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スコーン ―モスモス・コスモス―前編

ある朝、目が覚めてみると、香ばしくて甘い、焼いた小麦粉の匂いがまだ鼻に残っているような気がした。定かではないが、夢の中で私はスコーンを食べていたようだ。
サクサクのモスモスの、スコーン・・・。
極めてイギリス的な食べ物。
スコーンの神は、次なるお菓子として、私にスコーンを作るように思召したのだ。

かくして、私はスコーンを作ることに。

材料はこちら。

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〇材料(6~8個分)
薄力粉                  250g
ベーキングパウダー          小さじ4
無塩バター               50g
砂糖                 小さじ1
牛乳                  70g
卵                   1個
カッテージチーズ(裏ごしされたもの)  50g

ふぅ~ん
簡単じゃん
ん・・・?

カッテージチーズ?!


どうやら、私が参考にした、私が生まれる前から家にあるレシピ本によると、(うちそんなんばっかやな・・・)
カッテージチーズを混入させることにより、ぱさぱさしなくなって、よりサクサクで軽い食感になるんだと。
ほほう。
よう知らないが、スコーンは元来ぱさぱさしたもんだとおもっていたぜ。
まあいい。


記載されている作り方は驚くほどシンプルだ。

①薄力粉とベーキングパウダーに無塩バターを入れ、手でなじませてサラサラになるまでこねる。
②砂糖・牛乳・卵・カッテージチーズを①に混ぜ合わせ、打ち粉を振るいながらこねる
③できた生地を3~4センチの厚さになるように伸ばし、グラスなどで型を抜く。
④190度に予熱されたオーブンで12分焼いて完成。

おいおい、楽勝じゃねえか。
なにしろ
メレンゲみたいな工程がない。

では作っていきます。

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オーブンの指定温度は190度。
蓋を開けた際に熱が逃げてしまうことも計算に入れ、少し高めの温度設定でしかけます。これで、焼く準備はOK

続いて計量です。

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うわ!バター50gって大きい。
卵1つ分くらいだ。

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こちらが、噂にはよく聞くベーキングパウダー、いわゆる膨らし粉だ。
この世の膨らむものにはたいていこいつが入っているらしい。
(※なお、僕には入っていないようで、どんな生活をしていても決して膨らまない。恐れ入る)

粉の中にバターを入れていきます。

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おわかりいただけないかと思いますが、ほとんど薄力粉の中に、ベーキングパウダーが混入しております。

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わ~お、
なんということでしょう。
粉の中にでっかいバターの塊がまるまる2個入ってしまいました。

なんだろう、そこはかとない罪悪感・・・?

まるでこれからバターの天ぷらを作るみたいな気持ちです。

ちょっと何言ってるのかわからない

ここから、手でバターを練りこみ、サラサラになるまでこねるんですけど、

というかァ、手で粉とバター混ぜてもサラサラになンなくね?
絶対信じらんないんですけど~~~ww

と私の中のギャルが騒ぎ出します。
ところでこのギャルはいったいいつの時代のギャルなんでしょう。

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私はギャルではなく、おとなしい令和のサラリーマンなので、何も言わず

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黙って、言われたとおりにこねていきます。

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なるほど、だんだん粉とバターが同化していくね。

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ほーーう。そうか。確かにサラサラだ。

OKいいだろう。

ではお次は?

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残りの食材を混ぜていきます。

「ええっ?僕もスコーンになるんですか・・・?」とおっかなびっくり控えめなのが、画像下の方のモロモロしたカッテージチーズです。
そのたたずまい、とても控えめだ。

我は太陽なり、と言わんばかりに映り込む卵とは大違いですねえ。

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こねます。
ひんやり、ねちょねちょ。

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小麦粉をこねるとき、いつも思うんですけど、あまりにもねちょねちょしすぎていて、先が心配になるんですよね。

今回も、かなり手にくっつく感じ。
これ、本当に大丈夫なんですかー?
おーい!

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「ダイジョウブデ~ス」

しばらくこねていると、けっきょくなんやかんや手にくっつかなくなりました。結局最後は何とかなるんだよなあ。

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あとは、打ち粉を振るいつつ、さらにこねて、伸ばしていきます。

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伸びたものを、今度は適当なサイズの型抜きで抜いていきます。

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どうでもいいけど、この、なんか花柄みたいな、無難だけどちょっとよさげな食器って、「実家」と呼ばれる場所にしかない気がする。一人暮らしの人の家ではあんまり見たことない。
人間はいつこういう食器を獲得するのであろう。
同棲するとき?結婚するとき?子が出来るとき?
今の私にはまだわからない。

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生地に押し付けると、カップの空気が圧縮され、適度な反発感がある。
それはさながら

「わて型抜きちゃいますねん。コップですねん」

と言っているようだ。
だが君のそのサイズ感はコップにしてもちょっとアレなんだけどな。
カップ?と呼ぶべきなのか?それとも、おちょこ?
いったい誰なんだね君は。

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・・・

食器は答えない。
もとより食器は言葉など発しないのだ。
私は一人だった。






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型を抜いていきます。
ここでのポイントは、なるべく端っこからやっていくこと。
当然ですね。生地が無駄になっては困る。

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アラかわいい

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いっぱい揃ったらもっとかわいい。

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これを並べて、いよいよオーブンで焼きます・・・!

長くなってしまったので、焼くのはまた次回。
お楽しみに!


涙なし、笑いなしですが波乱の後編はこちら

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