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それほどまでに目障りですか

またか
あたしがちょっと電話で
こっちの体調どう?とか
全然訊かないよね?ってさ
云わなきゃいいのに云っちゃったのさ

そしたら翌日電話してきて
ふらふら立ち眩みがするだの
冷蔵庫には米と味噌しかなくて
ごはんに味噌つけて食べてるだの
買い物行こうと思って支度まではするが
やっぱりめんどくさくて行かないだの
終いには このまま死んじゃうかと思っただのと

なんなの その自分の方がもっと具合悪いアピール
そうやって云えば 心配してすぐ駆け付けるとでも?
こっちの事情なんかまるで訊きもしないで

ひとが何かしゃべろうと思えば
自分の云いたいことだけ云って用が済んだのか
勝手に切ってしまうし

昔からそうだよね
あたしの話なんか 聞いてくれたことない
兄と三人並んで歩いていれば
必ず兄の方を向いて 話を聞いてあげてた
あたしがいくらしゃべっても 
こっち向いてくれたこと 一度もなかったよ
聞いてるの?って云えば 聞いてるよって云ってたけど
それ聞いてる じゃなくて 聞こえてる だから

兄にはあたしも大分ひどい目に遭ってきたよ
小学校に入学したときからの問題児で
授業中に教室飛び出して
校庭の遊具で遊びだしたり
それで母はよく学校に呼び出されていた
いまから思えば 兄にはもしかしたら軽い障がいがあったのかもだけど
当時はそんなのほとんど知られていなかったから
何も対策することが出来なかったのだろう

そんな問題児の兄と連日学校に呼び出され
その他にも 親父やばばあに怒鳴られひどい目にあっていたから
あたしは自ずと大人しくて手のかからない子供でいる必要があった

気に入ってもらえるように とにかく勉強がんばったし
テストでも常に90点以上は取っていた
それでも母は 間違ったところばかりに目がいって
なんでここ間違えたの? 注意力散漫だからだよ と
決して褒めることはしなかった

親父やばばあ、兄の悪口をあたしに散々吹き込むくせに
兄とはいつも楽しいそうにしゃべってた
母も兄も おしゃべりで調子がいいところは似ているので
気があったのだろう

あたしは色黒であること 血液型が母と違うこと
生まれた年が兄嫁と同じ辰年であること
その他あたしにはよくわからない理由で
お前は親父やばばあにそっくりだ
自分が年老いて 面倒見てもらうことにでもなったら
なにをされるかわからない
いまから想像しただけで 空恐ろしいと
まだいくつにもならないうちから そう云われ続けてた
一体あたしが 何をするというのだろう
そんなにあたし ひどい人間なのか

そんな母だけども でも思い出そうとしてるんだ
きっとやさしいときもあったはず
小さい時に熱出したときは 看病してくれたし
小児喘息の発作がひどいときは
咳が治まるまで負ぶって岸壁を歩いてくれた
ひきつけを起こしたときには
緊急病院に電話しようとして
そのちょっとの間だけ見ててくれと親父に頼んでも
そんなもん 自分でやれ!と云われたとか

ありがとうって云わなきゃいけないよね ホントならば
だけどそれ以上に ひどい暴言たくさん吐かれてきてて
どうしてもそっちの方が勝ってしまうんだよ

勝手についてきたくせに
嫌なら親父のところへ行け
自分は休みで遊びに来ているだけであって
ごはんの支度しに来たわけじゃない
食べたきゃ自分ひとり分作って食べろ
作り始めたら始めたで
どうせ作るなら二人分作れ
そっちが多いのこっちが少ないのと云っては腹立て
どうせごはんの支度してるんだって
自分がお腹空いたからやってるだけだろ
精神病なんかただの甘え
あの女医は偉そうで気に食わない
自分だけ味方(就労支援センター)つけやがって
あたしが買ってあげた洋服 あんなもんいらないから金寄越せ
兄は就職(すぐ辞めた)して初給料で
美容院代に1万円くれた
いまも働いてたら 毎月小遣いくれたに違いない

はあ 描いてて嫌になっちゃった

その美容院代1万くれたやさしい兄
その後 お金くれたことがあったの?
ひとのあげたものはいらないものって吐き捨てたくせに
ひとが着てるものはいいないいな
自分が着てもいいかもなだって

クリスマスにホールでケーキ買うかって
子供の頃は出来なかったから
ささやかにクリスマスを祝おうとかそういうんじゃない
ただ自分が食べたいから
それにホールで買えば あたしがケーキ苦手なの知ってるから
自分の方が多く食べられるもんね

こんなふうにしか考えられない自分は
なんて心の狭っこい人間なんだって思う
やさしくされたことだって確かにあるのに
とてもひどい人間だって そう思う

でも もう無理なんだ
勝手についてきたって
そういうふうに思ってるなら
もうそれでもいいよ

所詮 親父やばばあの分身でしかないからさ

でもさ このまま逝っちゃえば楽でいいのにとか
簡単に云わないでくれないかな
自分はそのまま逝っちゃえばそれでいいかもしれないけど
あとの始末は一体誰がやるのよ

あたしが何にも考えないで
ただボーっと一日を過ごしていると
そんなふうに思ってるかもしれないけど

死んじゃいたいのは
むしろ あたしの方なんだよ

よくよく疲れちゃったわけ

地域包括支援センターからの回答では
本人がサービスを受けようとしない以上
こちらとしては動くことできないから
自分でやってもらうより他ない、と

自分のお金は一円たりとも使いたくないひとなので
自分で生活すると云って聞かないし
あたしが代りに払えるわけでもないので
あんまり強くも云えないし

めんどうがらずに買い物くらい行ってよ 頼むから
買い物遠くてイヤなら ネットスーパーのアプリの使い方覚えてよ
あと ひとの話はちゃんと聞いてよ

それとも そんなにイヤなの
あたしの話聞くのが

なんせあたしは
親父やばばあの分身だから




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最後までお読みいただき、ありがとうございます
愚痴ですね、スミマセン<(_ _)>
いいことも思い出そうとしてみたんですけどね
それやってきたんだから
何云ってもいいとか思われていたら
ちょっと目も当てられないなあ、と思いまして
きっと母は、自分のいいことばかり覚えてて
私に吐いた暴言なんて、ひとつも覚えていないでしょうから
こんな風に気を揉むだけバカなのかもしれません

お付き合いくださり、ありがとうございました




#詩 #愚痴 #母と兄は似たもの #問題児 #大人しい子 #母のやさしさ
#暴言

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