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『AGAINST嵐』はずっとゴルフとファ◯クとUSAでスゴい

『AGAINST嵐』というゴルフ漫画を読みました。USAすぎました。



■作品概要ならアメリカが本場だぜっ!

  • 作品名:AGAINST嵐

  • 作者:かざま鋭ニ、堀井ひろし

  • 掲載誌:漫画アクション

  • 発表期間:2005年から2007年

  • 巻数:全4巻

  • 個人的な点数:78点


■おっ イカレタあらすじだ

「山乃嵐」は伝説的ゴルファーであり「山乃E・P」の会長でもある「山乃巌」の息子である。彼自身も天才的なゴルフセンスを有しているが、修行という名目でアメリカに高飛びし怠惰な生活を送る。嵐のいない間、山乃E・Pの経営は悪化し、負債総額は3億を超えた。頼みの綱は嵐のスポンサー契約とCM出演料に託されたが、帰国した嵐のゴルフを見た巌は絶望する。心臓を悪くし、残りが長くないことを悟った巌は、なんとしてでも嵐をプロデビュー戦で優勝させるために猛特訓を強いる。果たして、嵐はプロデビュー戦を突破できるのか、山乃E・Pの命運は・・・。


■USA!USA!

とにかくこの漫画はファ〇クだ。1にも2にもファ〇ク。嵐はゴルフをしていない間、常に彼女のスージーとファ〇クしているし、巌の付き人である鈴木も頭がおかしくなった後はずっとホテルでファ〇クしている。嵐のキャディーである一ノ瀬先輩は隙あらば嵐の元カノである由紀とのファ〇クを狙っているし、嵐の宿敵となる佐々木プロも同じくプロデビュー戦の間中、由紀とのファ〇クのことを考えている。作中に登場する男連中は一部の常識人を除いてほぼ全員がスージーをセックスシンボルとして見ているしスージーはむしろそうあろうと努めている。この漫画はゴルフ半分ファ〇ク半分のゴルファ〇ク漫画、「プロゴルファー猿」ならぬ「プロゴルファッカー嵐」だ。

『AGAINST嵐』を読んでいる間、妙にわざとらしいアメリカの風を浴び続けることになる。アメリカというより「メリケン」というべきか、それは1巻の冒頭から既に感じられる。

『AGAINST嵐』1巻12頁
君のバストバレーのビッグ・ウェーブはウエストコースのハンティントン・ビーチより魅力的さ!
『AGAINST嵐』1巻13ページ
昨日の夜はコカとテキーラでめちゃくちゃハイだったろ?
『AGAINST嵐』1巻15ページ
ここじゃあG・Cがキューバ娘のプッシーほどあるぜっ!

この妙に安っぽい洋画のような言い回しがだんだん癖になってくる。この空気感はUSAのaaに似ている。

フロリダのビーチから得られた性に奔放なイメージは『AGAINST嵐』の半分を占めるファ〇クにそのまま受け継がれる。


■嵐、お前はスルースキルが高すぎる

なぜこんなゴルファ〇ク漫画をわざわざnoteで紹介しようと思ったのか。もちろん『AGAINST嵐』に少なからず魅力を感じたからに他ならないが、その魅力とは「スルースキル」にある。とにかく嵐やスージー、一ノ瀬先輩が自由すぎるのだ。

例えば嵐が巌に呼び出されている間、スージーは嵐が用意させたホテルに閉じ込められることになるが、嵐が帰宅するとサムライガールに変身してコカインを吸っている。

『AGAINST嵐』1巻89ページ

サムライガールの衣装はオジサンにおっぱいを見せたら買ってもらえたことをあっけらかんと話すスージーにさすがの嵐も驚きを隠せないが

『AGAINST嵐』1巻94-95ページ

直後に見知らぬ男2人組におっぱいをこれでもかと見せびらかしている。イカレてる。

『AGAINST嵐』1巻119ページ
『AGAINST嵐』1巻121ページ

運転手のトレーナーは「ゴールド免許に傷がつくからやめさせろ」と嵐に命令するが「ポリスもスージーの可愛さに目ーつぶってくれるさ」と気にも留めない。スルースキル凄すぎる。

嵐のスルースキルはこの程度にとどまらない。アメリカに行っている間も継続して借りていたマンションに向かうと、そこには大学時代の先輩「一ノ瀬」が勝手に住み着いていた。しかも嵐の元カノ「由紀」と同棲していたことまで発覚する。

『AGAINST嵐』1巻136ページ

一ノ瀬の暴挙は止まらない。無断で嵐の私物である家具・家電、CD、腕時計にデジカメを売り払ってしまっていた。

『AGAINST嵐』1巻136ページ

さらに帰ろうとする嵐に金を無心し、嵐は全財産を奪い取られる。これにはさすがの嵐も我慢の限界かと思われたが

『AGAINST嵐』1巻153ページ

どうなっとんねん


本格的にプロデビュー戦が始まるまで、『AGAINST嵐』のノリは一生これだ。一生このノリで進んでいく。一生嵐とスージーが全てを許し、なにもかもスルーしながら進んでいく。

本格的な特訓がはじまり、嵐の生活はすべてトレーナーに管理されるようになる。それは食事メニューについても例外ではないが、嵐は1ミリも守る気がない。

『AGAINST嵐』1巻193ページ
『AGAINST嵐』1巻194ページ

トレーナーとの待ち合わせまでのランニングで、嵐は水を飲んでいたとさわやかに主張するが

『AGAINST嵐』1巻195ページ

ちょっと詰められたらもう全然嘘を通す気がなくなる。


「アメリカで得たのは女を口説くテクだけかも」と皮肉を言われるも

『AGAINST嵐』2巻48ページ

言い訳するどころかスージーを紹介してみせ

『AGAINST嵐』2巻48ページ

このノリ

しかしプロデビュー戦が始まると一転して空気はシリアスなものへと変わっていく


■『遊☆戯☆王』のブルーアイズ?

プロデビュー戦1日目の結果は嵐の自信とは裏腹にアマチュアの域にすら達しないものとなってしまう。心臓を悪くし、現地まで赴くことのできない巌が鈴木を通して嵐の戦績を伝えられ、会社を失うことを覚悟する。これまで、嵐に対して師と、弟子という関係でしか接してこれなかった巌は、この窮地になってはじめて嵐に父として相対する。

『AGAINST嵐』2巻192ページ

ノーテンキを絵に描いたような男である嵐だが、はじめて聞く父としての巌の声に涙をこらえることができなかった。

『AGAINST嵐』2巻195ページ

巌のプレッシャーから解放され生まれ変わった嵐は本来の力を取り戻す。プロデビュー戦2日目、この日だけの戦績でいえば、嵐はぶっちぎりの1位に輝く記録を残す。この間、やけになった鈴木は嵐の応援にも駆けつけずにホテルでファ〇クし続けている。

『AGAINST嵐』3巻222ページ

さて、試合中ではあるが、嵐のマリファナ使用疑惑が浮上し、噂を聞いた巌はショックで危篤状態に陥ってしまう。


ここで一つ気づいてしまう

明らかに巌の脈が嵐の出来に直結している

『AGAINST嵐』3巻183-184ページ

巌の脈が低下すると嵐がOBを出してしまい

『AGAINST嵐』3巻211ページ

巌が脈を吹き返すと途端にスイングの精度が増す


『遊☆戯☆王』王国編のブルーアイズ?

王国編のブルーアイズ

闇遊戯のマインドクラッシュで闇の心を砕かれた海馬の精神性によって挙動が決まる青眼の白龍?

巌と嵐の親子愛に関しては確かに熱いものもあるが、肝心のプロデビュー戦に関していえばプレイングスキルがマインドのみに依存しているので、スポーツ漫画ならではの面白さというものはあまり感じられない。これは惜しい点だと言わざるを得ない。


■まとめ

『AGAINST嵐』はファ〇クにまみれた嵐のスルースキルと成長が面白い漫画だった。しかしゴルフ漫画としては微妙と言わざるを得ない結果となった。しかし、『AGAINST嵐』はこれでいいんだ。これはゴルフ漫画ではなく、ゴルファ〇ク漫画なんだ。だって最終巻の、最後の最後のコマだって、嵐と一ノ瀬のこんな会話で結ばれるのだから。

『AGAINST嵐』4巻203ページ

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