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♪牛深三度行きゃ 三度裸 鍋釜売っても 酒盛りゃしてこい🎵

天草に春を告げる「牛深ハイヤ節」。三味線や太鼓のリズムにのせた軽快な歌を聞けば、天草の人ならずとも踊り出しそうな気がします。

古くから海の豊かさとともにある天草諸島。なかでも下島の牛深は、「定浦(じょううら)制度」がつくられた江戸時代に大きな発展を遂げました。「舸子(かこ)役」と呼ばれる水夫や船の調達などの役目を担うかわりに漁業を営む権利が与えられ、江戸時代中期にカツオ漁が伝わると、牛深は港町としてさらに賑わいを増していきました。


北前船とともにある、ハイヤの歴史。

江戸や大阪へ向けた航路が開かれ、「北前船(きたまえぶね)」と呼ばれる廻船が経済の流通を担った頃には、薩摩から長崎へ向かう際のちょうどいい寄港地として利用されていたそう。幕末には、西郷隆盛や大久保利通らも立ち寄ったといわれます。


北前船として活躍していたのは、弁財船(べざいせん)と呼ばれる帆船タイプの木造船。帆に風を受けて動くため、風の吹かない日や時化(しけ/暴風で海が荒れたり、魚が獲れないときのこと)の日には、港で待機をする船や船乗りたちが多くいました。そんな潮待ち・風待ちの船乗りたちをもてなすために地元の人々が酒宴を開き、歌い踊ったのが「牛深ハイヤ」の発祥といわれています。

ちなみにハイヤの語源は、「南風」を意味する「ハエの風」。帆船が北上するために不可欠だった南風からきているようです。


(牛深ハイヤ祭り実行委員会のホームページより)

船乗りを魅了したハイヤの名調子は、全国へ。
佐渡おけさや阿波踊りのルーツにも

日本の民謡といえば「阿波おどり」や「佐渡おけさ」が有名ですが、いずれも牛深ハイヤがルーツの「ハイヤ系民謡」と呼ばれているのをご存知でしょうか?大漁の日には大漁を祝い、海が荒れた日には縁起をかつぐための酒宴が行われるなど、牛深の街にはいつも宴の音がありました。船乗りは北前船で北上していった先々の港でも、牛深で歌い踊った日々を懐かしみ、ハイヤの宴を繰り広げていたらしく、「ハイヤ系民謡」は北海道から鹿児島まで、日本各地に点在しています。

酒宴のもてなしから、伝統芸能へ

はじめは軽快なお囃子に合わせ、船乗りたちの仕事や暮らしの一コマをうつす振り付けを即興で披露していたそう。1961年に「牛深民謡保存会」が結成され、その翌年に「牛深ハイヤ節保存会」が発足したことで、現在の踊りのベースができたといわれています。

天草・牛深では毎年4月半ばの週末に3日にわたって「牛深ハイヤ祭り」が開催されるなど、今では天草諸島の春の風物詩のひとつになりました。牛深の人々のDNAに刻まれた牛深ハイヤ。実は「天草夕陽フェスタ」の一環で開催するオープニングセレモニーでは、その雰囲気を体感できるステージショーも行う予定です。

春にしか見られないハイヤに触れられるチャンス。
是非ともご来場ください!

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10月7日は牛深ハイヤを体感しよう!


10/7(土) オープニングセレモニー
心躍る牛深ハイヤのステージ競演。なりきりライブショーも
 
時間/18:00〜 
場所/牛深総合センター(天草市牛深町160)
入場料/1000円
18:00 ザ・イエロージャケッツライブ
18:30 牛深ハイヤ(牛深高校・郷土芸能部)
18:50 牛深ハイヤ(牛深ハイヤ保存会)
19:10 長渕つもりライブ


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チケットのお問い合わせはこちら
天草西海岸サンセット協議会(下田温泉ふれあい館ぷらっと内)
Tel 0969-42-3726
9:00〜17:00(第4水曜休)

下田港発着のクルーズを終えてからでも十分間に合うので、よろしければセットでどうぞ🎵


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