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信心深い猫

いつもの散歩道の途中。
 小さな神社があります。
 この神社には、昔から、一匹の黒猫が住んでいます。
 この子は、とても感心な子なのです。
 昨今…
 町に暮らす人間でも、信心深い人は、めっきり減って、神社の前を通りかかっても、ろくにお参りもせずに、素通りしてしまう、罰当たりな人が多い中…
 この猫ちゃんは、毎日、御参りをかかしません。
 朝に夕に、神様の前で、深々とお辞儀して、手をあわせてお参りするのです。

「今日も、御馳走、食べたいニャ~。」
「カツオブシご飯、もらえないかニャ~。」
 あれれ?
 自分のことばっかし、願い事しているぞ?
 いつも遊んでくれている、近所の子供達や、可愛がってくれる、氏子のおばさんの事、なにも、お願いしてないぞ?
 まあ、良いでしょう…
 だって、猫なんですもの。
 猫は、いつだって、マイペースなんですもの…

 神様は、それでも、ちゃんと、お願いは聞いてくださいます。
 おかげで、毎日、行きずりの、猫好きのおばさんや、おばあちゃん達に、おいしいネコマンマを、御馳走になっています。

 しかし…
 困った、事が、一つあるのです。

 御参りをするといえば、社の前…
 鈴を鳴らして、パンパンと手をあわせるのが、決まりごとです。
 だのに、この子ったら…
 境内の真ん中の御神木だの、お祭り間近になると、境内におかれるおみこしの前だの…
 そんなところでばかり、お参りするのです。
 しかも、しかも…
「神様、お願いだニャ~。」
 お願いしたい事だけ、お願いすると、あとは、神様なんか、そっちのけ…
 今、手をあわせたばかりの御神木や、御神輿の前で、ごろニャンと寝転がってしまうのです。
 全く…
 しょうのない子です。
 
 見かねた、私が…
「ほらほら、お参りするのは、賽銭箱のある、あのお社の前なんだよ。」
 いくら、教えてあげても、聞くものではありません。
「だめじゃないか、お祈りした矢先に寝転がるなんて…お行儀悪いよ。」
 言っても、聞くものでもありません。
「うるさいニャ~。」
 と、片目つぶって、ニャ~ゴニャ~ゴ鳴きながら、私の足元で、ゴロゴロ転がり続けます。
 まったく、しょうのない子です。

 こんな、しょうの無い子だけど…
「神様、どうか、この子に、今日もご利益をくださいね。」
 私は、神社の前で、この黒猫ちゃんの姿を見かけると、そう、お祈りをして、いつも帰るのです。

 画像は、韓国出身の女優、知英さんの飼い猫、レオンです。

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鈴木康仁

はじめまして。日韓アイドルが大好きです。特に韓国のアイドルグループaprilのジンソルさんのファンです。将来、映像化してたら、ジンソルさんを初めとするアイドル達に出演して貰おうと言う妄想を抱きながら執筆する、創作小説を掲載します。宜しくお願いします。

玉手箱(童話集)

コメント2件

カバー画像がかわいすぎます。
猫専用のお参り窓口でもあるのですかね。
磯貝剛さんへ
ひょっとしたら、あるのかも知れませんね。
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