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玉之丞の避妊手術とICチップの話2

玉之丞の避妊手術が無事に終わった。先生に「無事に手術、終わりました?」と挨拶のように声をかけたところ、一瞬、顔が曇った。

「この子、経産婦(子供を産んだことがあるメス)かい?」と。

え、いえいえ一度も子供産んだことがないはずですけど。。と言っても里子なので玉之丞の過去はわからない。

先生は、丁寧に写真を見せてくれて「右側の子宮がたるんでるでしょ、これは子供を産んだことある子宮かなと思ったんだよね、もしくは奇形か病気か。」とのことだった。私が引き取ってからは一切妊娠させたことはないので、(それで気が引けてここまで避妊手術を伸ばしたのだが)うちに来る前??おまえ、一体、川越でどんな猫生を生きていたんだ?涙が出てきた。

先生に食いついた。「でも、子供産んでたら、乳首が伸びるって言うか、子供育てた感じの乳になりませんか?」「発情期の直前でってことはないですか?」

先生は丁寧に答えてくれる。「子供産んで、すぐに捨てられたり離されて授乳していなかったら、そうなってないだろうねぇ。発情期の直前でもここまで子宮がたるんでることはないよ。形が全然違うんだ。」ますます涙が出た。

受付で涙を流しながら、玉之丞はカーラーでなく術後着を着ているので、どう接すればいいのか、脱げた場合はどうしたらいいか、抜糸(があるタイプだった)はいつがいいか、など詳しい説明を受けて、動物病院を後にした。(他に待っていた猫ちゃんたち、時間かかってごめんなさいね)受付で待っていた他の猫ちゃんの飼い主さんたちも、何かあったと察知されて、黙っていてくれたし、とてもいい先生だった。金額は合計で38000円超えだったけど、もしこれが子宮の病気なら手術してよかったのだ。膿が出てからだと遅かったというし、納得した。金曜日の朝に預けて土曜日の夕方に迎えに行ったので、1泊2日だった。

迎えに行った玉之丞は非常に興奮状態で、フーシャー言っていた。こんなにフーシャー言っているのは初めてだ。仕方ない。パートナーにタオルケットで包んでもらってカゴに入れたら落ち着いた。すごく消毒液臭くてびっくりした。

うちに帰ってからの玉之丞は、家を探索した。そしてしばらくして、いつもの場所で落ち着いた。すごく消毒液臭くて、ずっと自分を舐めっていた。術後服も相当消毒液くさいかもしれない。でも、これをとってしまうと、術後跡をなめてしまうから外せない。

なんとか落ち着くことを願い、こちらも普段通りに過ごすようにしながら(様子はガン見して)1日が終わった。

一体、玉之丞は、川越でどうやって過ごしてきたのだろう。もし、子猫を産んでいたんだとしたら、その子たちは一体どうなってしまったのか。また涙が出てきた。自分が聞いたのは、ラグドールの規格外だと言われてブリーダーさんからAさんと言う人にほぼ無料で渡ったらしい。この時に3ヶ月くらいだったろうけれど、予防接種をしたかどうかは不明だと言っていた。それから1歳になるまで川越のAさん宅で育っていたはずだけど、Aさんの子供の喘息がひどく、手放したいとのことでジモティで募集をされた。自分はその話を全て信じて玉之丞を迎えた。確か1歳1ヶ月だったと記憶している。計算すれば、玉之丞が1歳前に子供を産んでいてもおかしくはない。規格外のラグドールと言われたのに、子供を産むかは理解できないけれども。。綺麗な青い目をしているし、尻尾もグレーだし、見た目はもちろんラグドールだけど、証明書がないので、本当にブリーダーからAさんが飼ったのかもわからない。今までの話が信頼でできていただけに、全てが崩れてしまった。全ては、目の前にある事実のみだ。玉之丞の子宮が物語っているのだ。

玉之丞は、川越でどうやって生きてきたのかはわからない。猫は何も語れないから。(大体は甘え方などでわかるけれども)だけど、これから私らが責任を持って飼育していくことには変わらない。これから幸せになっていけばいいのだ。

そんなことをしているうちに、いつもの癖で、玉之丞が布団の中に入っていった。そうかそうか、手術後は寒いのか・・・と温まって寝付いたところで、私たちは昼の買い物にいった。

しかし、事件が起こる。家に帰ったら「術後着が脱げて、手術跡をなめていた!」ヒェー!イソジン?取れたかもしれないけど大丈夫だろうか?すぐに術後着を着せてみたけど、変にケプケプしてる。あんまり様子がおかしかったら、動物病院に連れて行かなければ!!

そんなことを繰り返しながら、このnoteを書いている。もっとジモティで引き取る際に詳しく聞けばよかったと非常に反省している。相手も猫好きだし、飼った経験もあると言っていたし大体のヒアリングはしたと思っていたけど、流石に経産婦かどうかは聞いていなかった。ブリーダーが3ヶ月の予防接種してるかわからないとか、その辺も今になっては怪しかったもんな。。今は連絡取れないからもう仕方ないけれど、里子を迎えるときはできるだけ多くヒアリングしておいたほうがいいと思います。(契約書も返してもらっていない)

・正確な生年月日、予防接種の有無、I Cチップの有無、避妊の有無、ブリーダーから引き取ったのか、ペットショップで購入したのか、どこの地域から引き取ったのか、病歴はないか、体質はどうか、最低限、これだけは聞いてください。これは、動物病院のスタッフと医師から質問された内容です。避妊手術してあっても「サクラネコ」みたいに印がないと再度麻酔をかけて手術することになり、猫にとっては二度苦しい思いをすることになりますからね。

ICチップに関しては、義務化されているところと、されていないところがあるのでしょうか。うちの自治体ではまだ義務化されていないですね。動物病院と相談したところ、義務化はされていないけれども、災害時に迷子になったときに非常に役立ちますよ、とのことでした。価格は5000円前後とのこと。ちょっと大きめの注射でチップを入れるので、玉之丞は抜糸の際がいいのでは、とのことだった。(ICチップを入れるところの話でも、どこから引き取ったのか、どこで飼った子だったのか詳しくヒアリングされました)うちは、絶対に外に出ないとは思っているけれど、流石に災害時はわからないものね。。パートナーは、ICチップを入れている子達が災害時にみんな飼い主の元に帰って来たらしいよ、義務化された時にチップ入れたら?助成金出るかもよ?と言っていた。(そんな悠長でいいのかい)2019年に飼育している動物へのICチップの話が出ていたようですが、今回のコロナで延期になっているのかもしれないね。玉之丞、痛いかもしれないけれど、我慢してくれるかい?

初めての里子でしたが、この失敗を生かして、次の子はしっかりヒアリングしようと思いました。皆さんも気をつけてくださいね。

どうかサポートよろしくお願いします。サポートしていただいた費用は、現在日本で双極性障害で悩んでいる方々をサポートされている協会に募金させて戴きます。つらいことも多い障害ですが、理解者が一人増えるだけで自死する人は減っていきます。死んでいい人なんていません。理解だけでも感謝です。