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前回記事「廃業」について、お詫びです。。

前回記事「「廃業」なぜ自分は漫画家として失敗したのか。振り返ります。」は多くの方に見てもらえて、スキも沢山頂きました。心からありがとうございましたm(__)m

ただ、記事を上げた直後は、「もう伝えたい事は全て書けた。」と思っていたのですが、後から何度か読み直すうち、「何か違う…。」という気持ちがじわじわ襲って来ていたところ、暖かいコメントもいくつか頂いたのですが、その中で「漫画との関わり方は、十人十色で良いと思います。」というご意見がありまして、はっといたしました。本当にその通りだなと。

いつの間にか自分は、「俺はこのように失敗したので、お前らはもっと違う人生を歩め!」かのような、上から説教するような気持ちで書いてはいなかったか…と、大いに反省しました。

もし前回記事を読まれた方がおられましたら、面倒かもですが、今回の記事も読んで頂けると嬉しいです。。蛇足とお感じになられましたら、遠慮なく飛ばしてくださいませ。それでは始めさせて頂きます…(;^ω^)




前回記事では、自分の漫画家として行き詰った原因を二つ上げさせて頂きました。あらためてそれらについて、再度考察させて頂きます。。

「1、若くして漫画の道に入ってしまう。」

これにつきましては、問題ないかと思っております。本当に心から大学進学をお勧めいたします。親御さんがお金を出してくれるのであれば、メリットはあってもデメリットはほぼ無いかと思います。

ただ、例外があるとしたら、あふれる才能で、高校生デビューされて、それがいきなりヒットしてしまうとかの、激レア様は、そのまま漫画家になっちゃってもOKかもです。

今、世の中があなたを必要としているのですから、そのビッグウェーブに乗っちゃって、行けるところまで限りなく行っちゃうのが良いかと思います。あなたはまさに時代に選ばれた存在ですから、一般常識は通用しませんので、細かい事など今は気にされる必要はないかと思います。

…ただ、時代の波が去って、祭りが終わってしまった後、色々な事があるかもです。ただ、その時はその時考えれば良いかなと思います。生活やら人間関係やら色々犠牲になったとしても、少なくとも「ヒット作を生み出せる漫画の才能」は自分に残っています。

しかし、お体だけは気を付けてください。才能があっても体がボロボロとかでは、「弾があっても砲が無くて撃てない」という事になってしまいますので…。



「2、大手出版社からのデビューをあきらめて、とりあえず頂けたお仕事をこなし続ける。」

こちらについては、完全に勘違いしている記事になってしまいました。。

まず、今の時代、大手出版社さんからデビューしなくても、マイナー誌とか、同人誌とか、SNSからヒット作が沢山産まれてくる時代ですので、デビュー先を大手出版社様にこだわる必要は無いです。正直自分は、当時そのように考えて、まずなんでもいいので仕事をこなして、何とか業界に入り込んでいく事を考えて、とりあえず頂けたお仕事に全力投入してきました。

自分にとってはあれで良かったんだと、記事を上げた後で思い直しました。やり方としてアリだったのではないかと思います。間違っていなかったと。


ただ、失敗したのは一つだけで、「ヒットしなかった事」だけです。


ヒット作さえ出すことができれば、漫画家としては成功です。違法だったり、あからさまな盗作だったりしなければ、どんなやり方でも正解です。

ただ一つだけ補足させて頂くと、大手出版社さんは、「ヒットする(売れる)才能」を見出すプロ集団ですので、甘く見てはいけないかと思います。(その上、大きな市場もお持ちです。今だ圧倒的に有利な存在です。)

前にも書きましたが、例えば同人誌とかSNSだと、自分を売り出すプロデュース力が必要になりますので、ヒットする漫画を描ける才能と、両方必要になります。さらに言うと、作品がヒットした後も、締め切りを自分で設定して、生産し続ける時間管理の能力や、売り上げ金を管理する能力まで必要になるので、かえってハードルが高いような気がします…。

お話を戻しますと、ここで自分が書かなければならなかった失敗は、

「2、大手出版社からのデビューをあきらめて、とりあえず頂けたお仕事をこなし続ける。」ではなく、

「2、色々チャレンジしてみたものの、結局ヒット作を一本も書く事が出来なかった。」でした。

よくよく考えてみると、「原作」というお題を出して頂いて、それを自分なりに面白い漫画に仕上げる、という作業は、自分は好きでした。何もない所からオリジナルの漫画を描くより、ある意味自分に合っていました。

漫画家になって二十年ほど、ほぼ原作付きばかり書いてきたのは本当ですが、ずっと楽しんでお仕事をしてきました。苦しかったのは、あまりヒットしなかった事と、キャラの絵が苦手(本当言いますと、絵を描く事自体があまり得意でないです(;^ω^)で、どれだけ描いても、納得のいく仕上がりに中々ならない事でした。

漫画というお仕事自体は、しんどい(未来が見えない)や、苦しい(現在が貧乏)も含めて、とても楽しかったです。幸せな人生を過ごさせて頂きました。。

お仕事を下さった編集部様や、原作をご提供して下さった版元様には、本当に感謝してもしきれません。それなのに恩知らずにも、「あまり興味の持てない原作」などと侮辱してしまい、本当に申し訳ないです。勘違いも甚だしいです。自分がヒットしなかったのは、ひとえに「自分自身の漫画力が足りなかった。読者様に訴求できる価値を作り出せなかった。」だけでございます。原作にはまったく何の罪もありません。100%自分が原因です。だからダメなんだよと!人のせいにすんな!と、本当にはなはだ思い違いとしか言いようがありません。。

そして前回記事は、その後の展開も盛大に間違った方向に突っ走って行きまして。「何が描きたい物だったのか分からなくなっていた。」だの「漫画家じゃなくても良かったのかも。」だの「お金がもらえない限り、絵が描けない」だの、見るに堪えない自己憐憫が続き、自分の中のぐちゃぐちゃした弱さというか、他人のせい根性というかが、白日の下にさらされてしまい、残念としか言いようが無い結論にたどり着きます。もう、穴があったら入りたい気持ちです、ここまでダメだったかと…orz



本当に時間を戻して書き直したいですが、今更時は戻りません。恥の上塗りですが、こうして記事を修正したいと思います。記事を読んでしまった皆さまも、「ん?」と思われた方も多かったかと思いますが、ありがたい事に、ご指摘下さった読者さまもおられまして、違和感が確信に変わるきっかけになりました。本当にありがとうございました( ;∀;)

それにしても、書いて上げてしまうと、もう戻せないのですね。SNSの恐ろしさを思い知りました。本当に今回の事は勉強になりました。。

書くという行為は、考えをまとめるのに本当に良い方法で、普段気づかない、自分自身の内面に、深く入り込んで行って、問題解決の答えを見出すためにとても重要な作業だと、noteを始めて、改めて気づく事が出来ました。

でも、気を付けないといけないのは、自分自身の事を書くと、物語のようになって、流れが出来て、ともすると、うすっぺらい一見筋の通ったストーリーに、勝手に仕上げてしまって、後ろ暗い本当の気持ちとか、みっともない真実を美化してしまう事が多分にありますので、常にこれに気を付けていかないといけないと、心から思いました。

そして、前回記事の最後の結論である、
「漫画はあくまで趣味として一番好きな物を描いて、本業は別に持つ。」
これなど、本当に小賢しいというか、どうでも良いアドバイスだと思います。

漫画家を目指している方は本当に純粋に描きたくて描いている方ばかりなので、まったくもって大きなお世話です。そのまま描き続ければ良いですし、つまらなくなったらやめれば良いだけの事です。ヒットするかは時の運。ヒット作を描きたかったら色々方法論はあるかもですが、皆さん真剣に情報収集をして、自分なりのやり方で進めておられる方ばかりです。上から分かったような適当な事を書いてしまって本当にすみませんでした。


まとめですが、あらためて、自分の失敗の本質は「後先考えずに漫画の世界に入ってしまったものの、人生の全てを掛けてでも漫画を描き続ける情熱が無かった。」ではなく、あくまで

「何度もチャンスはあったのに、ヒット作を描けなかった。その工夫が足りなかった。」


これだけです。そしてこの原因がどこにあって、どうすればいいのかが分からない限り、再び漫画家に戻る事は出来ないでしょう。

そしてそれは色々思う所はありますが、いまだコレという物は見つかっておりません。これが分かる為には、実践して結果を出すより他は無いでしょう。ですので、皆さまにお伝えする事は何も無いのが残念です。。



長々と書き綴って参りましたが、今度こそ、もう少し核心に近づけたような気がします。最後まで読んで下さって本当に本当にありがとうございました。前回記事を読んだ方の、できるだけ多くの方が、今回の記事を読んで頂ける事を願っております。。



ではでは、いつもスキを頂ける皆様、コメントを寄せて下さる皆様、本当にありがとうございます( ;∀;)励みになっております。

ここ数日で急に秋めいて参りましたので、季節の変わり目、くれぐれも皆さま風邪など引かれぬよう、ご自愛くださいませ(;^ω^)ノシ

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