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そこ気にする? いや、気になること

数日前にある量販店のカスタマーなんたらのなにがしと名乗る人から電話があり「以前に登録いただいたお客様に保険のご案内を…」と言う。
確かに利用したことのある量販店であるし、数年前に購入した商品のメーカー保証にプラスして延長の保証を申し込んだ記憶がある。
「保険会社の方から登録いただいております番号に保険の案内のお電話をするように手配してもよろしいでしょうか?」そのようなことをちょっと早口で言うので、つい「はい」と答えてしまった。
電話を切って少し冷静になって考えてみると、生命保険だか傷害保険だかと言っていたような気がする。量販店からそんな電話が掛かってくるのだろうかと思っていたところに、さっきとは違う番号から掛かってきた。
なんだか大手の商社のような社名と自分の名を名乗り「保険の紹介をさせていただきたいのですが、数分ほどお時間よろしいでしょうか」と言う。
前の電話の時とは少し声のトーンが違っていて別人なのは分かった。この人も早口でしゃべる。
「今から出かける用があって、深夜まで電話は取れません」と伝えると「後日掛け直します」と電話を終えた。
帰宅が遅くなることが予想されていたことは本当だけど、実はすでに出先にいて忙しいタイミングではなかったので電話に出ることができたという状況だった。
掛かってきた2件のフリーダイヤルの番号を検索してみると、先の電話は量販店の番号であり、後の電話は社名はわからなかったが保険の勧誘をしてくる番号ということが判った。
明日以降また掛かってくるなんて面倒なことだなと思った。

次の日の夜とその次の日の夕方に電話があった。どちらも仕事中で、取れないこともないタイミングだったけれど表示された番号だけを確認して手帳型のケースを閉じた。
更にその翌日の昼過ぎに掛かってきた。画面で番号を見て今回も取らないでおこうと思ったけれど、画面に指が触れてしまったようで相手の声が小さく聞こえてきた。
こうなっては切るわけにもいかず渋々対応すると、やはり社名と名前を名乗り僕の電話であることを確認してきたので「電話を取れずにすみません。今も仕事中でして」と言うと「ではまた掛け直します」と言う。このままじゃまた明日も電話が来ると思って「生命保険の件でしたら加入する意志はありません。友人の紹介で加入している保険がありますので」と言うと「わかりました改めてご検討いただけるときにはよろしくお願いします」「はいわかりました」と言って切った。
これでもうこの保険屋さんからの電話はなくなるはず。最近言われる電話恐怖症じゃないけれど、この3日間は電話のことが気になって、なんだか不安でしょうがなかった。

電話の人も大変なのだろう。一体一日にどのくらい電話を掛けるんだろう。保険の契約なんてそう簡単に取れるものでもないだろうとは思う。
それでも僕にとって必要のない電話が掛かってくるのは煩わしいこと。きれいな声で丁寧な言葉遣いの人とお話できてよかったなんて思わない。嫌なこと。しかし最初の電話で案内を受けることに同意している。きちんと確認はしてはいないけど「はい」と言ったのは僕なのだ。僕が招いた。そのことを悔やんだ。
もっと注意していたらあんな思いはしなかった。一度承知したんだから仕方がない。相手は僕が嫌がってることなんて関係ない。
こんなこと、よくあることだと言う人がいると思うし、大げさだと言う人がいると思う。お前が悪いと言う人がいると思う。自分も同じような体験をしたという人も、自分はもっとひどい目にあったという人もいると思う。話せない人も…。僕が最初にNOと言わなかったこと。
僕の件は本当にあったことだけど「たとえばこんな話があってね」って。

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