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2月

2月は嫌いだ。
白い吐息に、バレンタインとかいう甘ったるいイベント。「去る」とかいいつも無駄に長い。ミルクティーが最高に美味しい寒さ。クリスマスもお正月も過ぎ去った少し空っぽな季節。2月。

あの人に会ったのは6年前の桜の頃。
まだお互い若くて青くて。いっぱい泣いていっぱい笑った。
わたしとあの人は性格が真逆だったから、些細なことでぶつかりあっていた。
お互いを理解したかったから、もっと深くつながりたかったから。今思えばそれが好きってことだったのかもしれない。
気づかなかったけど。きっと出会った時から。

いつの間にか隣にいることが当たり前で。いろんな話をした。いろんな所へ行った。手を繋いで歩いた。あの人の腕の中が好きだった。キスした。家の前で、無人駅のホームで、ベットの中で。

それから。

2月、わたしとあの人にとってちょっとしたトラウマだ。2016、2017、2018。ボロボロになるくらい傷つけあった。髪は切った。スカートは押入れの中。全て2月。だからわたしとあの人の思い出はいつも寒い。

とっても大事だったから、大切だったから。いっぱい絶望した。これから同じ景色が見れないこと。悩んで悔しくて泣いて。愛おしくて切なくて、また、泣いた。

わたしとあの人の道がまた交わることはあるのだろうか。まだまだ道は長い。とかいって明日があるとは限らない。未来のことなんて、誰にも分からないから。大きな声で想いを伝えたいのに。2月は嫌いだ。だって幸せだったんだもん。

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