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98番 風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける

風そよぐ ならの小川の夕暮れは
みそぎぞ夏の しるしなりける

従二位家隆

訳:風がそよそよと音をたて、楢の木の葉を揺らしている。
ならの小川の夕暮れはすっかり秋めいているが、みそぎの行事(六月祓)が行われていることだけが夏のしるしであるなぁ。

決まり字「かぜそ」



従二位家隆は藤原家隆のことで、後鳥羽院の時代の代表的な歌人とのことでした。

作者のことはあまり認識できていなかったけど、昔からなんとなく好きな歌。幼いながらに音の響きがきれいな句だなと思っていた。

夏と秋の境目、揺らいでいる季節
この時期は必ずフジファブリックの若者のすべてを聞くのだけれど、この曲を聞いたときに感じる切なさと似たような気持ちになる歌だなと思っている

昔に詠まれたものと、現代の音楽から、似た気持ちを受け取るのは
しっかり学んだ方や作者にとってはもしかしたらあまり良いことではないのかもしれない(不勉強で失礼かもわからない)けど、

わたしにとっては、心を潤してくれる句も音楽も素敵で、時間を超えてそのかけらをちょこっと受け取れた気がして少しうれしい。


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