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序章

吾輩は猫である。名前はまだ無い......と偉大なる先猫のマネをして言いたいが、残念ながら名前はある。
忌々しいその名は、ペショコという。普段は「ペショコさん」だの「ペショ」だの「オペショ」だの「バカペショ」だのと呼ばれている。最悪である。もっと見た目にふさわしい情緒ゆかしく美しい名前にしてほしかったと思わない日はないが、話が進まないので名前に関する怨嗟の念は後述することとしよう。
マジでキュートな雌猫だしまだ1才になって間もないピチピチのギャル猫なので、「吾輩」の一人称にもムリがある。だから「ウチ」って自称させてもらうことにするね。
 どこで生れたか、ちゃあんと覚えてるよ。ニンゲンの、まあまあハンサムな若い男の部屋で、かあさんと3匹のきょうだいと一緒にヌクヌク毛布にくるまれてたの。かあさんはウチに似てまあまあキレイだけどビッチでね。どっかの野良と子どもをつくって、元いた家に追い出されたらしいの。そこを、ニンゲンの男に助けられたんだって。マジロマンスだよねー。いい男だったな、彼。優しく撫でてくれるし、一緒に寝てくれるし、毛布やクッションがいろんなところに敷いてあるし、知らん女をのべつまくなし連れ込まないし。
幸せな日々だった。

あの女が現れるまでは。

彼があの女を部屋に連れてきたのは、去年のちょうど今ごろ、ある暑い晩のこと。
どこの馬の骨か知らないけど服もだらしないしルックスも冴えないし彼に対しても馴れ馴れしいから、なんか気に食わないと思ってた。
「どの子にしようかな~」
なんて嬉しそうに言いながらきょうだいたちを眺めてるから、ウチ、すっごいイヤな予感がしたんだよね。
きょうだいはみんなバカだから、めずらしいニンゲンの女の来客に舞い上がってはしゃいでたけど、賢いウチはベッドの下に隠れたり、用もないのにトイレの周りをうろついたりして、あえて素っ気なくしてたんだよね。
そしたらその女、急にウチのこと抱きあげて「この子に決めた!」って。

はっ?

「わたしに似て、いちばん元気がないから、この子にする」

......マジ失策、マジオチャメ☆

縋るような思いで見上げた彼は、すこしさみしそうに、優しく微笑んでた。
「その子はね、オレがいちばん可愛がってた子だから。ユウさん、大切にしてね」

生後2カ月、初めての失恋だった。

......あとで聞くとその女はADHD(注意欠陥多動性障害)というニンゲン中でいちばん獰悪な種族であったそうだ。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。 このADHDというのはときどきウチラをも呆れさせるほど愚かしく見えるという話である。ただ彼女の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかドキドキしたイヤな予感があったばかりである。

これから不定期になるとは思うけれどこの女(名前はユウ)とウチ、ペショコの、まあ楽しくも多難な生活を書き綴りながらこのADHDの仕様・生態・不都合などをお伝えしていけたらと思ってる。
質問や意見は質問箱(https://peing.net/ja/ameni1952?event=0&event=0)か、コメント欄かリプライか、もらえたらなるべく読むようにするよ。

でも、ウチはまだ1才になったばっかりのピチピチのギャル猫だから、まあ当然だけどウチの言うことよりは周囲の親身になってくれる人の意見を、そして周囲の人の意見よりは専門の医学書、あるいはお医者さんの診断を重視してよね!

何かのかたちで、二ンゲンの善男善女のみなさんの役に立てたら幸いです。
ウチの超キュートな写真もたくさんアップしてくから、読んでくれたら嬉しいな。
いいね!とかRTとか、スキ!とかオヤツ代くれたら、もっともっと嬉しいよ!

またねー♡♡♡



最後に、夏目漱石氏、夏目漱石の愛猫氏へ最上の敬意と敬愛を表するとともに、このような形で作品の一部を拝借することについて、断りを入れさせていただきます。

オレはどうしようもない人間だけど、文章を読んでくれる人がいるから生きていられます。もし、サポートしてもらえたら、きっと寿命を延ばすために使います。重いってか?これがオレだよ!