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HIPHOPと都市・まち〈松戸編〉ストリートカルチャーを体験するイベントXP19

HIPHOPを聴き始めたのは最近で、不勉強なのだけれど、惹かれる理由にあるのが、他者へのリスペクトと都市との関係だ。

もっとも有名なのが、コンプトンとN.W.Aだろう。1986年にそれまで全く無名だったまちからデビューアルバムの名の通り「ストレイト・アウタ」した。彼らはまちで起きている〝クソみたいな〟惨状をラップにのせた。
ワルぶっているからわかりづらいけど、全米に発信することでなんとか地域の悲惨な現状を知ってほしいという思いがあると感じた。
彼らは犯罪以外でスターになる/儲ける方法を若者に示したし、観光資源にもなって地元に貢献した(迷惑もかけているけれど)。

…って脱線しちゃうし、私の浅い知識にツッコミ入りそうだからこの辺にしとく。

日本でもこの地元を誇り発信する「レペゼン」の例はある。
N.W.Aのようなギャングスタではなく、「まちの頼れる兄貴」「地元を盛り上げる人」という存在だ。

松戸×DELI(NITRO MICROPHONE UNDERGROUND)

9月21日、22日の2日間、松戸中央公園で「XP19」(EXPERIENCE STREET CULTURE 2019)が開催された。XPは2018と2019春に続き3度目の開催。松戸市文化観光国際課が後援していて、松戸市のHPにも告知が出されているのが、すごく素敵。

スケートボード、クライミングウォール、トランポリン、ペイントアート、ヒューマンビートボックス、ローラースケート、縁日体験などのワークショップ、MCバトル、3×3バスケ、ダンスバトル、ヒップホップアーティストによる音楽ライブなど松戸でストリートカルチャーを感じることのできる2日間です。

出店ブースには地元の飲食店が並び、ステージでも松戸出身のアーティストたちがパフォーマンスする。まさに松戸をあげたお祭り。

こんなヒップホップなイベントが成立する背景に、松戸をレペゼンするDELIの存在がある。
DELI氏は現職の松戸市議でありながら、今年再結成した、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのメンバーとしても知られる。

DELIのHPには「俺たちの日常に横たわるジェネレーション・ギャップやカルチャー・ギャップをクロスオーバーするべく自分が自分の物語の主人公になるんだという精神的自立」という言葉がある。

このイベントには子どもの姿が本当に多く見られて、LIVE見ながら踊る屋台のおじいちゃんは地元のラッパーたちと握手を交わす、ジェネレーション・ギャップやカルチャー・ギャップが埋まっているそんな光景を、私は確かに見た。

誰でもアクセスできる、日常の景色である公園という場所性もいい。

ちょっと脱線しちゃうけど、この松戸中央公園は、松戸競馬場→陸軍工兵学校→千葉大学工学部、という土地の記憶を経ている。松本哲夫さん(剣持デザイン研究所)もここの出身で、その辺のお話をうかがっていたので個人的に盛り上がるポイントでもあった。

今も大正9年造の旧陸軍工兵学校の煉瓦造の正門が残る。

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EXPERIENCE(体験)する STREET CULTURE

会場では、中学生と3on3の選手との対決があったり、最年少は10歳の男子も登場するSkate jam sessionのパフォーマンスも。ジェネレーションMIX。

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隣町、柏の刺繍屋さん「刺繍 縫 -nui-」が出店していたので、その場で帽子と糸を選んで「XP」の刺繍をしてもらった。可愛い。コットンキャップ2000円、3Dキャップ3000円とお手頃で、会場内にもたくさん被っている人がいた。

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ステージでは、ヒップホップライブとともにグラフィティーアーティストTOMI-E鬼頭(from ACC)のライブペイントが。ワールドクラスの技が目の前で、迫力。

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AFRAのビートボックスは超絶技巧すぎて、もうどう発声しているのかわからない。喉の奥に4人くらいいるみたい。

こんな世界的に有名なアーティストたち(本当にすごいメンツ)が共演しているのを直近で見れるって、松戸の子どもたちは幸せだ、超英才教育。
異なるたくさんの文化に触れることはきっと将来に何かしら好影響を与えるし、憧れは人生の選択肢を広げる。
それが地元で起こっていることが、自分のまちを誇るプライドにもつながる。
本当にいいイベントだなぁ。

(素人撮影なので音声割れてて魅力が伝えきれてないけど…)

トリはDELI含むNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのLIVE!今日イチの熱気。

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最後にはステージに子どもたちも上がって歌い、踊る。

(ニトロのこと書き出したらとめどなくてそれがメインになっちゃうから、今回は割愛)

ヒップホップとかストリートカルチャーってどうにも「素行が悪い」イメージが付きまとうのだけれど、決してそうではなくて、根本には「他者への尊敬」「地元愛」「文化の継承と革新」「社会への貢献」がある。

このイベントでも、千葉の災害のための募金や、「フードドライブ」(まだ食べられるのに様々な理由で捨てられてしまう食品を家庭から寄贈してもらい、必要とする人や子ども食堂などに無償で提供する活動)も行われていたし、このイベントを続けるためにマナーを守りましょうというアナウンスも何度も聞かれた。

1%の素行の悪さに対する誤解や偏見が、99%の文化の創造や子どもの未来の可能性を削いでしまうのはもったいない。

ストリートカルチャーはまちの宝だ。

ジェネレーション・ギャップやカルチャー・ギャップをクロスオーバーしていく松戸市の試みに刺激をもらった1日だった。

来年もぜひ、松戸で。

(文章雑なので書き直すかも)





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