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96番 花さそふ 嵐の庭の雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり

花さそふ 嵐の庭の雪ならで
ふりゆくものは わが身なりけり

入道前太政大臣

訳:桜の花を誘い吹く嵐が、まるで庭を雪のように花びらを降らせているが、実は雪ではなく年老い古りゆくのはわたし自身なのだなぁ

決まり字「はなさ」




あらためてこの歌の一つ一つの意味やその現代語訳などを調べていて、なんと情景と言葉の対比の美しい歌なんだろうと。

幼い頃もただただ語感が好きだなぁと思っていた半面、あまり目立たない歌のようにも感じていた気がする。

花ではじまる歌といえば、小野小町の「花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに」の方が、子どもには覚えやすかったためだと思う。

そしてまさに、この小野小町の歌を本歌としているとのこと。
と思ってあらためて並べてみると掛け方がいいなーーー。
大人になって良さを実感する歌でした。


そして、作者の入道前太政大臣、藤原公経(ふじわらのきんつね)。
100から遡ってきて初めて、今回調べるまでお名前すら認識できていない方でした。(不勉強)

撰者である藤原定家の義理の弟という関係値もあり、
また、定家が撰んだ「新勅撰集」には、公経の歌が30首も入っているとのことで、97番の定家の歌と並んで96番におかれているのも納得。


今回調べていて思ったのだけど、
大河ドラマの鎌倉殿の13人、百人一首の人物をしっかり学んでから見ればよかったなーと少し後悔。
途中まで見て追いつけなくなってしまったのだけど(毎年意気込んでこうなってしまう…)、知識があるだけでもっと楽しめただろうなと。

もう少し学びつつ、大河なども振り返って見てみよう。
まずは来年の光る君へ。来年こそは、来年こそは一年通して見続けたい。


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