散歩する侵略者

行方不明の夫が記憶喪失で発見され、一方別の場所では一家惨殺事件が発生し女子高生だけが生存。その両者がいささか奇妙な言動を取る。という何とも興味をそそられる導入部から始まるSFサスペンス。

明確な何かを示すわけでもなく、観客に何かしらを感じ考えて欲しいという作りは見終わった後伝わってくるものの、登場人物の場当たり的な行動や都合の良い展開にいささか引いてしまい没入する事はできなかった。

映画に限らず日本のSFサスペンスものにありがちな、設定と導入は素晴らしいのに〆かたが非常に残念でチープと言わざるを得ない作品に無事仲間入りといった感想。世界規模で起こっている事象と登場人物たちの機微というコントラストも、そのどちらをも明確に描かない事で不安や恐怖といったサスペンス色を強めるよりも、全体がぼやけてしまうという結果になっていて残念。設定と導入が素晴らしいだけに物語後半の強度がないと逃げたというかうやむやに誤魔化したような印象が拭えない。

長澤まさみの美貌に加点1点。

3点

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