見出し画像

スターとの恋~③中学生のお幼妻

岡さん

こんにちは
私の痛い恋の話しに付き合ってくれて、ありがとう。
私、すっかり自分の痛さを忘れていたみたい。

彼は本当にダンスが好きで、歌舞伎町のディスコの常連同士でチームまで作り、それが後のTRF,ZOO、EXILE、ジャニーズ事務所へとつながっていくんだよね。その原石達と一緒に過ごしたあの時間は、好きなことにひたむきに向かっている人達と同じ空気の中で過ごしていたから、すごく熱気と活気を感じていた。私もみよう見真似で踊っていたから、あのまま彼ら同様に、諦めず踊り続けていたらTRFかZOOの女性メンバーになっていてもおかしくなかったかも(笑)。
今の私を知っている岡さんからは、冗談にしか思えないかもしれないけれど、あの時の彼らのほとんどは夢を叶えたんだから、私がダンサーになるって決めていたら。そうなっていたんだよ。

その頃の社会的背景には、ゲーム時代に入る一歩手前みたいな頃で、ゲームは、せいぜいゲームセンターに行くか、または、喫茶店のテーブルがゲーム機だったから、飲み物をテーブルの端に並べてやっていたくらいだったかな。なんたって、若者が今みたいに引きもっている時代ではなく、内在した怒りや野心や希望がまだぷんぷん匂い立つほどあった時代だった。

そうそう、よく、そのメンバーとディスコの帰りに新宿二丁目近くの24時間のデニーズに立ち寄ってたんだけど。
そこは朝になると二丁目のオカマさんや近所のキャバレーのお姉さん、当時はまだトルコって言われていた現在ソープランドで働くお姉さん、その他風俗のお姉さん、お兄さんが一同に集まる、派手な動物園のようなデニーズだったのよ、今思い出しても笑える。
そこにはマツコ・デラックス、ミッツ・マングローブさんも通っていたと、後のテレビ番組で知ったけど、あの動物園の中の一つの柵(テーブル)の中にいてもなんら不思議は無いわ(笑)

ある日、いつものようにデニーズで朝ごはんを食べていたら、ダンスチームと取り巻きが一人づつ将来の夢を語りだしたの。チームメンバーは7名くらいで取り巻きは30名近くいたかな。
その時、一番熱く、強く、自信を持って宣言していたのが、現EXILEリーダーであり、プロダクションの創業者、会長でもあるHIROだった。
でも、HIROはまだ若手だったし、その頃は踊りが上手な方ではなかったからメンバーではなく取り巻きの方だった。

でもね、「俺の夢はビッグになることです!今日、ここで俺が言ったこと忘れないでください。俺、約束守るんで」って言い切ったの。
あれから何十年…って、きみまろみたいな台詞だけど、HIROは本当にビッグになった。ZOO解散後に挫折とどん底を経験したことが学びと励みになったってHIROの著書「ビビリ」に書いてあって、懐かしさと同時に彼を見直したし、尊敬した。

で、HIROが自分の宣言後、私に話しをふったの「先輩の彼女さんは、何か夢があるんですか?」って。

その時の私に将来の夢も希望も目的も一切無かったからもじもじしていたら、優しい彼がHIROに向かってこう言ってくれたの
「小梅ちゃん、俺のお嫁さんになるから、それでいいんだよ」って。

これ以上の夢ってある?ないよね。

彼は毎日埼玉県から新宿歌舞伎町のディスコに通っていたから、流れで私達は一緒に暮らすことにしました。

私の住んでいた中野の家の近所に小さな1DKの部屋を借りて。

その頃はもう、彼のお父様も彼の芸能活動を認めていたかなぁ。
彼の実家は総合病院で、もちろんお父様が院長。彼以外の兄弟は全員医師を目指していたから、彼はその家系始まって以来の異分子だったかも。

私はその頃にはほとんど中学にもいかなくなり、年齢をごまかして居酒屋、花屋でバイトをしてお金を稼いでいたの。霊視をすればすぐに稼げるけれど、結局、彼に嫌われたくないからずっと内緒にしていた。
私自身が霊視を気持ち悪いって思っていたということなのかもね。

彼もバイトをしていたけれどお金が無くなると実家に戻り、家を一回り物色して帰ってくると、あら不思議、魔法のポケットの中から、お札の顔が次次登場しま~す。という魔法のポケットを持っていたから苦労しらずでした。

でも、その魔法のポケットを狙って、私の母と義理の父がお金の無心にきだして、それは、私の心に暗い影を落とし始めました。なんていうのかなぁ。
こうゆう重いことって、結果が見えるのよねって感じ。結果って、もちろん私と彼の関係の結末だよね。

彼は優しいし、実家はお金持ちでおぼっちゃま育ちだから、困っている貧乏人に施すことに寛大で、私の親が来るとニコニコ笑顔でお金を渡すの。
王子様みたいな人だった。
今思うと、彼は本当に気にしてなかったのかもしれない。でも、私は彼に貧乏人は嫌だなとか、こんな家と結婚は無理だな。とか思われるのが怖くて、つい暗い顔になっていたはず。それに気がつくと、彼は、私の頭を大きな手で優しくポンポンッって撫でてくれるの。
その動きと彼の顔が猿(ゴリラ)みたいだから、なんか、私も小さな猿になった気持ちで「ウッキー(ありがとう)」って、すぐに幸福になっちゃっうの。

彼との生活は、ドールハウスの中の出来事みたいに、本物感はあるけれど、どこか作り物の危うさも見え、それでも私は彼のお嫁さんになった気持ちで、毎日彼のために、喜んでもらえるように、掃除、洗濯、ご飯作りをしていました。あ~、思い出したら涙がでてきちゃった。
その時の私の悲痛な祈りが伝わってきた…

「神様、この幸せが、いつまでも、いつまでも続きますように、見守っていてください」って。









ありがとうございます。あなたにも、神様からのサポートが山ほどありますように💕