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【映画本】ホラー映画で殺されない方法

ごきげんよう。雨宮はなです。
過去の記事で、「どうして主人公たちは殺してくれと言わんばかりの言動をとるのか、そう見える理由について」という話をしました。つまらないことを言ってしまえば「それが映画だから」なのですが、そうじゃない、こうするべきなんだという考え方と方法を教えてくれる非常にありがたい教科書を発見したので紹介します!

今回私が紹介するのは「ホラー映画で殺されない方法」です。

知って、

 スマートフォンの画像フォルダ内を断捨離していてメモ代わりに撮影したのであろう、本の写真を何枚か発見しました。映画の元ネタの小説だったり、映画内で紹介されていた書籍だったり。映画関連本の写真が並ぶ中にコレはありました。
過去の私は出先でふらりと入ったブックオフでこの本と出会っていました。購入にいたらなかったのはおそらく、お財布の中身が映画のチケットやドリンク代に消え手持ちが無かったか、もしくは部屋のものを増やしたくないという断捨離思考の結果でしょう。もしくはその両方かもしれません。

それにしても、印象深いタイトルです。「ホラー映画で殺されない方法」。よくホラー映画を観る人間の一人として、ぜひ知っておきたい情報です。なぜって、自分がいつ映画の中と同じ状況に置かれるかわからないからです。
怪奇現象やサイコな殺人犯から絶対に逃げ切った完璧なホラー対処のプロによるものでなかったとしても、ホラー作品を作るプロの見解は知って起きたい。生存確率を上げるために。
私はいそいそと図書館へ向かいました(手に入れるか、借りるかという決断において断捨離思考が勝ちました)。

読んで、

 はっきり言って、これほど真面目に書かれているとは思いませんでした。きちんと、その状況に至るのに正解であろう背景の解説から、キャラクターにおける役割、事象における対処方法までがしっかりと書いてありました。
素晴らしかったのは、フィクションにジャンル分けされるものだけでなく、サイコな殺人犯(つまりは実在する人間)も扱っていたこと。

例えば、ジグソウ。
あのシリーズがフィクションだということは誰もが知っていますが、観た人が抱くであろう感想は「痛そう」「自分はやりたくない」だろうし、人によっては「どうしたら助かるのか」「そもそも選ばれずに済むのか」を考えることがあったはずです。それが、きちんと書いてある。

『エクソシスト』や『死霊館』や「なんちゃら・オブ・ザ・デッド」系の話だけでなく、ちゃんと「怖い人間」を扱ったことがこの本を素晴らしいものにしているといえるでしょう。

楽しんで

とはいえ、基本的には「ありえないこと」の集大成です。しごく真面目に語られているし、しっかり情報も載っているけれど、全力で真面目におふざけをしているに過ぎません。それをこちらはやっぱり真面目にしっかり読んでしまうわけです。

おふざけに対して真面目に取り組むのって、非常に楽しい!読みながら、「あの作品でいうと、こういうことか」「ああ、確かにキャシーはビッチ枠だったよ」なんて自分が鑑賞した作品にあてはめながら読み進めれば終わりを迎えるのはあっという間でした。文体が語り掛けるような表現で、まるで講義を受けているようだというのも、読みやすさと楽しみやすさの理由のひとつでしょう。

ホラー映画に怖がってしまう…つまり制作側の策略に素晴らしいほどにハマってしまうのであれば、あちら側の情報を先に頭に入れてしまえばそこまで怖がる必要がないことに気づくはず。
「観てみたいけれど怖くて見られない作品がある」という人は、死なないための情報を知っておけば(対処できる状態の自分にしておけば)怖がらずに作品を楽しむことができるかも。

カレンダー上では夏が過ぎました。ホラー作品の勢いも収まってきた今のうちに知識と見解を深め、さして怖くない季節に鑑賞してみたら、次の夏には映画館でホラー作品を楽しめるようになっているかもしれません。その準備のために、いかがでしょうか。

今回も最後まで読んでくれてありがとうございます。
ではまた次の記事で。ごきげんよう。


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