に?」
引き止めてくれるもんだと思っていたら、この人は何を言い出すんだろう。
どうしよう…展開が早すぎる、今すぐにこの人と一緒に死ねる覚悟は全くない。

暫く苦しそうに屈んでいた彼は、そのまま崩れ落ちるようにして倒れた。
「ちょっと、一緒に死んでくれるんじゃないの?ねぇ勝手に死なないでよ」
死のうとしていたのは私の方だったんじゃないの?
どんどんと青ざめていく彼の顔を見て、あぁこの人は死ぬんだなと思うとすごく怖くなった。

「お兄ちゃん?良かった!」
優花が大きな声を出した。
「死んじゃうのかと思ったよ。ねぇママ」
「ママ?」
ベッドの上の彼と目が合った。
「良かったです。生きてて」
ニッコリと笑う彼の顔はとても優しかった。
「お兄ちゃん、お胸痛いの?」


千晶が度々酒の量が増える原因は?
そもそも何で彼氏を沢山つくるの?
金持ちと付き合う理由は?
全ては美幸くんの病が原因だったのだが、描くと生々しくなるので千晶についてはあまり描かなかった。
手術費稼ぐとか…書くとちょっと生々しい。

美幸くんに毎日安否確認してくる千晶。
ボツ文章の中にはそんな描写も。

▼ボツ文章

「死にそうな声で電話してくるからビックリしたわよ」
「言っとくけど僕電話してないからね」
そう言って美幸くんはラインのトーク履歴を見せた。
そこにはママからの着信やメッセージが毎日のように入っている。
「怖いよね。返信しないとブチ切れるし」
私にさえ連絡してこないママがあんなにも毎日、美幸くんに連絡していたことに驚いた。

いつか千晶目線でこの物語を書いてみたい気もする。

その後も迷走を繰り返しては、結花目線と千晶目線で書いてみたり…


結果的に殆どが初めに思いついた設定に戻ったので…何の時間だったんだろうという迷走期間だった。


ちなみにタイトルもかなり迷った。


▼タイトル候補

種はやがて花となり花は誰かの光となった 

優しい花

花のように光のように

きっと誰かの花になる

花と光

光の花

ひかりの花


最初の何なん?長いし恥ずかしい。



▼ラストの設定

この小説のラストは美幸くんが渡した絵本で終わっている。

noteだからできる事を。
と考えた時に挿絵を小説内に入れることを思いついた。

絵の上手な人に頼む選択肢もあったけれど結果的に自分で描くことにした。

小説と絵と絵本

3種類の冒険を詰め込んだ小説はこうやって完成した。

出来上がった作品を公開するのは毎度裸になるほど照れくさいので、酔った勢いでnoteにアップすると、応援してくれる人やコメントをくれる人が数名いた。

読んで感想をいただけた事で全裸から少し洋服を着た気分になった。

あれから数ヶ月。
やっぱり小説を書くのは楽しかったなぁ。
と思っている。

推しがいなければ小説なんて確実に書いていないのだから推しのパワー恐るべし!
この歳でまだ伸びしろがあるのかもと思える人生が待っているとは思わなかった。

時間が許すのならば今度は、以前書いたシナリオを小説に直したい。

シナリオに出てきた不器用すぎる2人にも息を吹き込んであげないと!という謎の親心。

それが終わったら…本格的に小説の書き方を調べたり人の書いた小説を読んだりして、いつかまたリベンジしたい。

リベンジって…まだ創作大賞の結果が出る前だったよ。

この迷走を繰り返した作品。
もし応援してくださる方がいれば♡スキを押していただければ幸いです。


合言葉は、目指せ実写化!

誰が興味あんねん⁉︎疑惑の文章を最後まで読んでくださった方がいるのであれば…
この上ない幸せ♡

雨音

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