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OKOJOに会えた

 2023年12月14日

 トンツカタンの櫻田さんが誘ってくださり,学生天国というライブに行った.そして,ついにOKOJOの生演奏を聴いた.


 高校三年の頃から聴いていて,ずっと好きだった.初めて聴いたのは,サイチェン・マイフォーチュンという曲で,塾の夏期講習に行く朝のバスの車中でずっと聴いていた.声が気持ちと直結しているような気がして,すっと身体に入ってきた.曲中の季節は秋なのだが,なんとなく空が高くなっていくことも感じてしまう.

 2020年5月にワンマンライブをやるとのことで,行こうと思った.自分か
ら音楽のライブに行くのは初めてだった.でも,コロナが始まり,ライブは無くなってしまった.そこから,失恋や休学など,僕の周辺環境が変わり,今の今まで,ライブに行けずじまいだった.

 そんな間でも,辛い時は,OKOJOの曲を聴いていた.なぜかいつも聴くときは,バスや電車の中だったと思う.


 トンツカタンの櫻田さんもOKOJOが好きで,それがあって,誘ってもらった.その時点ですごく嬉しいのに,その上に大好きなOKOJOの演奏も聴けるなんて,湧き上がる興奮が止まらない.せっかくだから,OKOJOの全曲を総復習して向かった.

 櫻田さんとは,会場の前で集合した.僕は興奮で少し震えていた.そこから,チケット売り場へ向かう.ライブに慣れていないので,櫻田さんについていった.ロッカーで荷物を預けて,ドリンクを一杯もらって,さあ会場へ.ずんどこずんどこ盛り上がりを感じる.

 ただ,今回のライブは何組かバンドがいるライブであり,僕らが入ろうとしたとき,転換時間で何やらDJの企画コーナーの最中だった.客席で大きな円を描いて全力疾走している五十人ぐらいのお客さんと,それを見て盛り上がっているお客さんで溢れていた.塊のような歓声がずごんずごんと会場の外へ響く.ぶっ壊れるんじゃないか.

 櫻田さんが「入りづらいなぁ」と笑っていた.僕も同じ気持ちだったので,「そうですねぇ」と言った.仕方ないので,転換が終わるまで,二人で外で待つことにした.その間,お互いの好きなバンドについて話した.

 櫻田さんは詳しくて,すごく楽しかった.僕はずっと一人で閉鎖的に音楽を聴いていたので,こういう話が出来て,嬉しかった.僕はyonigeも好きで,櫻田さんも好きで,今度行こうかと言ってくださった.そんな立て続けに好きな方に会えたら,喜びの負荷がかかりすぎて,はちきれそう.ぜひお願いします,と言った.


 そして,転換が終わり,会場内へ.そこからはあっという間だった.

 見惚れてしまった.ぎゅいぃぃぃぃん.音が目に見えるようだった.ずだだだびゃぁぁぁぁん.口が開きっぱなしだった.ぐあんぐあんぐあん.櫻田さんと一緒に後ろの方で,じっくり楽しんだ.一瞬たりとも逃さないように.やっぱり音楽はすごい.

 サイチェン・マイフォーチュンを聴くことが出来た.僕にとっては出会いの曲だから,それがすごく嬉しかった.

 OKOJOの演奏が終わって,会場の外へ出た.激しい音圧で,やっぱり震えていた.ふわふわしていた.もっと聴きたかった.

 そうしたら,櫻田さんがOKOJOのメンバーの方々に挨拶に行こうか,と言った.えぇ,会えるんですか,ぎゃあ,嬉しい恥ずかしい嬉しい恥ずかしい.もっとお洒落な服にして来ればよかった.OKOJOのパーカーは着ていたけれど,もっと似合うズボンがあった.手汗がひどいのに,唇はどんどん乾燥する.櫻田さんには感謝しかない.ぜひお願いしますと言った.


 そして,なんと挨拶をしてしまった.この段階へ来るまで予想していなかった.もちろん,芸人がバンドやアーティストのライブで行き,その逆もしかり,お互いに知り合う,というような事例を幾度も見てきたけれど,自分がそうなるなんて想像するのさえおこがましく,僕はこっそり陰から見守って生涯を終えようと決めていた節まであったのに,のにだ,うそうそだ,認知,認知ってすごい,ぐぇえ,ああ,ずぁあ.


 もちろん,一回挨拶しただけで,それだけで威張るのも勘違いも甚だしいため,これから,どんどんOKOJOのライブへ行って,応援しようということだけ決めた.

 まつしたさんとヤマトさんのお二人だけしか会えなかったが,すごく優しくて,一緒に写真を撮ってもらった.櫻田さんは僕の事を「あめんぼだ,よろしくな」とだけ紹介してくれたので,それだけじゃ誰だか伝わらないでしょうよ!と返して,和気あいあいとした雰囲気さえあった.

 とにかく夢みたいな時間だった.あと,ヤマトさんが若干僕に似ていた.僕はたびたび○○に似ていると言われるが,その○○があんまり嬉しくないことが多い.だが今回はめちゃくちゃ嬉しかった.改めて,ヤマトさんと櫻田さんと僕で写真を撮った.この際,僕は自分のスマホをまつしたさんに渡して,撮ってもらった.このスマホは一生大事にしようと思った.


 櫻田さんがグッズを買ってあげるよと言ってくださり,タオルとキーホルダーを買った.家に飾ろうと思った.宝物がまた増えた.


 帰り道,櫻田さんといろいろお話しした.僕は,イヤホンで聴くだけに留まってましたが,ライブで生音を聴くと腹の中に響いて全然違いますねと伝えた.本当に楽しかった.


 一人でももちろん,櫻田さんともまた行けたらいいなぁと思う.

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