見出し画像

あれこれ初体験1(株主総会出席編)

人生生きているといろんなことを経験します。
とはいえ、10代の頃に比べたら初めての経験というものは少なくなります。
しかしながら、時々初体験というものはあったりするものです。思い起こせば、ケンタッキーを初めて食べたのは22の夏。「人生半分損してる!」と友人に言われ、その友人と共に赤羽駅北口のケンタッキーを食べたのも良い想い出です(笑)。

話が逸れました。そんな齢(よわい)も30になろうという私の初体験をいろいろと残しておこうと思います。

というわけで、不定期シリーズ(?)、あれこれ初体験シリーズをお送りします。

今回は株主総会に出席編です!

そもそも株主総会とは?

そもそも株主総会とはいったいなんなのでしょうか?
Wikipediaにはこのように書いてあります。

株式会社の最高意思決定機関。株主を構成員とし、株式会社の基本的な方針や重要な事項を決定する。株主は株式会社の実質的な所有者であり、言い換えれば、倒産時でない限り、残余請求権者であることから、重要な意思決定は株主総会に委ねられている。

平たく言うと会社に関する物事を決める会議の場ですね。
株主になれば、どなたでも出席する権利があります。僕のような弱小株主でも平等に、株主総会開催の通知が来ます。(保有する株数により議案提出などができるようになったりする。)

株主になる

じゃあ株主になってみようということですが、株を買えば株主になれます。
株を買うには、証券会社に口座を開設して、口座に入金して、そのお金で株を買うということをやればオッケーです。
ではいくらあれば買うことができるのでしょうか?一例として、トヨタ自動車の株価を取り上げてみます。執筆時点でのトヨタ自動車の1株あたりの株価は「6,613円」です。
「お?これならちょっといいお寿司食べるくらいかな?私にも買えそう!」そう思ったあなたちょっと待ってください。これは1株あたりの値段なのです。

「え?1株から買えないの?」

証券口座によっては1株単位(単元株未満)で扱ってくれるところもあります。しかし、基本的には100株単位で買うことが一般的です。1株だと株主総会に出席できなかったり、桐谷さんのように株主優待ももらえません。なので「株価×100」が必要な金額と考えてください。

「するとトヨタ自動車の株を買うには66万円は必要ってことかぁ。そんなお金ない!有名企業の株はやっぱり高い!無理!」

まあ落ち着いてください。あくまでトヨタ自動車の株価がそうであって、有名企業でももう少し安く買える株もあります。たとえばみずほ銀行でおなじみの「みずほフィナンシャルグループ」の株価は「154.3円」、Yahoo!Japanでおなじみの「ヤフー」の株価は「316.0円」です(全て執筆時点の株価)。
つまり、みずほは15430円、ヤフーは31600円あれば株を買うことができるのです。「少し貯めれば買えそう」ですね。
これで晴れて株主です!

株にはリスクがありますが、今回は株主総会に出席するという観点でお話しをしますので、リスクなどは割愛します。
では株主総会に出てみましょう。株主総会に出席するためには、その企業の株を「企業の決算月の権利確定日に持っていること」、「議決権を持っていること」の2点を満たせば出席できます。
前者の「企業の決算月の権利確定日に持っていること」ですが、難しい用語が並んでいますね。簡単にいうと「株を売らずに持っていれば」オッケーです。後者の「議決権」ですが、100株持っていれば議決権を持っていることになります。なので、普通に買って持ち続けていればいいのです。

持ち続けていれば、企業から株主総会のお知らせが届きます。株主総会の日時と場所が記されたパンフレットが送られてきます。パンフには総会で決める議題と企業の業績の説明、財務表が記載されています。パンフと一緒に議決行使書も同封されできます。これを持って総会に行ってみましょう!
ちなみに議決権は100株(単元株1単位)に対して1票です。なので、たくさん持っていれば、企業に大きな影響を与えることができます。(その分お金がいります、、、)

僕が株主総会に行ったわけ。

今回、僕が株主総会に行ったのは簡単に言うと「時間があった」からです。僕がこの企業の株を持ってから4年くらいになります。株主総会のお知らせは少なくとも3回はいただいていました。ただ、多くの企業の株主総会が平日の午前中に集中しています。仕事をしていたら行けませんよね。僕もそうでした。

今回はちょうど仕事を辞め、次の仕事が決まり時間ができていた時でした。これも何かの経験と思い、出席することにしました。
数万円程度なのでずっと持っています。(株が下がり続けているから売れなかったのもあります笑)

会場の雰囲気

会場の雰囲気ですが、企業ごとにそれぞれかとは思います。まず最寄駅のあたりに会場案内用の看板を持った人が立っています。(この風景を見たことがある人も多いかもしれませんね。)僕が行った企業さんは自社ビルを保有しているので、そこが会場になっていました。ビルに入ると社員さんがきちっとした形でお出迎えと案内をしてくれます。僕はジーンズにデニムシャツにスニーカーというまあ、ラフな格好で行ったので、どう思われたのかビクビクしていました笑(ラフな方も何人かいましたが、基本的にはスーツとかビジネスカジュアルが無難でしょうね)
受付で議決権行使書を渡して、出席票を渡されます。上着のポケットに入れておきます。出席票には番号が書いてあります。この番号は株主から質問するときに必要になります。
会場内は警備担当の社員さんが脇に座り、後ろの席でも見やすいように左右にモニターが設置されていました。

正面には議長席、サイドには取締役の方々が座る机と椅子が用意されていました。

株主総会の始まり

開始10分前くらいになると取締役の方々が入室され株主に一礼してから着席されます。取締役つまり会社の社長さんとか会長さんとかお偉いさんが一堂に会します。
株主総会の流れは、事業報告、議案の説明、株主からの質疑応答、議案の採決になります。
事業報告は資料(受付時に渡されるパンフ)をもとに説明があります。
議案の説明も資料に記載されているのでそれに沿って説明されます。議案の内容は取締役に関する内容(社長ら取締役、監査役の選任、役員報酬額)、剰余金処分について(株主への配当金について)、定款の変更でした。

質疑応答

株主総会のメインというと株主からの質疑応答です。かつては総会屋という、まあ語弊はあるかもしれませんが、暴力団関係の方が出席していた時代もありました。大声をあげ荒らす、逆に会社側からお金をもらい株主総会を穏便に終わらせるなどの行為もあったようです。

現在は、法律の規制等によりかなり厳しくなっています。なので、荒げる人はほとんどいないと思います。僕の出席した企業さんはSP的な役割の社員さんが何人か会場の脇にいましたので、万が一も安心ですね。

今回出された質問は大きく2つかなと思います。
1.株主への利益還元。
2.企業の事業に関連する質問。

1に関しては「剰余金がこれだけあるのに、もう少し配当金を増やしたり、自社株買いをして株価を押し上げる施策をしてもいいのでは?」ということでした。僕も株主の一人ですのでごもっともだなと思いました。
印象に残っているのは、「かつての輝きを取り戻してほしい!応援している!」という20年以上も株主をしている方からのお言葉でした。意外にもお金だけでなく、愛のある株主の方が多い印象でした。

2に関しては、企業によってさまざまです。例えば、「阪急阪神ホールディングス」の株主総会です。こちらの企業はプロ野球「阪神タイガース」の親会社でもあります。毎年チームの補強に関する質問が飛び交いニュース記事にもなります。
僕の出席した企業は金融関連の企業さんでしたので、キャッシュレス決済関連の質問がありました。「地方にも海外からのお客様が見えているのに、お土産屋さんにキャッシュレス端末が整備されていなかった。御社は何かそういったキャッシュレスインフラ整備を後押しする施策はあるのか?」というものでした。そういう現状もあるのかと大変勉強になりました。

その他、働き方改革の一環として、女性の取締役を増やす予定はないのか?男性の育児休業取得に対してどう考えているのか?などの質問が飛びました。また、コンプライアンスに関する質問が飛ぶことがありますし、不祥事が起こった企業の株主総会は厳しい質問が飛んだりします。今シーズン全体の株主総会の時流として、日産自動車の事件があったことから取締役の報酬について議論されることが多かったようです。
どの質問にも代表取締役の社長さんを中心に各事業担当の取締役の方が丁寧に答えられていました。

採決と終わりに

質疑応答が一通り終わると議案の採決です。
出席している人は各議案に対して拍手で賛意を示します。今回僕が出席した株主総会では、議案はすべて可決され、問題なく終了しました。

出席できないからと言って議決権が無駄になるわけではありません。はがきで事前に賛否を示したり、インターネットで賛否を示すことができます。
ちなみに会社法という法律により、あまりに回答が少ない場合は、株主総会が無効になるようです。出席せずとも何かしらの態度を明確にしておきましょう。

ちなみに企業の中には株主総会に出席するとお土産として、オリジナルのグッズやクオカードがもらえたり、芸能プロダクションの株主総会ではアーティストのライブが行われることもあるそうです。

今回、株主総会で実際何が行われているのか知ることができました。またその企業についてよく知れたり、また世の中の動きと絡めて企業活動を考える良いきっかけとなりました。出席してよかったなと感じました。

機会があればあなたも出席してみてはいかがでしょうか?

平成プロ野球を個人的に振り返るマガジン完結(2019年5月現在)