きみも、ひとりじゃないから


はやる気持ちを抑えきれず、背もたれによしかかることなく大阪へ向かう。
わたしがどんなに焦ったところで開演時間は変わらないけど、いつもとは少し違う気持ちで。
なんだかとってもNEWSに会いたかった。
会ったって別に、特別なことはしてあげられない。
いつも通りコンサートを楽しんで、いいステージだったな、って無事に家に帰るだけ。
でもなんだか、とにかく、同じ空間で同じことをしたかった。
行く前に聞いてたアルバムで涙するほど、何か大きな気持ちがあった。
それがなんなのかわからないままコンサートは始まったんだけど、オープニングだろうが2曲目だろうがダンスナンバーだろうが、お構いなしに涙がぼたぼた出てくる。
某曲まで辿り着いてようやく気がついた。
「ああ、わたしはこの場を失うことがとてつもなく怖かったんだ。」って。自分の不安に気がついた。

自分たちの手に負えないほど大きな何かに飲み込まれてしまいそうで怖い。
大きな黒い手が、自分の大好きな人たちの肩に手をかけているような気持ちになってしまっていた。
ついこの前友達に「思っていることを文字にできない」と話していたところだった。
ところがどっこい文字にできないどころではない、わたしは自分の感情に対してあまりにも鈍感だなと思った。

コンサートという場を愛してやまないアイドルを好きになってしまったから、わたしはコンサートの自担が1番好き。
とてもとてもいい歌を歌うアイドルを好きになってしまったから、歌ってる自担が1番好き。
なんのフィルターも通すことなく、誰に言わされるでもなく、真っ直ぐ感情が届くから、コンサートが好き。

わたしの大好きな人が歌う場所が無くなるのが1番怖い。
一曲一曲を噛み締めるように聞いた。
こんな素晴らしい歌詞を書いてくれた曲をずっと歌ってほしい。
はじめてあなたを好きだと確信したこの曲を歌ったあの日から、どれだけの想いを重ねてステージに立ち続けてくれたのか。
傷付いても形を変えても、いつも今が最高だと思える歌を歌い続けてくれること人たちが何をしたというのか。
私たちはただ、歌っていたいだけなのに。

事務所の中でもトップクラスでオタクと一緒に歌うことを大切にするこの人たちから、歌う場を奪わないでほしい。
わたしは何をしたら良いのかもわからずに、歌えと言われれば歌い、手を振れと言われれば喜んで手を振る。
こんな風に、同じ空間で同じことをしていると、なんだかとっても安心した。
NEWSを励ましたかったのに、なぜか私が安心して帰ってきてしまった。

最後の挨拶で30年周年も40年周年も50年周年も、と未来を語る。
そうやって心を奮い立たせているのかもしれない。
そんな覚悟に触れて、じゃあNEWSがNEWSでいる限りわたしはNEWS担でいる!と姿勢を正すオタクがいるのも事実だ。
1人じゃないから、といつも伝えてくれてありがとう。
でも絶対忘れないで。
NEWSも1人じゃないから。
わたしにできることは少ないけれど、ずっとあなたたちを信じてる。