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街によくあるインドカレー屋さン

 誰しも一度は入ったことがあるのではないだろうか、いや絶対にある。ここ数年でインドカレー屋さンを見かけることが多くなったと思う。

↑ このような店舗を都会でも田舎でもよく見かける。

 日本人はカレー大好き奴なので、老若男女様々な層の方を店内で見かける。更にお店によってはナン食べ放題や格安ランチサービスを提供しているのでコスト・パフォーマンスが良いのだ。しかし、いざ外食するとなった時にどのようにしてインドカレーは選択肢に組み込まれるだろうか。「ウチ、カレーとか別に定期的に食べたくないし。」、「え、てかナンとか重くねw」「てかあいつらインド人じゃなくてパキスタン人らしーよ?」「ウケる。それ。つか、あーしタピオカ飲みたみ~~卍」等のようにギャルは毎日インドカレーでは飽きてしまい、週1、いや3ヶ月に1回行けばいいペースになってしまう。あまり想定したくはないが、もしかしたら、ギャル以外の層もそうであると考えられる。

私は毎外食時、インドカレー屋さン一択だ。

必ず。

 インド人がシヴァ神に対してそうであるように、私はハイレベルな忠誠心と絶対の信頼をインドカレー屋さンに抱く。そこでだ、私とインドカレー屋さンとの出会いを書き留めておこう。ファースト・エンカウントは18の春、5年前進学の為に横浜へ引っ越したときだ。入居を終え、新天地を徒歩で巡回。「折角横浜に来たし何かハマっぽいもンでも食うかなァ~~」なんて思ったけど、鎖国された田舎で育った当時の私には横浜のイメージはオシャレそう(笑)以外これといってなかった。日も暮れそうになり、萎びた商店街に入り込み途方に暮れていた時だった。雑踏の中から。鼻をくすぐる匂いがした。嗅ぎなれたことあるような、いやどことなく白々しいような・・・。匂いにつられて無意識に入店、席に着く。

「シャラセー」

やべぇ外人じゃン。てか見渡しても日本人いねーじゃン。今思えばあの時の最大瞬間風速は大学の入学式より緊張していたと思う。郷に入れば郷に従う。私もカタコトの日本語でメニューを頼む。ふとテーブルを見渡したらスプーンを発見し安堵のため息が出る。てっきり素手でカレーをキめこむもンだと思ってたのだ。現地のテレビ番組と思しき映像を映すブラウン管を見つめながら、一時の休息を得る。

何をオーダーしたかは明確に覚えてはいないが、インドとの初対面に心底くらったのは記憶に新しい。カレーの付け合せにライスではなくナンが出てきたことも衝撃だったが、ナンがデカい。持ち上げてみるとインドの国土面積とさほど変わらないサイズだ。プレートに目を戻すと、緑色・オレンジ色のカリー(?)が2つ金属のボウルに入っている。~NEW WAVE~。ちらっと店主の顔を見るとじっとこちらを凝視。やるしかねェ、俺も一人の侍だし、そんな心持ちと志でナンをちぎってカリにディップ。

気づけばナンを計5枚ほど食べきり、腹と幸福度は膨れていた。ラストパートはディップするカリも残ってなかったのでナンをナンで挟んで食べるという所業にも出た、がそれほどまでに虜になっていた。更に会計時、時刻はすっかり18時を回っていたと思うのだが、インド時刻で捉えているのだろうかランチタイムでの金額を請求された。680円くらい。えっまじでええんか?後々変な請求書とか届いたりせんか?と内心インドの優しさを素直に受け止めることができなかったが、気づけば恋でもしているかの如くその後も足繁く通った。

以上が私と彼との甘酸っぱい出会いである。次記事は印カリ屋さンに対する私なりの持論を述べたいと考えている。

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