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フリースクール活動日記 2023/06/22-水道

 今日向かったのは印刷博物館。先週ヨッシーとの激論の末、譲歩された項目「美術館では騒がない」、「少なくとも2時間は館内にいる」に次ぐ3項目。「今度は印刷博物館へ行きたい」という約束があったため、今回は2時間半も討論を交わすこともなく、飯田橋駅へと集合する事で決定した。
 少し遅れて駅へと到着したのだが、困ったことに集合場所がわからない。予め貰っておいたイマンモからのメールに目を通すと、集合場所は記載されていない。慌てて尋ねると、JRの東口だという。今いるのは、JRの西口にほど近い南北線の出口。あちこちを彷徨い歩き、上へ下へ前へ後ろへ右往左往。ようやっと辿り着くことが出来た。当然だが、今回は僕が最後である。
 余談だが、今日は龍角散が来ていない。彼、龍角散はよんどころない事情で欠席。今週は殆ど顔を見せてこなかった。
 やはり、彼がいないと今一つ盛りあがりに欠けるものがある。おそらくはその場に集ったメンバー全員がそう思っていたことだろう。いつもと比較をすれば月とすっぽん。本来ならば喜ぶべき事なのだろうが、あの騒々しさになれてしまった僕は、最早その喜びを甘受できない。
 JR飯田橋駅を出発後、ひたすら神田川沿いを北上。暫く歩いて西へ折れると、印刷博物館へと到着した。ヨッシーを先頭に館内へと入った僕達は、順当に印刷博物館の中を進んでゆく。途中ロッカーがあったため、そこに荷物を預けることにしたが、皆やはり心配なのだろう。先週のような悲劇を繰り返さないため、鍵をそれぞれ絶対になくさないと考えた場所に収納している。ポケットに入れて蓋をしたり、体に紐で縛り付けたり。その処置にかなり時間をとられたため、既に移動していた彼らを追いかける。
 暫く歩いて次の部屋へと入る。印刷に関する「日本史・世界史」などに関連付けて「凹版」や「凸版」、「孔版」などの資料が展示されている。和綴じから西洋の製本法が伝わり、次第に印刷法が革新的に進歩を遂げてゆくまでが手軽にわかる。意外にも、明治までは和綴じの本が普通だったようだ。

 一通り全ての展示を見終えたので、博物館から出た。ロビーで座って皆が出てくるまでの間、吉村昭「陸奥爆沈」を読む。その後出てきたΧαοσらに妨害をされながらも無事に読了、「光る壁画」を取り出した。そのうちイマンモが皆を従えて出てきたため、行き先を後楽園に決定、雨が降る前にと急いで向かう。
 イマンモがあちらこちらを彷徨い歩いた結果、到着にかなりな遅れが生じたが、幸いなことに未だ雨は降っていない。四分五裂になった隊列を再び整え直すのは無理があるため、後続のレイセンとGirlsのことはいったん頭の隅へと押しやって、弁当を食べる。幸いなことにベンチも幾つか空いている。
 皆が弁当を食べ終わった。ここに龍角散がいれば果敢にも闘争を引き起こすのだろうが、今日はいない。たまには午後をゆっくりと過ごしていても良いじゃないか……と思っていたのだが、僕は彼らを舐めていた。龍角散がここになじむことが出来たのは、ひとえにこのフリースクールの気風に適していたからだ。


 ここでは暴れ回って他人を巻き込むなど日常茶飯事。だが、少しだけ待ってくれ。僕は今日、そんなことに巻き込まれたいとはけっして思っていないのだ。Χαοσやカッパくんの猛攻に耐えかね、僕は池を回って避難した。最早彼らと一緒にはいられない。そう考えながら歩いていると、前方に見知った顔が幾つもあるのを見た。イマンモ・レイセン・パイセン・emmanmo。
 イマンモ達のそのグループはつい先ほど園内を見て回るために皆のもとを出立していた。そんな状態だったため、どこにいるのか不明ではあったが無事合流できたのである。そのようにして合流した後、ドブネズミ・円月橋などを見て帰路についた。


 その後さらにΧαοσらと合流。しばらく後楽園周辺にて休み、水道橋駅で解散となった。来週はおそらく奥多摩になるが、きちんとライフジャケットを持って行き、泳ぐことも金輪際止めよう。

‘今日持って行った本’
吉村昭「生麦事件 下巻」
 〃 「光る壁画」
 〃 「陸奥爆沈」
デュマ「モンテ・クリスト伯(巌窟王)中巻」

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