ほんだ

ゆっくりと前を向いて歩いている。たまに振り返ったり座り込んだり。雨が降ったら傘を差し、…

ほんだ

ゆっくりと前を向いて歩いている。たまに振り返ったり座り込んだり。雨が降ったら傘を差し、遠くの分厚い雲の隙間から溢れる光に胸を熱くする。いつでも追い風に乗る準備は出来ている。

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  • 【とってもスキの本棚】

    個人的に素敵な考え方だな、心を揺さぶられたな、そんなスキな記事を集めました。良い記事は本棚にストン^^

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いただきますと愛の味

僕が好きな言葉、日本語を誇らしいと思える言葉。言葉というコトバも美しいな。 外国人の知り合いに、「いただきますってどう言う意味?」と聞かれる事がよくある。 僕は毎回丁寧に、「いただきます」は食べ物に対する感謝と、食事を作ってくれた人、作物を育ててくれた人、その食事に関わった人すべてに対して感謝する言葉だよ。と伝える。 そうすると皆は納得したようにうんうん、と頷く。 「ごちそうさま」は、その食事によって自分の命が保たれた事、新しい活力を得たことに感謝すること。 フラン

    • Need more crazy speed

      日々のストレスが自由だったあの頃の自分を蝕んで行く。頭の中に霧がかかったような、どうあがいても本来の力の20%しか出せていないようなそんな毎日だった。 仕事も人間関係もうまく行かない。上手くやろうとすればするほどに自分が無能だと言うことを突きつけられるようだった。 「あの子と別れてからそうなったんじゃない?」 突拍子の無い言葉にドキっとした。会えなくなってからの僕の目に映る世界は、確かにどこか色褪せていて、ふとした瞬間に自分はこんな人生を望んでいたのだろうか。と思ってい

      • ひとり言

        ずっと一緒にいたのに、会えなくなってから気付けばもう2年半もの時が過ぎてしまった。始めのうちは、毎日連絡を取り合っては彼女の言葉に一喜一憂していた。喧嘩をしては電話越しに彼女を理解したような態度で謝っていたが、彼女の気持ちを本当の意味で理解出来ていなかった自分は、人が未来を予測出来ないのと同じで相手の気持ちなんて本心を言葉にしてもらわないとわかりっこないのだ。という本心が自分の中にずっと居座り続けていた。それから段々と物理的距離がしだいに心の距離となってお互い喧嘩になるような

        • 傍観者

          ヤフーニュースを読んでいると、〜人が死亡、大規模デモ、BLM、〜人が感染など、もう見慣れてしまったワードばかりが目につく。 行動を起こす起こさないは別にして同情の念を持つのが大方の反応だろう。大変そう、可哀相など。では何も言わずただ冷めたように振る舞うのは悪か。傍観者も加害者と同じ、とはいじめ問題で度々耳にするが、それとは少し違う。僕だってその現場にいるのであればもちろんなにか行動するだろう。問題は、自分の手の届く範囲外の問題について無関心でいる事についてだ。 そんな悪い

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        • 【とってもスキの本棚】
          2本

        記事

          Fête des Lumières ~光の祭典~

          どうもお久しぶりです^^ 12/08にリヨンの光の祭典に行ってきました!12月上旬に行われるこのイベントでは、リヨンの街中が色彩あふれる光に照らされます。 照明技師、デザイナー、造形芸術家、動画クリエイターらの専門チームが作った作品が協会の正面などに映し出され、とても幻想的な雰囲気です。 その他にも川に数千個のキャンドルを流していたり、火を使ったアートショーなど色々と楽しめました! 教会の壁面に映し出される光のアートはストーリーになっており、毎年テーマが違うらしく今年

          Fête des Lumières ~光の祭典~

          雨と猫

          雨に打たれながら、笑っていた頃 びしょ濡れになりながら何かに打ち込んでいた頃 雨に濡れるのを避けて、ズボンの裾を気にする僕 雨に濡れる事を気にしなかったらしたい事できるんだろうか いつから雨に濡れるのが嫌になったのだろうか 書きながら視線を過去へと向ける 雨粒が他人の目だとしたら、雨は僕を萎縮させる 魚は食いたい、脚は濡らしたくないの猫そっくり ハムレットを読んだときに、そんな言葉をみて これは僕のことだと思った 雨の中を傘も差さずに走ったらとっても楽しそ

          雨と猫

          孤独

          僕が小学生だった頃、周りにはいつも友達がいた。実際は友人では無かったのかもしれないが、その時の同級生が求めているものを持っていた。人を笑わせるのが好きで、色んな遊びや言葉を流行らせた。自作のカードゲームを作ってルールを作り、皆にカードを配っていた。 学校では1番背が高かったし、自覚は無かったけれど、カリスマ性があると言われた。周りには金魚のフンみたいにいつも人が付いてきた。山に入って探検する時なんかは、僕がいつも先頭を歩いた。有り合わせの物だけで釣り竿を作って学校のため池で

          良いやつか悪いやつかふたつにひとつってなんかおかしい。

          車を運転していて、ハザードでありがとう、と言われたら「おお、いい人だな」って思うのに、何も言わなかったら「なんだこいつ、ありがとうって言えよ」って思う。 この「いい人だな」ってきっと自分の期待通りになったから、本当は自分の都合の"いい人"って意味だと思う。 物を落とした時に、目の前の人は何食わぬ顔でそこを通り過ぎたら、ちょっとぐらい拾うそぶりをしても良いんじゃない?って不満に思う。 でも、他人のありがとうや善意を強要する事にどんな意味があるだろうか。もともとプラマイゼロ

          良いやつか悪いやつかふたつにひとつってなんかおかしい。

          彼女に連れられ宝塚歌劇を観たら、完全に心を掴まれた話

          大学生の頃、宝塚歌劇が観てみたい、と言う彼女の一言から始まった。 彼女はフランスからの留学生で、知り合ってから一ヶ月も経たずに付き合う事になった。 宝塚歌劇ってあれでしょ、何かあればすぐ歌う人達ですよね知ってます知ってますよそのくらい。でもその類には全く興味ないし、僕は芸術とは無縁の人生を歩んで来たし、フランス人じゃないから分かってあげられないんだ。ごめんよ。 あなたと初デートで観に行ったKyoto Experiment。舞台に並べられたシンバルを男達が真顔でゆっくり回

          彼女に連れられ宝塚歌劇を観たら、完全に心を掴まれた話

          居心地の良い場所

          今日、お客さんとして出会ったおじいさんと少し話した。今の若い人達はあんまり肉を食べないのかな?私らの時代は肉があったら、みんな飛びついてたけどねぇと笑いながら話す。このおじいさんは奥さんと二人で長野のホテルに旅行に来ていた。 少しだけお話よろしいか?と前置きをしてから話しだす。 私は戦前に生まれて、戦時中は空から焼夷弾がたくさん降ってくるような時代だった。逃げ惑いながらも防空壕に逃げ込んだりしてね。その時は本当に食うものが無くて大変だった。 彼には恨みや怒りと言うものが

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          熱帯魚のように個性的で美しく

          僕が熱帯魚に興味を持ったのは高校1年生の時。インターネットか、テレビで見たのをきっかけに飼ってみたい!という思いが抑えきれなくなったので、なけなしの小遣いを握りしめて放課後ペットショップへ行った。熱帯魚コーナーは、当時の僕にとってそこにいるだけでわくわくする空間だった。 水が流れる音。エアレーションやポンプが回る音。照明によって美しく照らし出される小さなガラスの池。そこに無数のカラフルでそれぞれ異なった動きをする魚たち。なんて綺麗なんだろう。 カラフルで大きなヒレをもった

          熱帯魚のように個性的で美しく

          自由と忍耐

          フランス人は自由を発明し、日本人は忍耐を発明した。 僕が知る範囲でのフランス人は自由の為に戦う人々である。自分を守る為、一部の人間だけではなく平等に自由を手に入れる為に生きているように見える。 そもそも自由とは、ルールや規律を重んじるからこそ手に入るものだ。自由を自分勝手や放縦と勘違いしてはいけない。 彼らにとって保守的というのは、あまり良く思われない事で、革命こそが自由を勝ち得る為の術である。 男女平等においては、家父長制を悪の根源と定義し、女性の社会進出、教育にお

          自由と忍耐

          月に恋する女

          私はモノじゃないわ。 そう言って男という生き物に不満をぶつける彼女は、弱くて強い。彼女は、悪意に満ちた不公平な社会で生きてきた。彼女の傷を見るたびに、僕は当たり前の日常が孕む悪意と無神経さに気づき始める。 光の中で生きてきた僕は家族の温もりや恋人への愛を信じて疑わず、フランスで闇を抱えた彼女は人間の残酷さに打ちひしがれ消えていく人間の儚い美しさが真実だと言う。 泣いている人が真実だと、繊細な心が叫ぶ。 生が美しいと感じる僕と、死が美しいと感じる彼女。 そして共通する

          月に恋する女

          光の意志

          人が生活する中で、光は常に人に寄り添い、時に人を励まし、人を感動させ、道を示している。 宗教や神への信仰心と本質的には似ているが、同時に人々の生活に常に寄り添う存在が光である。 ある人はそれを神様と呼ぶし、ある人は全ての生命の始まりと呼ぶ。光は日常にありふれているが、それらは何かを鮮明に映し出す役割を持ち、どんな時であっても力強く眩い。 朝日が登る時、太陽はそれが持つ最大限の範囲に光を放射し、朝露を煌めかせ、河原の石ころ一つに対しても陰影をつける。まるで太陽が、すべての

          光の意志

          大人になること

          大人になることって戦うことと似ているように思う。 社会と戦う、つまり正しいことを正しいって言うこと。 好きなことを好きと言える人。 悲しんだり苦しんでいる人がいたら、手を差し伸べられる人、 こころが広くて大きい人。みんなそうなりたいのに 綺麗ごというなよ、って誰かが言う。 綺麗ごとって、綺麗なんでしょ?なんでそれを追い求めないの。 社会は厳しいんだ、間違っているとわかっていながらもしなければならない時がある。そんな言葉に一種の優越感をもちながら偉そうに誰かがいう

          大人になること

          人嫌いの人

          僕は時にどうしようもなく人を嫌いになる瞬間がある。それはいつかというと、文句を言いたくなっても誰にも言えない時だ。誰も人の文句など聞きたく無いのだから当たり前だが、もし僕が間違っていても、誰かにそうだよね、と言ってもらえると、僕の心はとても軽くなるのだが、そこまで分かって気を遣える人は多くない。人を嫌いになってしまうと一時的に人から離れたくなる。離れて一度自分を整える必要がある。 人を傷付けてしまいそうで、苦しくなる。僕がめったに怒らないのは、決して優しいからではない。人を

          人嫌いの人