U18侍ジャパンのメンバーを考える

夏の甲子園もいよいよクライマックス。深紅の大優勝旗の行方も気になるところだが、大会後には、韓国で開催される第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップが控えている。今回は、そこに臨む20名のメンバーを勝手に考えてみたい。その陣容は以下のとおりだ。

<投手>(9名)

佐々木 朗希(大船渡・3年・右)

奥川 恭伸(星稜・3年・右)

西 純矢(創志学園・3年・右)

宮城 大弥(興南・3年・左)

林 優樹(近江・3年・左)

浅田 将太(有明・3年・右)

遠藤 成(東海大相模・3年・右)

飯塚 脩人(習志野・3年・右)

玉村 昇悟(丹生・3年・左)

<捕手>(2名)

有馬 諒(近江・3年・右)

東妻 純平(智辯和歌山・3年・右)

<内野手>(6名)

武岡 龍世(八戸学院光星・3年・左)

石川 昂弥(東邦・3年・右)

森 敬斗(桐蔭学園・3年・左)

坂下 翔馬(智辯学園・3年・左)

紅林 弘太郎(駿河総合・3年・右)

内山 壮真(星稜・2年・右)

<外野手>(3名)

井上 広大(履正社・3年・右)

来田 涼斗(明石商・2年・左)

齋藤 来音(静岡・3年・左)


まず投手については、左右のバランスはもちろんだがタイプが極力重ならないようにした。また、20名という限られた登録人数となることと、指名打者制の採用を受け、野手として戦力になる選手を選出した。なかでも、宮城・浅田・遠藤は野手としても力を発揮してほしい。個人的には、佐々木のセンター起用も見てみたいのだが、恐らく許されないだろう(笑)。センターを守っても、とてつもない選手になると思うのだが・・・。

佐々木、奥川、西の3本柱の実力はいうまでもない。いずれも今年のドラフト会議での1位指名が濃厚だ。3本柱を中心に先発を形成したいが、佐々木の「最大値」を生かすために佐々木を抑えとして起用するのも面白い。勿論、リリーフ専門の投手も必要となるだろうから飯塚をエントリー。2016年の堀瑞輝(広島新庄→日本ハム)や、2017年の田浦文丸(秀岳館→ソフトバンク)のように頼れる左投手が現れる。今年はその役割を林に任せてみたい。先述の2名のような球速はないものの、チェンジアップとカーブのコンビネーションは一級品だ。

最後の玉村については、宮城を野手で起用した場合、左投手が林のみとなることから、左投手を1枚加えた形だ。140キロ台のストレートは林にはない特徴だ。及川雅貴(横浜・3年・左)の名前がないのは寂しい限りだが、快刀乱麻の投球の一方、投げてみないと分からない脆さも同居しているため、今回は選外とした。是非WBCのマウンドで観たい投手なだけに、時間をかけて力をつけてほしい。

次いで、捕手については有馬と東妻を選出した。有馬は正捕手としてだけではなく、チームリーダー(主将)として期待している。東妻については、山瀬慎之助(星稜・3年・右)、藤田健斗(中京学院大中京・3年・右)ら候補者はいたが打撃を含めた総合力で東妻とした。

内野手は最も選出が難しかった。真っ先に選出したのは、意外と思われるかもしれないが内山だ。腕利きの選手が揃う内野手、特に遊撃手は多数いるだけになぜ彼か。それは、内山には「第3捕手」という付加価値があるからだ。捕手もこなすことができる内山を登録することによって、捕手登録の選手を2名にとどめることができる。万一の備えとして、彼の力は不可欠だ。

右の中軸候補として真っ先に名前が出るのは石川だ。金属バットから木製バットに移行する期間に開催される大会だけに、木製対応が心配されるが、今夏の早期敗退によって甲子園大会に歩を進めた面々より早く移行できるだけに期待したいところだ。

武岡、坂下の両名の選出理由については正直に言うと筆者の好きな選手だからだ。ただ、そうでもしなければ選出できなかった。韮澤雄也(花咲徳栄・3年・左)や土田龍空(近江・2年・左)、黒川史陽(智辯和歌山・3年・左)と左打ちの選手だけでも錚々たる顔ぶれ。断腸の思いだったことは理解いただきたい。

将来性という観点では、紅林の右に出る選手はいない。186センチの超大型遊撃手だが、ディフェンスに魅力があるのは面白い。送球に破綻がなく、方も強い。また、長身だけにリーチが長く、思わぬところから腕が出てきて、「抜けた」と確信した打球も届いてしまう。今までの遊撃手の概念を壊す選手になってほしい。打撃も引っ張っては草薙球場の上段まで放り込むパワーがある。サイズは違えど、今宮健太(明豊→ソフトバンク)の高校時代を思い出すような打撃だ。

選出された内野手の顔触れをみると、本職の一塁手が不在なのは気がかりだろう。山村崇嘉(東海大相模・2年・左)を筆頭に候補者はいるものの、起用法が限定される選手が多く、今回は見送ることになった。選出できる選手が少ない国際大会ならではの悩みだ。清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)クラスがいればよいが・・・。この問題は、内山の選出と表裏一体なのだ。昨年ならば、根尾昂(大阪桐蔭→中日)というスーパーマルチプレイヤーがいたが、そこを嘆いても仕方がない。

そして、外野手について。2年ながら来田は当確。右の大砲候補として井上も是非加えたい。清宮や安田尚憲(履正社→ロッテ)を擁した2017年を除くとどうしても野手陣が似たようなタイプに偏りがちだ。指名打者もあるだけに大砲候補はいてもよいのではないか。齋藤については身体のコンディションが問題ないなら是が非でも招集してほしい。津田学園戦での2安打はインパクト十分だった。プロの選手だと丸佳浩(読売)を彷彿とさせるタレント揃いのポジションだけに桃谷惟吹(履正社・3年・右)を筆頭にチームに加えたい選手は多数いる。

最後に、内野手登録となっているが森をセンター起用するプランを個人的には温めている。ショートの守備において送球に若干の不安を残すだけに、センターとして能力をフルに発揮してほしい。

以上、私の独断と偏見で選出した日本代表の顔触れである。

本日、日本代表の顔触れが発表される日だったため、昨日までに本来は公開したかった。結果的に後出しじゃんけんのような形となったが、実際の日本代表の顔触れと比較して「あーでもない、こーでもない。」と多くの方の話題になってほしい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?