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田舎はやはり闇がたくさんある。
日が落ちると、さらなる闇の時間となる。

蛍光灯の灯だらけの東京で生まれ育った私は、いつからか黒が苦手となった。
黒い色の服は苦手中の苦手。
私自身は黒は着ないが、性質が魔女だからか、なぜか黒い動物が傍にいてくれると、黒の闇に守られ深く安心する。
今まで カラスと黒猫を飼ったことがある。
今の相棒は黒のラブラドール犬 岳だ。
 

が、闇が多い田舎暮らしに黒い犬はどうなんだろう?と思うことは多々ある。
白い壁の都会の家には黒いラブラドールは映えるだろうが、基本暗い古民家の中で黒のラブラドールは闇に消え去る。
森に入れば入ったで、岳は闇に消え去る。
そう、田舎は闇だらけなのだ。
  

それでも岳は最高だ。
「なんでお前はこんなに黒いんだろう。」
岳を撫でながら、時々ボソッと口にする。
黒いラブラドールの相棒が欲しくて、出会った犬だが、その黒はいつも新鮮に映る。
  

東北の山奥に住んで4年。
黒と言えば、闇と言えば、その色の持つ質に少しは慣れてきた。
絵を描く時も、舞踏の衣装を作る時も、屏風に古布を貼りリメイクする時も、黒は全ての色を映えさせる最大のアクセントとなる。
東北のかっこ良さの根底には、その黒と闇にある。
  

それにしても街灯の灯りが眩しい。
(これを真夜中に書いている。)
2階の寝室のカーテンの、そのちょうど重なり合うところに街灯の灯りがちょうど射してくるのだ。
とは言っても、直線距離で200mも先の街灯だ。
川と道路と田んぼを越えた灯りが、カーテンの隙間越しに、真っ暗な部屋に射して眩しい。
  

太陽舎から見える街灯はそれ一本だ。
良かれと思って町が立てた灯りだろうが、消してもらっていい。
無くていい。
夜は、闇のままがいい。
 

 



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