見出し画像

1224-25「てんどん記」

いろんな考察があって、のちに気付いたところとかあるのですが、
最初の最初に思ったことをまずは綴ります。

キングオブコントを見るまで、男性ブランコの存在は関心の外にありました。インスタで男性ブランコの単独に行ったことを載せていたフォロワーさんがいたので、「男性ブランコ」という名前は認識していました。
しかし心に留まることなくさらりと目の前を流れていき、フォロワーさんの「とっても面白いコントだった。絶対観てほしい」という呟きにも魅かれず、完全に関心の外にありました。

そこから何年か過ぎてあの日決勝を見て、YouTubeのチャンネルにたくさんコント動画を見ていくうちに、「この人たちの作るものをもっと観たい」という気持ちになり、コントを見て受けた衝撃や湧きあがった熱はどこにも発散できず、絶対単独ライブに行くんだというところへ向かいました。

ずっと存在していたのに気付かなかった扉が現れて、扉の向こうへ一歩入って、こんな世界があったなんてと感嘆して震えて、もともとそこの住人(ファン)と、私のように新たにその存在に気付いた人たちが繋がって、今この会場には双方の世界の住人が一緒の空間にいるのか。「曇った関心」「ふと思った」「天動記」で、そんなことを思いました。

ずっと男性ブランコを応援していて、今まで多くのライブに通っていた人の多くの方々の(中にはちょっとさみしさを携えている人はいると思うけど)
「KOCで好きになった人は絶対このライブ観てほしい」「ご新規の方には配信でも間に合うから観てほしい」というような呟きをけっこう見ました。
扉を開けて入ってくる人たちに対してとても優しく、こんなんもあるよ・ああいうのもおもしろいよと、新しい世界にはしゃぐ私たちをゆっくり歓迎してくれているように思います。
「天動記」にあった世界をひとつにしてしまうとみんな大変なんじゃないか?という問いに対して、「その方がおもろい」という応えが嬉しかったです。関西弁には不思議な力があると思っていて、その最たるものが「しゃーない」と「おもろい」です。具体性はあまりないのに、この2つの言葉には安心したり納得したり心がほどけていくような感覚があります。
「おもろい」と言われると、ふたつにわかれていた世界をひとつにする上で数多の困難があろうとも、ゴールにはまるっと幸せな結末がまっているような気がしてきます。

本編を通して観ていくと、関西弁と標準語、曇天と晴天、◎と〇、沢山の意味や繋がりやオマージュがあると思うのですが、私が一番最初に思ったことは、キングオブコント前と後の世界なのかなあということでした。
24日2公演を劇場で観て、翌日配信を観たりして「あれはああなのでは…?」「あれって一体どういう意味なの?」など、改めて思ったこともありますが、考察記はとりあえず聞かず、もうしばらくは私は私の解釈や理解のままでいたいなと思います。

キングオブコント以降は忙殺まがいの仕事量だったと思います。単独直前にはM-1準決勝・敗者復活まであったのに、こんなにもすごい単独ライブになっていようとは全く思っていませんでした。
すごすぎる。構想から2年、ようやく上演!みたいな濃くて見ごたえがあって心を掴まれて、何日も身体から離れないような作品。
ずっと拍手をしていたい、とにかく溢れ出てくるこの感動と激情を少しでも伝えるべく、とにかく手をたたき続けて拍手を送り続けても全然手は痛くない、もっと音をあげて届けたい。そうだった。これがライブなんだった。誰かと同じ時間を同じ空間で共有するのってこんなに楽しかったんだ。
コロナで行く予定だったライブが軒並み中止になり、しばらくライブを自粛していて、てんどん記は約2年ぶりのライブでした。

音楽も映像もタイトル見出しも良くて、職業柄フォントの使い分けや配置とかも素敵でじっくり楽しめたし、最後にもらったキラキラのシールも嬉しい。キラキラのシールって大人になっても心が躍ってしまう。
好きなシーンが多すぎて書ききれない。「サラリーマン」の謝罪クルーに入れておくれよ、が一番好きかも。働く社会人からしたら、さあさんとは友達になりたいと思う人多いはず。私はきっと住所教えてしまうなあ。
「ふと思った」で扉を開ける時、影が4つ見えるところすごい良い。そして開いた先にいたてんどんさん。ある世界ではなまはげみたいな存在で、もう一つの世界ではこどもに好かれていて、何なんだろうなと思ってたけど人物像までは考えてなかった。扉から出てきた姿を見て、海老天持ってるし丼の蓋かぶってるからこれがてんどんさんなんだってわかるんだけど、あんなにも似合うことあるんだと思って笑った。見た目の恰好以上にすごく説得力があって、笑いながらうわーてんどんさんだってあたかもその世界の住人みたいになった。
「天動記」前のアニメーションと音楽がすごく好き。マリンバとテナーサックス。

今後もずっと、行ける範囲で観続けていきたい。いや、行ける範囲じゃなくてちょっと背伸びするくらいの無理はして観に行きます。
まずはおいしい天丼早く食べたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?